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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
120/191

やっとカレー

お越しいただきありがとうございます。

インスタントコーヒー。入れすぎると不味くなる……。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。

唯   3年生。モデル並みの美貌の持ち主。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。

お風呂から出ると、すでにカレーが準備されていた。おいしそうだ。


「いやー私もごちそうになっちゃって悪いね。」


「先生もサークルメンバーですから遠慮しないでくださいね。」


唯さんの言葉に千春さんが微笑む。なんだか嬉しそうで、こっちも嬉しくなる。


「いただきまーす!」


カレーを一口。最初、辛みはあまり感じないけれど、コクがあって、少し甘味と共に酸味が感じられる。そして後からくる辛みが良い感じで美味しい。


「これ、おししい。なんか隠し味ある?何というかコクが良い感じ。」


「これはね、少しインスタントコーヒーが入ってるの。」


「そうなんだ。おいしい!」


お替りしたいくらいだけれど、さすがに昨日は体調不良だったから1杯で我慢しよう。


「ねえ、明日の朝も食べて良い?」


「うん。沢山あるから大丈夫だよ。」


星奈の言葉に安心する。明日は朝からバイトだから早めに起きて行かないとだしね。


食べ終わったら、全員でお片付け。千春さんと星奈にはゆっくりしてもらった。さすがに3人だと早く片付け終わった。


「さて、私は晩酌するかな。」


「私たちは、お茶ね。」


「俺はお酒飲みませんよ、唯さん。」


「なぜ私に……。先生。」


「あっ飲む?」


「少し。」


「唯。エッチなこと禁止。」


「はい。わかってます。」


先生から甘いカクテルを貰ってご満悦な唯さん。この人は絶対飲兵衛になる。


「ユキ君。さっきの話なんだけど、私たちは前から聞いてたの。だから、看病にも言ってもらって、2人っきりで話す時間を作ってもらったの。」


「そうなんだ。」


「今日はちょっとドキドキだったけどね。」


唯さんは、顔は笑顔だったけど、どことなく安心したという雰囲気があった。


「明日、断りに行ってくる。」


「うん。」


「唯さんと星奈さんは告白された経験あるんですか?」


唐突にかおりが質問する。たしかにこの2人ならナンパとか告白されたりとかはありそうだけれど、あまり聞きたくない気もする。


「唯は、年に2回くらい告白されてる。」


「星奈だって告白されてるじゃん。」


「私はそんなことない。唯は、いつも即答でごめんなさいって言ってる。」


「星奈は、何か話しかけられる前にすいません、って断って走り去る。」


なんとなく2人ともそんな感じな気がする。唯さんも星奈も俺が居るから最近は告白されないな。なんだか悪い気がしてきた。


「2人とも俺が居るから告白されないですね。すいません。」


「ユキヤ君は何を謝っているのでしょうか?ちょっとイラっとします。」


「うん。ユキ君。イラっとする。」


「え?」


「星奈。今日は挟んで寝よう。」


「そうだね。胸も揉まれたし。」


「手塚、来栖さんの胸揉んだの?」


ホントややこしくしないで……。


「あっ事実です。すいません。」


「ユッキーのエッチ。私のでもいいのに。」


「かおり、うれしいけど、ややこしくしないで。」


「手塚、相変わらずモテモテだな。」


「はは……。」


千春さん。もう俺モテたいとか思っていないんです。3人が好きなので、その他の人に好かれても、きっと興味を持てないです……。


「そう言えば、ユキヤ君。星奈のお姉さん、愛奈ちゃんとはどう和解したの?」



「いえ、和解したのは星奈で、俺は挨拶しただけです。10年ぶりくらいですからね。」


「ホントお姉ちゃんは、私の話を聞こうとしないから。ユキ君ごめん。」


「いいよ。ひさしぶりに姉妹喧嘩見れたしね。」


「恥ずかしい……。」


「どこも姉妹だったり兄弟だったり居るから楽しそうだね。私は一人っ子だからちょっとうらやましいな。」


「唯さんは一人っ子なんだ。でも、星奈とは姉妹みたいじゃん。」


「そうだね。なんだかお姉さんになってないけどね。」


「昔はちゃんとお姉ちゃんだったけど、最近は私と逆転現象が……。」


「いいのです。本当の私はこんななのですから。隠さなくて良いからこのサークル大好きです!」


「唯さんの開き直りが良い感じだね。」


こんな感じで、楽しい夜は更けていった。明日の出来事を誰も想像できずに。

ご感想・レビュー・ブックマーク・評価、いただけると幸いです。

よろしくお願いします。

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