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主要登場人物
ユキヤ 主人公。隙があって鈍感。
かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)
星奈 2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。
唯 3年生。モデル並みの美貌の持ち主。
五日市先生(千春) かおりのお姉さん。
支度が済むと入念に戸締りをして、かおりの家に向かう。
今日は、せっかくのデートなので、手を繋いで歩いた。なんだか、くすぐったい感じだ。
「ねえユッキー。明日のバイト朝から夕方までだよね?」
「そうだよ。かおりは昼から夕方?」
「うん。大体同じだね。」
「不思議とかおりとシフトは合うんだよね。なんでだろ?」
「ユッキー、ホントにわかってない?」
「え?かおりなんかしてるの?」
「そんなことしてません。ユッキーが用事がある日って私と同じ日なんです。そして大体一緒に居る日なんです。」
「そうだった……。」
「今まで気づいていなかったんだ……。」
夏休みは殆ど4人で過ごしていたんだ。それがシフトに影響していたとは……。
「たまにはルポでお茶でもしようか。みんなで。」
「そうだね。」
2人で話をしていたら、あっという間にかおりの家に着いてしまった。なんだかんだで、今日はお泊りするみたいなので、2回目だ。
「こんばんはー。」
「ユキヤ君。具合は大丈夫?」
「もう大丈夫です。みんなご心配をおかけしました。」
「手塚、ひさしぶり。」
「千春さん2日ぶりです……。」
「ユキ君。おかゆな後にカレーできつかったら、無理に食べないでね。」
「大丈夫。今日は朝から普通の食事してるから。」
あれ?なんだか俺だけ荷物が多いような気がする……。
「みんな泊りじゃないの?」
「えっ手塚は泊りなの?」
「あっ。つい泊りの支度してって言っちゃった……。」
「えー!ユキヤ君泊りなの!?」
「先生。私も泊っていいですか?」
唯さんの驚きと星奈の切り替えの早さが2人の違いを物語る。
「わっ私も泊って良いですか?」
唯さん一歩遅れる。
「いいよー。にぎやかだと楽しいからね。私もしばらく休みだし。」
「ユキ君。荷物取りに行くの付き合って。」
「うん。唯さんはどうする?」
「星奈。服貸して。」
「いいけど、入る?」
「微妙かも……。下は入る。上はタイトかも。」
「唯さん。良かったら俺のTシャツ貸しましょうか?多く持ってきてるので良いですよ。」
「ホントに!借ります!」
「なんかずるいな。唯。ユキ君、一緒に行こう。」
「うん。ちょっと行ってきます。」
星奈と一緒に、来栖家へ急ぐ。
「ねえ、星奈。かおりの話は2人とも知ってるの?」
「うん。聞いてる。その話はまた後で。」
星奈も多くは語らない。きっとこの3人は、固い絆で結ばれているのだろう。この関係は壊したくない。
直ぐに持ってくるとのことで、エントランスで待っていると愛奈ちゃんがやって来た。
「ユキ君。はい。」
飴玉を1つ渡して、家に戻って行った。これは偵察だな。相変わらずのシスコンだ。
「おまたせ。もしかしてお姉ちゃん来た?」
「うん。飴玉貰った。」
「子供か。」
そんな感じで、またかおりの家を目指す。近くて助かる。そして俺は結構お腹が空いてきた。
「もどったよー。」
「おかえりー。」
千春さんの声しか聞こえない。お風呂の方から声が聞こえる。2人で仲良く入っているらしい。
「ねえ星奈。かおりと唯さん一緒にお風呂入ってるから、俺と星奈でお風呂入る?」
「うん。」
「え……。」
猛烈に否定されると思っていたので、返しが思い浮かばない。どうしよう……。このままでは引き下がれない。
「じゃ出てくるの待とうか。」
「うん。支度しておくね。」
あれ。これはなんというか、流れが読めないぞ。いつダメって言われるんだ?タイミングを逃すと本当に入ることになりそうなんだけど。
そのうちに、かおりと唯さんがお風呂から出てくる。
「じゃユキ君。入ろ。」
「う ん 。」
「えっ?星奈とユキヤ君一緒に入るの?」
「うん。」
「ダメ。」
「星奈。ダメだって。」
唯さん助かった。これがブレーキになるのか。
「だってユキ君に誘われたから。」
いかん。これは話がややこしくなるやつだ。確かに俺が誘ってるから、ぐうの音も出ない。これはいつもの仕返しか……。反省しよう。
「すいません。星奈さん調子に乗りました……。」
「よろしい。でも、別に一緒に入っても良いけどね。じゃ先入る。」
3人の中で俺を操るのが上手なのは星奈なんだと、鈍感すぎる俺でもよく分かった……
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