思い切って
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夏祭り編です。星奈の主観になります。
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主要登場人物
ユキヤ 主人公。隙があって鈍感。
かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)
星奈 2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。
唯 3年生。モデル並みの美貌の持ち主。
五日市先生 かおりのお姉さん。
みんな気になってる。佐々木さんとのこと。
アルバイトで初めて会った日に、公園で何を話していたのか。
嫌われてしまうかもしれない。でも、この喉につかえた感じを無くしたい。
人混みを避けてた木の下で、一休みする。
「しかし、すごい人だね。子供の頃もこんなだったのかな?」
「子供の頃は、早い時間だけだったからね。この時間はいつもこんな感じだと思うよ。」
「そっか。俺も最近来てなかったからね。」
「ねえ。ユキ君。怒らないで聞いて。」
「何?」
「どうしても聞きたいことが有るの。3人共気になってることなんだけど……。佐々木さんと公園で話をしてたっていうのを寺田さんから聞いて。ユキ君。佐々木さんとお付き合いするの?私、恋人でもないのに、こんなことを聞いてごめんなさい。でも、どうしても気になって辛いの。」
自然と涙が出てきてしまった。今日はなんだかダメだ。涙腺がいつもより緩い。
「星奈。その日に俺、佐々木さんに好きだから付き合ってほしいって告白されたんだ。」
胸が苦しい。ユキ君と佐々木さんは両想いだったことが、これで証明された。私達に立ち入る隙はなかったんだ。
「そうなんだ……。私たちに無理に付き合ってくれてありがとう……。」
もう私には無理。声が出そうにない。
「星奈。たぶん勘違いしていると思うんだけど。」
「え?」
「即答で断りました。」
「えー!だって、ユキ君。佐々木さんに告白したって……。」
「中学の時ね。今は、3人以外とは付き合う気ないって言わなかったっけ?」
「言ってたけど……。」
「えっ?ダメなの?佐々木さんと付き合った方が良かった?」
「ダメ。」
「それにね、星奈。今、恋人でもないのにって言ってたけど、逆に恋人なのに、こんなこと聞かれたら、信用されてないのかなって思うんじゃないかな?もちろん、コソコソやっていたら、それは疑われても仕方ないと思うんだけど、今回のは、俺から自発的に話すようなことでもなかったし、普通に聞いてくれれば答えるよ。」
「うん。ごめんなさい。今日の私はダメだ。涙もろい。」
「あれ?さっきまで俺にしがみついてたセナちゃんは何処に行ったのですか?」
「ユキ君。そんな時だけ、その呼び方ずるい。」
「たまには昔の呼び方もいいでしょ?」
「じゃ、昔と同じように一緒にお風呂入る?」
「うん!!」
「ユキ君のエッチ。私は別に良いけど……。」
「いや、そこは断って……。」
「フフッ」
「星奈、ちょっと怖い。」
「2人はっけーん!」
唯とかおり、先生がこちらを見つけて来てくれた。両手に出店の食べ物をたくさん持ってる。これは今日の夜に五日市先生の家で食べるものかな?
「千春さん、すごい量ですね。」
「夜は宴じゃ!」
「宴じゃ!」
「いや、唯さんは多少控えて。」
「宴じゃ!」
「かおりまで……。」
「さて、買い物も済んだことだし、今回は人が多すぎるから浴衣もボロボロになりそう。早めに切り上げて、家にいきましょう。」
「そうですね。みんなの浴衣姿は堪能できましたし、星奈は怖い思いを少ししてしまったので。」
「星奈、何かあったの?」
「うん。ちょっと。後で話すね。」
唯が心配そうだ。でも、ちょっと得した気分なのは内緒にしておこう。
「私と唯は、私の家で着替えて、荷物を持ってからかおりの家に行くね。」
「じゃ、俺は、千春さん達と一緒に一旦、五日市家に行って、星奈の家に迎えに行くよ。」
「えっ?ユキヤ君、それは悪いよ。」
「唯さん。心配だから行くんです。やらせてください。」
「男だね!手塚。私たちも守ってね!」
「もちろんです!」
ユキ君に守られながら、唯と2人、一旦自宅に戻った。
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