サークル初日
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主要登場人物
ユキヤ 主人公。隙があって鈍感。
かおり ユキヤの中学からの同級生。
星奈 2年生の先輩。ユキヤに付き合ってと言って保留にされている。
唯 3年生。モデル並みの美貌の持ち主。
五日市先生 かおりのお姉さん。
翌朝、母さんに掃除用品を貸してほしいと言ってみたものの・・。
なんじゃこの大荷物は!
何でもかんでも詰め込まれてるような気がする。
液体ものが多すぎる・・・。
これは朝から結構きつい。
「おはよう!ユッキー。」
「ユキヤ、おはよう。」
「おはよう・・・。」
「なんだか随分荷物多いね。何が入ってるの?」
「母ちゃんに掃除用具借りたらこうなった。」
「私達は、学校の備品を借りるつもりだったんだけど。」
「!!」
そういうことだったのか。
ちょっと考えれば簡単にわかったものなのに
浮かれて、頭が回りませんでした・・・。
朝から部室に行って、荷物だけ置いておこう。
「二人とも朝から悪いんだけど、部室棟つきあってくれない?」
「ごめんユッキー、私、当番なんだ。」
「私は平気だから、付き合う。」
「ありがとう。場所がわからなくて助かるよ。」
また、通学電車が混んでいる。やっぱりこれが普通なのか。
そんなことを考えつつ、二人の感触を楽しみながら学校についた。
下駄箱前でかおりと別れると、星奈と一緒に部室棟に向かう。
部室棟は、学校の中で一番歴史のある建物らしく、結構なボロさだ。
でも歴史というか風情があって、なんというか居心地の良い
そんな空気を持った建物だった。
「15号室は、確か1階の端っこだったって唯が言ってたから・・。」
「あった。ここだね。じゃちょっと荷物置いてくる。」
「うん。暗いの怖いから待ってる。」
暗いのが怖いのか。なんかかわいい。
扉を開けると、沢山の備品と思われるものが置いてある。
視聴覚系のものが多い印象だ。
確かに暗幕が閉まっていて暗いので、これは外した方が良いかもしれない。
謎の液体たちを置き、星奈の元にもどった。
「おまたせ。真っ暗でちょっと危ないかも。」
「そっか。放課後は、ユキヤの後ろに居る。」
先に転べということですね・・・。
男子ですから、仕方ないです。
「じゃ戻ろう。」
星奈と別れ、教室に入る。
珍獣扱いには違いないけど、もう数人しか寄ってこないので
俺の人気者の期間は終了したらしい。
「おはよう。ユキヤ君。」
「おはよう。佐藤さん。」
昨日のことがあるから、話しかけて来ないかと思ってたんだけど
結構普通だったのでちょっと安心した。
駅近くのケーキ屋さんの話や、おしゃれな喫茶店の話など
男子には、相槌が精いっぱいの会話を楽しみ、授業が始まる。
それにしてもかおりのお姉さんは美形でスタイルが良い。
かおりもあんなに可愛かったなんて知らなかった。
図書委員の頃は、よく一緒にペアを組んで放課後の当番してたけど
三つ編みのおさげ髪で、どちらかというと地味な感じだったし
男子にそこそこ人気があったけど、今の方が段違いで人気が出そうだ。
今のポニーテールみたいな感じも良く似合ってる。
メガネを外したことが一番印象が違うのかな?
まあ、俺の見る目が無いだけだろう。もっと人と真剣に接しよう。
などと考えているうちに、昼のベルが鳴った。
テラスに着くと、唯さんだけまだ来ていなかった。
「今日、唯は、お昼ご飯クラスメイトと食べるって。
二人もそういうことがあったら遠慮なく言って。」
「了解です。俺も一度くらいクラスで食べてみようかな。」
「私もその時は、ラインしますね!」
この空気感は、中学の頃には無かったことだ。
なんというか、集まりを作ったら絶対それを重視しなければいけないとか、
そんなことがこの集まりには無いから、なんだか成長した感がある。
集まり?そうだ今日からサークルだ。4人だけのサークル。
今から放課後が楽しみだ。
「放課後に話そうと思ってたんだけど、実はマニュアルに変化があって、
3ページ目が出てきたの。ただ、前の2ページ目と同じ内容だった。
1ページ分割り込んだ感じ。だから、放課後、かおりにもマニュアル見てほしい。」
「うん。星奈さん、部室のお掃除終わってからやりましょう。」
「そうね。終わるかな?」
「は、はは」
掃除が終わるかどうか、あの部屋の状態だと終わらない気もする。
そんな一抹の不安を抱えつつ、食事は終了した。
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