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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
125/191

頼み事

お越しいただきありがとうございます。

頼み事、出来る限り聞いてあげたいけれど……。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。

唯   3年生。モデル並みの美貌の持ち主。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。


あの夜から、数日。

かおりも回復して、いつも通りの雰囲気に戻った。でもなんとなく、3人が何かを企んでいるような気がする……。俺に何か頼み事でもしようとしてるような……。今日はバイトなのでそれとなく、かおりに聞いてみよう。そんなタイミングで、唯さんからラインが入った。


“ユキヤ君。今日のアルバイト後、空いてる?”


俺の予定を聞いてくる時は、大体何かあるときだ。相談事か頼み事。今回は後者だな。


“空いてますよ。何か頼み事ですか?”


“うん。鋭いね。”


“じゃバイト後に連絡します。”


何の頼み事だろう……。難解なものでなければ良いんだけれど、最近は精神的に動揺するものが多かったからな。


バイト中、少し一息つけることが有ったので、かおりにカマを掛けつつそれとなく聞いてみた。


「ねえかおり。今日は、どんな頼み事?」


「たっ、頼み事!?なんでわかるの?星奈さんから聞いたの?」


星奈の頼み事なのか……。めったに頼み事とかしないからちょっと重そうな気がする。


「星奈の頼みなの?」


「違うけど……。」


星奈じゃない?尚更混乱してきた。


「バイト後は、どこに行けばいいのかな?」


「星奈さんの家で。」


「了解。」


星奈の家で話が有るのに星奈の頼みではない?なんだか全然わからなくなってきた。夏休み中色々お世話になったから、とんでもない頼み以外は聞く気ではいるけれど。


バイト終了後、かおりと共に星奈の家に向かう。バイト中に母さんから帰ってきたとの連絡が有ったので、今日の夜ご飯は自分でどうにかしてとのことだった。まあ、明日からご飯に困らなくて良いから安心だ。


星奈の家に着くと、何故か愛奈ちゃんが出迎える。


「ユキ君。こんばんはー!」


「こんばんはー。あれ星奈は?」


「いるよー。どうぞー。」


なんだろう、この感じ……。不吉な予感が。


「ユキ君。呼び出してごめん。」


「いや良いんだけど、頼み事は何?」


「それは、私達ではなくてお姉ちゃんから……。」


なんですと?


「実は、ユキ君にお願いがあって……。1日だけ私の恋人になってほしいの。」


「なんですと?」


「3人には話をしてあるから、その辺は大丈夫。」


「え?唯さん?」


「ええ……。3人とも毎日説得されたわ……。」


3人とも説得されるとはすごいな。外堀を埋められた形か。でも、俺の意志はまだですよ。


「どんな理由なの?」


「実は、今、女子大に通っているんだけど、友達からしつこく男の子紹介させてと言われて、つい地元に彼氏が居るって言ってしまって……。ずっと誤魔化しつづけてたんだけど、3日後、その友達がこの辺に来るから会わせてって。私、男の子の友達すらいないから、困っていたんだけど、帰省したら星奈がユキ君を連れてきたから、良い感じで大人っぽいし……。お願い!!お礼はするからっ!!」


「俺は、その人に会うだけでいいの?俺その人しらないし、その程度なら全然かまわないけど。でも俺、そんなに老け顔……?」


「それが、一緒に遊びに行こうって……。そして、良い感じに大人っぽい。」


うわ。面倒に巻き込まれてる。


「できれば、お断りしたい……。」


「ほらお姉ちゃん。ユキ君は、私達が了承しても、ちゃんと説明しないとだめだよ。」


星奈の言葉に愛奈ちゃんが考えている。何か理由でもあるのか?


「その紹介するって言ってる人が、私のことを、す、す、好きらしいの。それで私のことを調べて、私と付き合いたいって。でも、私、ずっと初春で、今も女子大で、男の子が怖い。だから、昔から知ってるユキ君だったら怖くないし、普通にお話出来るし、彼氏の振りも出来ると思ったの。本当に私のわがままでごめんなさい。」


うーん。何というか、俺も少し言っておかないといけないな。年上相手に言うのは、ちょっと抵抗があるけれど……。


星奈が淹れてくれたコーヒーを飲みながら、反撃体制を整えた。

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