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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
122/191

また

お越しいただきありがとうございます。

オードブルは、おいしいけど太る。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。

唯   3年生。モデル並みの美貌の持ち主。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。

「おじゃましまーす。」


なんだか何日もお世話になって申し訳ない気がする。


「おう、手塚!今日は付き合ってよ。」


「あっはい。今日は千春さんと寝ます。」


「そういうのは要らないから。」


笑いながら返す千春さんに少し安心する。家から持ってきた葡萄を嬉しそうに受け取ってくれたので、少しだけ心が軽くなった。今回も千春さんの晩酌タイムにお付き合いです。


「全員、お風呂先にすましちゃいな。」


星奈と唯さんは、先に入っていてくれたらしい。俺とかおりだけど、かおりに先に入ってもらった。


「ねえ、2人とも。かおりから大体聞いた?」


「うん。聞いた。」


「俺が悪く言われる分には、何とも思っていないんだけど、かおりは気にしてるのかな?」


「うん。それもあると思うけど、かおりが出てきてから話をしよう。」


星奈の言葉に頷いて、千春さんのところで今日のお供を選ぶことにする。おすすめは、ジントニックだそうだ。不良先生め。


かおりがお風呂から上がったので、俺も入ってしまう。さすがに3回目の五日市家のお風呂はもう慣れてしまった。


「お風呂頂きました!」


「ユキ君。ご飯できてるよ。」


今日の献立は、オードブルのような感じ。これは、お酒のおつまみでは?と言う感じだけれど、サンドイッチや小さいおにぎりがあったりで、目も楽しませてくれる。なんだか得した気分。


「かおり、落ち着いた?」


「うん。ユッキー心配かけてごめん。」


「で、さっきの話だけれど、俺は自分の事を悪く言われても正直気にしてない。かおりのことを悪く言われてたら怒るけど、そうでないからね。」


「うん。ユッキーはそうだと思う。でも気になるのはそこだけじゃなくて、すぐに飽きられて、ヤリ捨てされるっていうのが気になるの。」


うん。それ食事中の会話じゃないね。俺、もう飲んじゃう。お酒の勢いを借りないとこういう話は女子と出来そうにない。千春さんも居るし。


「かおりは、俺がそう言う人だと思う?」


「思ってない!でも男の人ってそういうのありそうだから、不安で……。」


「全然、そんな事出来ません。俺、そんな育てられ方してないよ。」


笑いながら返した。


「俺ね。父さんの影響を強く受けてると思うんだ。家の父さん、俺が小さい頃、海外で単身赴任していたからあまり会えなかったっていうのもあるんだけど、帰ってくると、いろんなことを話してくれたんだ。今もだけど、女性には優しくしろとか、こんな時はこうしろとか、人間関係は持ちつ持たれつ、相手は鏡だと思えとかね。」


みんな静かに聞いてくれている。こんな話をする気はなかったからちょっと恥ずかしいんだけど。


「だから、人を傷つけることは極力したくないし、女の子をそんな扱いしたら父さんどころかご先祖様に殺されるよ。」


「俺の父さんも尊敬している人がいて、父さんの祖父のお兄さん。すごく生き方が潔くて、かっこいい人だったんだって。今も酔っぱらうとたまに話をしてくれるよ。」


「俺は、その人を知らないけど、人を傷つけるような後悔はしたくないし、ましては女性をヤリ捨てとか全く思ったことないよ。だって、好きな人にそんな事出来るわけないよ。」


みんな静かに聞いてくれた。これで良いのかな?でも、俺これ以上の答え持ち合わせてないや。


「ユッキー。疑ってたわけじゃないけど、男の人って、そうなのかなって不安になってしまって……。ごめんなさい。」


「いいよ。俺は気にしてないからね。かおりが謝ることでもないよ。」


「ところで、3人共、話は変わるけど、マニュアルってどうなったの?」


「結構進んでるよ。」


「確か、2ページ目の間に入るように増えてたって言ってたけど……。」


「ユキ君。あれから達成されて、今はその先に進んでるの。」


星奈の答えに少し驚いた。2人とも言えないとか言って顔を真っ赤にしているような内容が達成されてる?


「どんな内容だったの?」


「キス。」


しましたね。はい、しましたね。俺、しましたよ。されましたし。しましたよ。


「なるほど。」


「手塚、キスしたの?」


そこで千春さんが入ってくると、ちょっと困るのですが……。


「したというか、されたりとか、したりとか……。」


「なるほどねぇ。青春だねぇ。」


「千春さん、からかわないで。」


「仕方ないなぁ。まあ付き合いなさいよ。」


「イエッサ!ティーチャー!」


沢山のオードブルと笑顔に囲まれ、ちょっといい気分の夜が始まった。

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よろしくお願いします。

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