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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
113/191

大きな手

お越しいただきありがとうございます。

こんな感じのことを見たことが有ります。

うらやましかったです!

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。

唯   3年生。モデル並みの美貌の持ち主。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。

なんだか重い……。唯の腕でも私にのしかかってるの?

目を開くと、唯の脚のようなものが私の胸に乗っている。本当に重いからやめて。

どかそうと思って持ってみると、大きな手。


お お き な 手 ?


目を開くと、そこには居ないはずのユキ君が私の横で寝息を立てている。

え?もしかして、酔っ払い過ぎて、こっちに来ちゃった?

でも、この手は思いっきり私の胸を覆ってます……。

触ってほしくないわけではないけれど、これはちょっと眠れないです。

ゆっくりと手を持って、ユキ君の方に寄せる。

たぶん、起こしても無駄だろうから、そのまま寝てしまおう……。そう思っていたら、また手が私の胸に乗ってきた。これは本当に無意識ですか!?あまりにもピンポイントなんですけど!


「ユキ君、起きてる?」


返事はない。でも胸に手が乗ってる。これで手に力が入ったら完全に揉んでますよ……。

どうしよう。もういっそこのままでいいかな。ユキ君だし。

そう思って目を閉じた。


そのままぐっすり寝てしまった。明るくなったことを感じ目を覚ますと、まだ、ユキ君が隣で寝息を立てていた。これは今のうちに起こして、元に戻ってもらった方が良さそう。肩を揺らし、声を掛ける。


「ユキ君。起きて。」


「ん?星奈?」


「うん。ユキ君寝ぼけて、こっちで寝ちゃったの。」


「え?ホントだ。」


「今のうちに戻った方が良いよ。」


「うん。手遅れ。」


ユキ君の見る方向に、唯が目を開けて微笑んでいた。


「ユキヤ君のエッチ。」


「まだ、何もしてません。たぶん。」


「寝てるとき星奈の胸触ってたよ。」


唯。起きてたのか。


「うそ。記憶にない。ごめん。でも残念だ。」


「じゃユキヤ君。戻る戻る。」


「はい。おじゃましました。」


ユキ君はそっと起きて、部屋に戻って行った。


「夜中に目が覚めたときびっくりしたよ。星奈の胸に手が乗ってるんだもん。」


「私も気づいていたけど、何度も乗ってくるからほっておいた。」


「さすが星奈。私なら眠れないわ。」


「うん。ぐっすり。」


「先に朝の支度しちゃいましょ。」


「うん。」


よそのお宅だから、長く占有するのもご迷惑だもんね。その辺り唯の気配りは見習わないと。


「おはよう。早いね!」


「先生おはようございます。」


もう先生は、起きて朝の食事の支度をしていた。仕事をしながら家事もこなしているなんて、私もそんなことできるかな?


「普段はやってません。今日は特別です。」


かおりの言葉にクスっとしてしまった。こんな姉妹っていいな。私も居るけれども……。


「おはようございます……。」


「ユキヤ君おはよー!今日は、お早いことで。」


唯がニヤニヤしている。唯。あなたは忘れている。ユキ君の方が唯の弱みをたくさん握っていることを。


「唯さん、あんまりいじらないで。でないと……。」


「でないと?」


「昨日の寝相がすごかったことを。」


「すいません。調子に乗りました。ごめんなさい。」


やはりこうなる。


「俺、星奈に謝らなきゃ。」


「えっ?私に?」


「あれから改めて思い出してみたんだけど、俺、夜中に勢いで胸を揉んでしまいました。ごめんなさい。」


「む、むねをもむ!?」


手は乘っかっていたけど、揉まれた覚えは……。寝ている間か!


「ユキ君。私は寛大です。でも酔っぱらった勢いで女の子の胸を揉むとは何事でしょう。」


「ごめんなさい……。」


「モンブラン。」


「仰せのままに。」


「ひとつ聞いていいですか?なぜ唯でなく私?」


「えい、その、あの。」


「はっきり答える。」


「唯さんおっぱいは触ったことがあったのでつい。」


「ユキ君。そして唯!」


「はいっ!」

「はいっ」


「お酒は20歳から。」


「了解しました!」

「承知しました!」


「これでよし。」


これで、しばらくお酒を飲んだりはしないでしょう。でないと、私の胸が無駄になる。


「どうかしたんですか?」


かおりの問いかけに一同。


「なんでもないです。」


そんなドタバタの夏祭りは、誤解は解け、お酒誘惑を絶ち、平和のうちに過ぎて行った。

ご感想・レビュー・ブックマーク・評価、いただけると幸いです。

よろしくお願いします。

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