迷走
お越しいただきありがとうございます。
ファッションショー!
今回から愛奈の主観になります。レギュラーになれるか!?
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お楽しみください。
主要登場人物
ユキヤ 主人公。隙があって鈍感。
かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)
星奈 2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。
唯 3年生。モデル並みの美貌の持ち主。
五日市先生(千春) かおりのお姉さん。
「星奈!どうしよう!着ていく服がわからない!」
「お姉ちゃん。とりあえず落ち着く。」
デートなんて初めてだし、ユキ君とは話せると言っても2人では話したことなんてないし、ほとんどぶっつけ本番なのに、おしゃれな服がわからない。というか、デートでどう言う服を着ていいのかわからない!マニュアル本には、勝負服とか書いてあるけど、胸元が緩かったり、スカートが短かったり、身体のラインがはっきりしてたり……。もう大パニックです。
「そして、お姉ちゃんはなぜに下着を広げ、下着ファッションショーをしているのか説明していただきたいのですけど。」
「え、勝負下着が重要なんじゃないの?」
「あなたは、ユキ君に何をしようとしているのでしょうか?ユキ君の前で脱ぐのでしょうか?」
あ、星奈が私に向かって敬語で話してる……。怒っているようだ。
「脱がないけど、見えるかもしれないし……。」
「脱がなくてよろし。普通の下着で良い。」
星奈の言葉に我にもどる。確かに見せる訳ないし、見えるようにするものでもない。
「ごめん。何着て行けばいいか教えて。」
「ユキ君としかデートしたことのない私に聞くと。普通の服で良いの!ふ!つ!う!」
「それが分らないから聞いてるの!星奈はどんな服着て行ったの?むしろそれ貸して!」
「ユキ君なら私の服だとすぐわかるよ。それで良ければどうぞ。」
「えっ。それはちょっと困る。」
「ならば、適当に自分で着て、私見せて。それで判断する。」
じゃ、これとこれ、それでこれ。マニュアルに書いてあった通りのコーデだから大丈夫でしょ。
「お姉ちゃん。露出多すぎ。そのミニスカ。確かにユキ君はエッチだけど、目のやり場に困る。下着が見える。胸強調しすぎ!ちょっと下品。」
自分の妹ながら、なかなかの辛辣さだ。でも、確かにちょっと恥ずかしい。
「これは?」
「まあ、良いけど、ちょっと夏っぽさがない。暑くて汗かきそう。」
「星奈。ホントにもう選んで。」
「モンブラン。」
「え?なに?」
「モンブランを奢って。」
「承知しました……。」
星奈が私のクローゼットから膝丈のスカート、色の濃いキャミ、薄手のブラウスを出す。ちょっと透けた感じだけど、下品ではない。むしろ、ブラウスの上のボタンを少し外しても、嫌味の無い感じのコーデだった。
「星奈。これ、結構良い。どうしてこんなコーデ知ってるの?」
「先生に教わった。」
最近の初春は、男子が入学するどころか普段着のコーデも教えてくれるの!?私のころは、男の子との話し方すら教えてくれなかったのに!
「私、今の初春に行きたい……。」
「大人は入れませんよ。」
「私、まだ19だもん。」
「ふーん。私はまだ16歳。ユキ君と一緒。」
「もうすぐ17じゃない。似たようなもんよ。」
「その19歳大学生がもうすぐ17歳に助けを求めてくるとは、これ如何に?」
「すいません……。」
「まあ、良いとして、ユキ君は機転を利かせて話を合わせてくれるから、問題はお姉ちゃんがちゃんと合わせられるかだよ。」
「うん。でも彼氏、彼女っていうのがどんな話をするのか見当もつきません……。」
「お姉ちゃん。それは昨日言っていれば間に合ったかもしれないのに……。これは手遅れとしか言いようがない。私が言うのもなんだけど、がんばって。」
「うん。がんばるけど、ユキ君怒ったりしない?」
「どういうことに?」
「不甲斐ない私に……。」
「頑張ってる人には怒らない。頑張らない人には怒る。」
「そう……。がんばる。」
「あと、ユキ君は優しいから、それに甘えないこと!今回だってユキ君のやさしさでOKしてくれたようなものなのを忘れないように。」
「わかった。唯とかおりちゃんにも感謝しないと。あと星奈もね。」
「ショートケーキ、ミルフィーユ、モンブランそれとプリン・ア・ラ・モード。」
「え?」
「お礼はこれでよろしく。」
深くうなづき、これから私の戦いは始まる……。と思う。
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