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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
104/191

2人きり

お越しいただきありがとうございます。

引き続き、唯主観です。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。

唯   3年生。モデル並みの美貌の持ち主。

五日市先生 かおりのお姉さん。

「どうぞ、上がって」


「お邪魔します。」


先行して、ユキヤ君の家に来てしまった。リビングのソファに案内される。

どうしよう、心の準備が……。


「唯さん、ちょっと待ってて!1分!」


ユキヤ君が2階に駆け上がって行く。もしかして、お部屋に行かせてくれるの?


「これは、独り言です。今、ユキヤは色々と片付けています。ベッドの下に要注意です。」


「えっ。」


お母様の言葉にちょっと笑ってしまった。片付けたものはベッドの下に押し込まれているのね。隙があったら覗いてみよう。それにしても、お母様は面白い人なのかもしれない。


「お待たせしました!どうぞ、2階へ。」


男の子のお部屋に入るなんて初めてだ。なんだか緊張する。アニメとかでは、ものすごく汚い部屋だったり散らかってたりするけれど、実際はどうなんだろう。


「どうぞ。俺の部屋です。」


扉の向こうは、なんとも小綺麗なお部屋が広がっていた。少し広めな部屋の端にベッドと机、本棚が配置されていて、今持ってきたと思われるテーブルと座布団が真ん中に配置されていた。良い意味で思っていたお部屋と違かった。


「お茶持ってきますね。少しまっててください。」


「うん。お構いなく。」


何だか興味深い。本棚には、参考書と少し漫画のような本が置いてある。洋服が無造作に掛けてあったりとかは全然なくて、私のお部屋の方が散らかっているかもしれない。なんだか不満です。

そうだ!お母様が仰っていた、ベッドの下を覗いて見よう。ベッドカバーがあるので、少しめくると雑誌のようなものが見えて来た。これはきっと、年頃の男の子が持っているエッチな本だ。手を伸ばして、触れた雑誌を一冊引っ張りだしてみる。


留学ガイド


「えっ。」


幾つか付箋が付けてある。主に英語圏の学校だった。どういう事なんだろう。海外留学でも考えているのかな?でも、高校に入学したばかりだし、今、留学っていうのもなんとなく腑に落ちない。そんなことを考えながら、元に戻す時にエッチな本を発見したけれど、見る余裕はなかった。残念。


「唯さん、お茶持ってきました。」


「ありがとう。」


1口飲んで、少し気を落ち着かせる。

そう言えば、ここはユキヤ君の部屋。私と2人っきり。なんか緊張してきた……。


「俺しかいないので、足崩してください。」


「あっ、うん、ありがと。」


正座から、少し崩す。でも初春の制服はちょっとスカートが短いので見えてしまいそうで気を遣う。別にユキヤ君に見せても良いんだけど。


「ユキヤ君、宿題進んでる?」


「あともう少しで終わります。8月の大半は遊べます!」


「私も早めに終わらせないと、ユキヤ君と遊べなくなっちゃう。」


「高校生活最後ですもんね。楽しまないとですね。」


そう、私はあなたと夏休みを楽しみたいのです。


「そう言えば、ユキヤ君、ご兄弟はいらっしゃるの?」


「兄が居ますよ。今は留学中ですけど。ちょっとまってください。」


ユキヤ君がベッドの下から私が見た留学の本を取り出す。あれは、お兄さんのだったんだ。


「ここですね。」


指さしたところを見ると、イギリスの有名な大学だった。


「すごい。有名大学だね。」


「短期留学なので、直ぐに帰って来ます。まあ、この家に住んでないので正月に帰ってくるくらいだと思いますけど。」


「どちらにお住まいなの?」


「今は関西の大学に通っています。俺と違って頭が良いので医学部です。」


「すごい。それで留学なんて。」


「ほぼ旅行と言っていました。冗談とか言えない人なので本当だと思います。」


「ユキヤ君、留学するの?」


不安だった想いが声になって出てしまった。


「今、考え中です。」


行かないで!すぐにでも声が出そうだった。でも、そんなこと言える立場にない。だから、うつむいて、黙っているしか出来なかった。

階下で、チャイムと元気な声が聞こえる。ユキヤ君がお迎えに行ったので、星奈たちが来たようだ。でも、なんだか1人多いような気がする。


「お邪魔しまーす!」


部屋のドアが開いた先に、いつもより1人多い女子が立っていた。

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