表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
106/191

夏祭り

お越しいただきありがとうございます。

これからしばらくは星奈の主観になります。

幼馴染良いですね。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。

唯   3年生。モデル並みの美貌の持ち主。

五日市先生 かおりのお姉さん。

夏祭りに向けて、色々と相談はしたけれど、結局何もできず。宿題だけが進んだ。

今日は、約束の夏祭り。段取りは出来たけど、ちょっと問題が……。

お母さんに手伝ってもらったけれど、浴衣を着るのにかなり手間取ってしまった。

久しぶりだから仕方ないね。お陰で、待ち合わせ時間には間に合わないので、先に行ってもらう事した。私の家から夏祭り会場が一番近いのが唯一の救いだ。


「じゃ、お母さん行ってくるね。一旦帰って、お着替えしてから、お泊りに行くから。」


そう言って、急ぎたいのだけれど、慣れない浴衣が邪魔して前に進まない。諦めてゆっくり歩く。


会場は、人がごった返していた。正直言ってかなり苦手。ユキ君達を探したいけど、どこかで待ち合わせないと合流出来ないかもしれない。


“星奈。迎えに行くから場所を教えて。”


ユキ君からラインが届いた。良かった、これで合流できる。丁度、私が前に泣いてしまった自販機が近くにあるのでそこにしよう。


“前にお茶を買った自販機の近くにいます。”


そう入れると、直ぐにOKのスタンプが送られてきた。少し離れたところにいるのか、ちょっと時間がかかるとのことだった。迎えに来てもらえるなら、それで満足です。

それにしても、人が多い……。苦手な雰囲気。心細くて無意識にうつむいてしまう。


ふと前に人が立ちはだかった。

ユキ君かと思い顔を上げると、見知らぬ男の人が私を見ていた……。


「お姉さん、俺と回ろうよ!」


「嫌です。」


怖い。反射的に言葉が出てしまった。


「いいじゃん。行こうよ。」


そう言うと私の腕を強引に持ちって引っ張る。


「やめて……。」


怖くて声が出ない。ユキ君はこんな強引なことしないのに。力を入れて抵抗してるけど、全然、歯が立たない。待ち合わせ場所から離れて行く……。

自然と涙がこぼれた。


その時、少し黒い腕が私を掴む腕を振りほどく。

ユキ君がそこに立っていた。見たことが無いくらい怒ってるユキ君が。


「おまえ、俺の女になんか用か?」


「なんだ、男連れかよ。」


ただならぬ雰囲気を察知したのか、男はすぐに立ち去った。

でも、ユキ君の雰囲気というか迫力がすごい。いつもやさしいユキ君の違う側面を見た気がする。


「星奈。遅れてごめん。怖い思いさせちゃったね。」


いつものユキ君だ。


「うん。大丈夫。今のユキ君。怖かった。」


「俺も男の子ですから、星奈を泣かせてたら怒ります。」


いつもはみんなに弄られて、笑っているユキ君だけど、やっぱりいざという時は頼りになる。なんだか強そうだし。そう言えば、私と遊んでいた頃に何か習っていた気がする。


「ユキ君。何か習い事してたよね?」


「よく覚えてるね。辞めちゃったけど、空手をやってたよ。」


見たことのある男の子の体が、ユキ君しかいないから何とも思ってなかったけど、言われてみるとすごく筋肉質だった。


「今も鍛えてるの?」


「うん。たまにね。ねえ、星奈。くっ付いてないと迷子になっちゃうよ。」


手を繋ぐより、腕に絡みついてみたくなったので絡みついてみる。今日は、歩幅が狭いのでこっちでも大丈夫。


「俺のオンナ。」


「星奈、やめれ。」


「私は、ユキ君の女?」


「嫌?」


「ううん。うれしい。」


きっと3人の誰が私のような目にあったとしても、ユキ君の反応は同じだと思う。勢いで出た言葉かもしれないけれど、いつか本気で言われたいな。


人混みの中歩いていると、唯からラインが来ていた。


“人がすごいので合流が難しいかも、後で、連絡するかちょっとまってて”


「ユキ君。人混みがすごいからちょっとまっててって、唯が。」


「そうなんだ。仕方ないね。少し出店でも見てよう。」


「私、あまり人混みが得意じゃないから、あっちの人が少ない方に行きたい。」


「OK!そうしよう。」


2人きり。私はどうしても気になることを聞く決心をした。

ご感想・レビュー・ブックマーク・評価、いただけると幸いです。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ