早寝
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主要登場人物
ユキヤ 主人公。隙があって鈍感。
かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)
星奈 2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。
唯 3年生。モデル並みの美貌の持ち主。
五日市先生(千春) かおりのお姉さん。
「そうそう、中学の卒業アルバム見たい!」
唯の提案に、かおりが中学時代のアルバムを持ってくる。私の知らないユキ君の中学時代だ。ちょっとたのしみ。
「俺、モッサリしてますよ。」
「うん。それは何度も聞いてるけど、目で見るのは初めて。」
かおりがユキ君の出ているページをチョイスして見せてくれる。
「なんだか、今の方が若い感。」
「たしかに。」
唯の言葉に反応してしまった。今の方がすっきりしていて、若々しい感じがする。
「千春さん。女子って辛辣ですね……。」
「そうだよ。女子は怖いよ。」
「怖いのは良く知っています。怖い思いもしましたし。」
「そうか。まあ、女子高に男子1人みたいなものだからね。気を付けなよ。」
「そこら辺は3人に感謝しないと。」
美術室の出来事から随分時間がたったけど、同じように考えている人もきっといると思う。今は、私達3人が近くにいるけど、もう少し頼りになる人が居ても良いかなと思う反面、あまり女子と仲良くされると嫉妬してしまう自分も居る。難しい……。
「俺、千春さんのアルバム見たい!」
「えっ?私の?」
「そう。ダメですか?」
「別にいいけどさ……。ちょっと待ってて。」
先生は自室にアルバムを取りに行った。新体操ばっかりやっていた幹事はするけれども、実際はどうなのかな?
「はいこれ。卒アルよりこれの方が良いでしょう。」
ユキ君が開くと、レオタード姿の先生が沢山。しかも、超脚が綺麗……。かおりの脚が綺麗なのは遺伝か。五日市姉妹恐ろしい……。
「千春さんなんだか凄いですね。表彰式とか沢山あるし。」
「そうねぇ。これしかやってきてなかったからね。」
「やっぱり運動か……。」
「唯。がんばろう。」
「うん。」
先生のアルバムをじっくり見るユキ君。そのうちアルバムに穴でも開きそうです。
「今日はよく食べたわ。なんだかもう眠い……。」
きっと先生の眠いはお酒の飲みすぎと思われます。
「私も眠いです。先生、今日の配置はどんなです?」
そう。私も気になってた。ユキ君がどこに寝るのかと。
「手塚はちゃんと別の部屋を準備したよ。」
「千春さんありがとうございます。これでゆっくり寝れます。」
「いつもは、悶々として眠れなかったんだね。わかるよ男子。」
「からかわないで……。」
「じゃ、さっさとお片付けして、寝る支度しましょ。」
良かった。今日は、酔っ払い大発生しなさそうだ。手際よく片付けて、洗い物をしてしまう。その間のユキ君は、千春さんと何か話しているようだったけど、お酒を飲んでいたのでちょっと不安。お片付けが終わったので、先に寝る支度をさせてもらった。ユキ君とは違う部屋に寝るので、今日はぐっすりかも。
「お先に支度行ってきましたー。ユキ君、どうぞ。」
「うん。今日は星奈と一緒に寝る。」
「!?」
「今、なんと?」
「セナちゃんと一緒に寝る。」
「先生。飲ませすぎです。」
「ごめんごめん。ついつい。」
私は別に一緒に寝ても良いんだけど……。さすがに2人も居るから無理です。
「じゃユキヤ君。私と寝よう。」
「唯さん、寝相が悪いからセナちゃんが良い。」
「え……。寝相悪い……。」
ユキ君、はっきり言いすぎです。
「じゃ、私とは?」
「かおりは、千春さんがいるじゃん。」
「ユキ君。なんで私?」
「えっ?だっていつも一緒にお昼寝してたじゃん。」
「それは、幼稚園の時ね。はい、もう高校生なんだから1人で寝なさい。」
「ちぇ。じゃ1人で寝る。」
「なんだかでっかい子供みたい。」
おかしくて笑ってしまった。唯だけなんだか微妙だったけど。ユキ君のお布団は足りなかったので、寝袋を持ってきてもらっていた。
「じゃみんなおやすみ。」
ユキ君は、さっさと寝てしまった。なんだかつまらない気がするけど、このまま起きてても、なんかまたやらかしそうだったので、我慢しよう。それに明後日、ユキ君に何を作ってあげるか相談しなきゃ。と思っていたのに、寝転んだら直ぐに寝てしまった……。
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