おかゆ
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主要登場人物
ユキヤ 主人公。隙があって鈍感。
かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)
星奈 2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。
唯 3年生。モデル並みの美貌の持ち主。
五日市先生(千春) かおりのお姉さん。
家に帰ると、今日は1人だということを忘れていた。俺の食事はどうしよう……。まあ、なんか適当にすまそうかと思っているけれど、なんというか、食欲があまりない。最近ちょっと遊びすぎて、疲れでも出たのかな?早めに休もう。
シャワーを浴びて、少し、休んでから横になると直ぐに寝てしまった。
早くに寝てしまったので、夜中の変な時間に目がさめてしまった。なんだかぼーっとしている感じがする。この感覚は、熱があるような……。
「38度超えてる……。」
これは、明日のカレーは止めておいた方が良いかもしれない。朝になったら買い物に行ってしまうかもしれない。真夜中だけれど、先に中止の連絡を入れておこう。迷惑かけちゃ悪いしね。
“ごめん。風邪ひいたみたいなので明日は中止でお願いします。”
これで良し。水分を補給して、また横になる。
目が覚めると、もう明るくなっている。体がだるい。ちょっと遊び過ぎたかな。今日は大人しくしていよう。幸い明後日までバイトは無いし、たまにはこんな日もいいだろう。
スマホに目を向けるとメッセージが来ている。3人とも心配してくれているらしいけど、来ても俺寝ているだけだから、遠慮してもらおう。
星奈のカレー、たのしみにしていたのにな。
“ユッキー、ちゃんと食べなきゃだめだよ。”
かおりからグループにメッセージが来た。
“うん。まあ、適当に食べるよ。”
“さっき、3人で話し合って、1人だけ行こうと思うんだけど、行っても良い?”
“うん。なんか食べ物お願い。”
ちょっとぼーっとしてきた。寝よう。
呼び鈴で、起こされる。インターホンを覗くと、かおりだった。重いからだを起こして、階段を下りる。結構フラフラかも。
「いらっしゃい。」
「ユッキー大丈夫?もうお部屋で寝てて。お台所借りるね。」
「うん。じゃおねがい。」
病気の時は心細くなるので、かおりが来てくれるだけでも落ち着く。チラッとしか見てなかったけど、かおりの服装がかわいいミニスカートだった気がする……。だめだ、もう寝よう。
どのくらい寝ていただろう。目をさますと、かおりがベッドの横で俺の漫画を読んでいた。巻数から行くと、1時間以上はたっているようだ。
「かおり、ありがとう。」
「ユッキー起きた?お腹すいたら言ってね。おかゆ作ってあるから。」
「うん。随分楽になったから食べる。」
「温めなおしてくるね。」
かおりと一緒に住むとこんな感じなのかな?付き合いも長いから心地よい。それに今日はいつもより大人しいというか、中学時代のかおりのような。
「おまたせ!」
「ありがとう。」
タマゴ入りのおかゆだ。なんだか久しぶり。冷ましながらゆっくり口に運ぶ。
「おいしい!」
「よかった……。」
「なんだろう、和風な感じ?」
「少し、お出汁を入れてるの。おかゆってどうしても味が単調になりやすいから。」
「かおりって料理得意なの?」
「2人暮らし長いから、何でもできないとね。お姉ちゃんにばかり迷惑かけられないし。」
「ホント、かおりは尊敬してるよ。俺にはできそうにない。」
「照れるからやめて。少し大目に作ってあるから、夜にでも食べてね。あとこの漫画借りてっていい?結構おもしろい。」
「どうぞどうぞ。今日は、俺が風邪ひいちゃってごめんね。楽しみにしてたのにね。」
「ううん。私としては、こっちの方が良かったかも。」
「かおり、このお礼はちゃんとするから。何がいい?」
「デート。」
「えっなに?」
「デートしたい!」
「うん。じゃ夏休み中にデートしよう。」
「うん!じゃユッキーあんまり居ても迷惑だから私は帰るね。」
「うん。ありがとう。かおり。」
玄関まで見送って、帰って行った。
食べたものを台所に……。昨日、全部やりっぱなしでそのままだったのに片付けられてる。ありがとうかおり。なんだか俺は3人に助けれられてばかりだな。ちゃんと3人には、恩を返しておかないとな。そう思いながら、また部屋にもどり眠りについた。
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