やっとカレー
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インスタントコーヒー。入れすぎると不味くなる……。
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主要登場人物
ユキヤ 主人公。隙があって鈍感。
かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)
星奈 2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。
唯 3年生。モデル並みの美貌の持ち主。
五日市先生(千春) かおりのお姉さん。
お風呂から出ると、すでにカレーが準備されていた。おいしそうだ。
「いやー私もごちそうになっちゃって悪いね。」
「先生もサークルメンバーですから遠慮しないでくださいね。」
唯さんの言葉に千春さんが微笑む。なんだか嬉しそうで、こっちも嬉しくなる。
「いただきまーす!」
カレーを一口。最初、辛みはあまり感じないけれど、コクがあって、少し甘味と共に酸味が感じられる。そして後からくる辛みが良い感じで美味しい。
「これ、おししい。なんか隠し味ある?何というかコクが良い感じ。」
「これはね、少しインスタントコーヒーが入ってるの。」
「そうなんだ。おいしい!」
お替りしたいくらいだけれど、さすがに昨日は体調不良だったから1杯で我慢しよう。
「ねえ、明日の朝も食べて良い?」
「うん。沢山あるから大丈夫だよ。」
星奈の言葉に安心する。明日は朝からバイトだから早めに起きて行かないとだしね。
食べ終わったら、全員でお片付け。千春さんと星奈にはゆっくりしてもらった。さすがに3人だと早く片付け終わった。
「さて、私は晩酌するかな。」
「私たちは、お茶ね。」
「俺はお酒飲みませんよ、唯さん。」
「なぜ私に……。先生。」
「あっ飲む?」
「少し。」
「唯。エッチなこと禁止。」
「はい。わかってます。」
先生から甘いカクテルを貰ってご満悦な唯さん。この人は絶対飲兵衛になる。
「ユキ君。さっきの話なんだけど、私たちは前から聞いてたの。だから、看病にも言ってもらって、2人っきりで話す時間を作ってもらったの。」
「そうなんだ。」
「今日はちょっとドキドキだったけどね。」
唯さんは、顔は笑顔だったけど、どことなく安心したという雰囲気があった。
「明日、断りに行ってくる。」
「うん。」
「唯さんと星奈さんは告白された経験あるんですか?」
唐突にかおりが質問する。たしかにこの2人ならナンパとか告白されたりとかはありそうだけれど、あまり聞きたくない気もする。
「唯は、年に2回くらい告白されてる。」
「星奈だって告白されてるじゃん。」
「私はそんなことない。唯は、いつも即答でごめんなさいって言ってる。」
「星奈は、何か話しかけられる前にすいません、って断って走り去る。」
なんとなく2人ともそんな感じな気がする。唯さんも星奈も俺が居るから最近は告白されないな。なんだか悪い気がしてきた。
「2人とも俺が居るから告白されないですね。すいません。」
「ユキヤ君は何を謝っているのでしょうか?ちょっとイラっとします。」
「うん。ユキ君。イラっとする。」
「え?」
「星奈。今日は挟んで寝よう。」
「そうだね。胸も揉まれたし。」
「手塚、来栖さんの胸揉んだの?」
ホントややこしくしないで……。
「あっ事実です。すいません。」
「ユッキーのエッチ。私のでもいいのに。」
「かおり、うれしいけど、ややこしくしないで。」
「手塚、相変わらずモテモテだな。」
「はは……。」
千春さん。もう俺モテたいとか思っていないんです。3人が好きなので、その他の人に好かれても、きっと興味を持てないです……。
「そう言えば、ユキヤ君。星奈のお姉さん、愛奈ちゃんとはどう和解したの?」
「いえ、和解したのは星奈で、俺は挨拶しただけです。10年ぶりくらいですからね。」
「ホントお姉ちゃんは、私の話を聞こうとしないから。ユキ君ごめん。」
「いいよ。ひさしぶりに姉妹喧嘩見れたしね。」
「恥ずかしい……。」
「どこも姉妹だったり兄弟だったり居るから楽しそうだね。私は一人っ子だからちょっとうらやましいな。」
「唯さんは一人っ子なんだ。でも、星奈とは姉妹みたいじゃん。」
「そうだね。なんだかお姉さんになってないけどね。」
「昔はちゃんとお姉ちゃんだったけど、最近は私と逆転現象が……。」
「いいのです。本当の私はこんななのですから。隠さなくて良いからこのサークル大好きです!」
「唯さんの開き直りが良い感じだね。」
こんな感じで、楽しい夜は更けていった。明日の出来事を誰も想像できずに。
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