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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
115/191

誤解と解決

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お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。

唯   3年生。モデル並みの美貌の持ち主。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。


目の前で姉妹喧嘩繰り広げられている。うん。なんかもう、どうでもいい感じだ。俺は兄貴と喧嘩するほど年は近くなかったし、なにせ兄貴は、俺に無関心だった。優秀で、目標に向かって一筋な男だったからな。女っ気とかゼロだったし、女子高に好んで入る俺とは正反対だ。


「事故にあったのは、私じゃなくて男の子の方でしょ!」


「あなただってショックで喋れなくなったじゃない!」


「それと遊んじゃいけないのはどう違うのよ!」


「あなたはね!声を失うくらいのショックを受けたのよ!そのくらいその男の子のことを想ってたの!」


「だから何!」


「その男の子以外とは、仲良くならない方が良いの!その子にしか心が開けないの!!」


あ……。この先見えた……。


「お姉ちゃん!この人、その事故にあった子!!ユキ君!!」


「へ!?」


「私が声を失うほど大切だった、手塚ユキヤ君!!」


「えっ?あなたユキヤ君なの?」


もう圧倒されて、逆に落ち着いてしまったよ……。


「お久しぶりです。愛奈ちゃん。ユキヤです。元気そうで……へへ。」


「本当にユキヤ君なの!?」


「ええ、本当に本物です。お母さんに確かめてもらっても良いです。」


「生きていたのね!!良かった……。」


今度は、泣き出してしまった。この人も俺が死んだと思っていた人の1人か……。他にはいないことを祈ろう。


「生きていました。そして最近記憶も戻って、また星奈と遊んでます。」


「そうなんだ。星奈の記憶も戻ったとは聞いてたけど、それの影響もあったのね。ごめんなさい。取り乱してしまったわ。」


「だから、ユキ君のところに行くって言ったじゃない。」


「だって、ユキ君のところとか言って、精神的におかしくなったか、幻でも見ているのかと思うじゃない。」


「思わないです!普通!」


「星奈、落ち着いて。」


なぜ、俺がなだめているのだろうか……。


「で、明日、ユキヤ君の家に遊びに行くの?」


「そうです。唯さんとあと1人一緒ですけど。」


「唯も居るの?じゃあ、本当に遊びに行くだけなのね。」


「だからそう言ってるのに。」


「ごめんごめん。お姉ちゃん興奮しちゃって。それはそうと、上がって上がって。」


「じゃ、おじゃましまーす。」


マンションの最上階、しかもこの一家の家だけのフロアで良かった。普通の家ならひと騒動だよ。


「あらユキヤ君いらっしゃい。なんか騒がしかったけど、どうしたの?」


「いえ、何でもないです。」


「ホントにユキヤ君なんだ……。」


だから俺は何時信用されるんですか!?

応接間に通され、お茶の準備をしてくれた。星奈が淹れてくれたので、俺のはコーヒーだ。


「改めて、ごめんなさい。私の早とちりでした。」


「良いです。気にしてないですから。ところで愛奈ちゃんは今なにしてるの?」


「私は、大学生だよ。大学の近くの寮に入ってるの。」


「そうなんだ。大学生って響きがいいなぁ。」


「なんだそれ!大学生だって勉強大変だよ。星奈が心配でちょいちょい帰ってこないといけないしね。」


「お姉ちゃん少し黙れ。それに言うほど帰ってこない。」


「唯さんに言ってる感じだ。」


「唯のことも知っているなら話がはやいね。なーんだ。私は蚊帳の外か。」


「蚊帳の外なんて言わないでくださいよ。なんなら明日一緒に来ますか?」


「ユキ君!!やめて!」


「と妹が申しているから止めておく。まあ、星奈の未来の旦那様の邪魔をするわけにいかないからね。」


「お姉ちゃんもうやめて!」


感情的な星奈を見ていると昔を思い出すな。結構負けず嫌いで、カードゲームに負けると泣くくらい悔しがって、なんだかほほえましい。


「ユキ君。なんか変だよ。」


「なんだか、昔みたいだなって、思い出してたの。」


「恥ずかしいから止めて。」


「ということで、愛奈ちゃん明日は、星奈お借りしますね!」


「どうぞどうぞ。持って帰ってくれてかまわないから。そもそもユキヤ君の代わりをしてただけだし。」


そ、そうなのか?どんな代わりなんだ?


「了解です。じゃ俺、そろそろ帰りますね!また、改めて遊びに来ますね。」


「うん。いつでもおいで!」


星奈が来れないというのが気になって来てみたけれど、ちょっと微笑ましく終わって良かった。色んな家族がいるものだ。久しぶりに会った愛奈ちゃんはあまり、星奈に似てなくて、相変わらずおっちょこちょいで、可愛らしい女性になっていた。

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