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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
131/191

カミングアウト

お越しいただきありがとうございます。

愛奈主観です。味しないかもです。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。

唯   3年生。モデル並みの美貌の持ち主。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。


「え、あっ、はじめまして、手塚です。こちらこそよろしくお願いします。」


ユキ君が困ってる……。確かに男友達を紹介すると言っていたから、男性には慣れているんだと思うけど、この反応は、私並みに慣れてない気がする。


「……。」


美羽は黙ってしまった。これは、予想していなかった事態だ。とりあえず、ユキ君とは初対面だし、私がうまくリードしないと。


「美羽、なんだか変だけど、体調悪い?」


「違うの、男の子に慣れなくて……。」


え?私に男の子紹介したいって言ってなかったっけ?


「えっと、私に男の子を紹介させてって言ってなかったっけ?その方は友達ではないの?」


「うん。従姉の友達。私、ずっと女子高で男の子と殆んどお話ししたことが無くて……。」


もしかして、私、普通に事情を話していれば、それで事が穏便に済んだとか?私の勝手な思い込みで何だか色々な人を巻き込んで、迷惑を掛けてしまった……。


ユキ君が何かを悟ったかのように私に耳打ちをしてくる。


「愛奈ちゃん。もしかして、早とちりした?そうなら彼女に本当のことを言っても良いんじゃない?」


「そうなんだけど、これで友達じゃなくなってしまったら怖い。」


「その程度で壊れるくらいの友情なら、遅かれ早かれ壊れると思うよ。」


ユキ君のいう通りだ……。それに私も後ろめたい気持ちがあるし、すっきりしない。いっその事、楽になってしまうのも良いかな。


「美羽。私、あなたに謝らなければいけないことがあるの。」


「どうしたの?」


「実は、地元に彼氏が居るっていうのは嘘。彼は私の妹の友達。今日の為に協力してもらったの。私、紹介してくれるという男の子のことを、見せてもらった時、私の苦手なタイプだったんだけど、どうしてもストレートに断り難くて、咄嗟に嘘をついてしまったの。本当にごめんなさい。ユキ君もごめんなさい。」


頭を下げたまま、美羽のことが見れない。なんて、愚かなことを私はしてしまったんだろう。星奈たちにも迷惑を掛けてしまった……。


「愛奈。頭を上げて。私も自分が男の子に慣れていないのに、紹介するなんて言ってごめんなさい。」


友達のままで居られる……良かった。もしかしたら、私はもっとこの子と仲良くなれるのかもしれない。


「丸く収まったという事で良いよね?愛奈ちゃん、1つ訂正してもらいたいんだけど。」


「えっ?」


「俺と星奈は友達だけど、愛奈ちゃんとも友達のつもりだったんだけど……。」


「はいっ!私は、ユキ君の友達です!」


ユキ君がモテると星奈たちが言っていたことを私も理解しました。


「男友達……。愛奈が羨ましい……。私、おしゃべるするのもままならない。」


「美羽さん。それなら今日は、3人で普通に遊びませんか?もしかしたら、俺と話すことで少しでも改善できるかもしれませんし。」


「良いんですか!?実は、愛奈の彼氏に会いたいと言ったのは、私も普通の女子大生みたいに男友達と遊んだり、彼氏を作ったりしてみたくて、参考にさせてもらおうと思ってたんです。是非、お願いします!」


「愛奈ちゃん。それで良いよね?」


「うん。ユキ君。ありがとう。」


ユキ君ってなんでこんなに大人っぽいんだろう?まだ高校1年生なのに。そうだ、美羽には言っておかないと、ギャップが生まれると良くないものね。


「美羽。ユキ君は高校1年生なので、あまり過激な発言は控えてね。」


「えっ!?高校1年生なの!?大人っぽいから同じくらいかと思ってた。」


「愛奈ちゃん。傷つくのでそれくらいにしておいてください……。」


「いや、あの、わかりました。」


謝ったらそれでも傷つくだろうし、難しいところだわ。


「じゃユキ君。とりあえず、食事に行きましょう。美羽もそれで良いよね?」


「うん。私、男の子と食事するの初めて。」


「えっ、それ本当ですか?」


ユキ君が目を丸くして質問する。でも、私たちのように、ずっと女子高だとそれも珍しいことではないのです。


「はい……。味しないかもです……。」


「何か好きな食べ物とかありますか?」


「何でも大丈夫です。よろしくお願いします。」


ユキ君は何かを考えてるようだ。もしかしたら予定を変更するのかもしれない。もう、この辺は、私よりユキ君が主導権を握った方が良さそうだから、従うまでです。と若干卑屈になりそうな自分を慰めながら、歩き始めた。

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よろしくお願いします。

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