表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
102/191

登校日

お越しいただきありがとうございます。

今回は、久しぶりに唯主観になります。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。

唯   3年生。モデル並みの美貌の持ち主。

五日市先生 かおりのお姉さん。

今日は登校日。

何だかんだ、ラインはしているけど、旅行以降にユキヤ君と会っていないからたのしみにしてる。でも、かおりちゃんが言っていた、佐々木さんのことも気になるし……。


考え事をしながら横断歩道の横を歩いていると、お年寄りの女性がゆっくりと横断歩道を渡っているのが目に入った。ちょっとあぶないかな……。

そんなことを想っていると、初春の学生が1人、その女性に走り寄って行った。

信号は点滅に変わっている。これは危ない。

私も、小走りで走り寄り、学生の反対側に回り込んで、肩を貸す。


「大丈夫です。ゆっくり渡りましょう。」


初春の学生は、そう言うと私と共に横断歩道を渡り切った。


「ありがとうございました。」


そう年配の女性は言い、ゆっくりと立ち去った。


「ありがとうございました。私1人だとちょっと厳しかったので助かりました。」


「いいえ、私も気づくのがおそくなってごめんなさい。」


本当は、彼女が行くのを確認してから出たのだけれど……。


「申し遅れました、私は1年の佐々木麻友と言います。」


「ささき まゆ さん……。3年の中川唯です。」


「ありがとうございました!中川先輩。それでは。」


そう言うと佐々木さんは立ち去ってしまった。

彼女の行動は、ごく自然だった。私に同じことが出来るだろうか……。

かおりちゃんの言った通り、この子はとっても好感がもてる。ユキヤ君が好きだったのも、うなづける。もしかしたら、“好きだった”ではないのかもしれないけれど……。


顔合わせ程度の授業は終わり、久しぶりの部室についた。


「こんにちは!唯さん。」


「こんにちは!ユキヤ君早いね。」


「いつも通り、逃げるように出てきましたから」


いつも通りのユキヤ君だ。ちょっと日に焼けて、魅力的になっているのを見ると、やっぱり不安になってしまうな。

そのうち星奈とかおりちゃんもやってきた。


「みんなおつかれ、お茶、淹れるね。」


星奈がお茶を淹れ始める。かおりちゃんはなんとなくソワソワしていて、落ち着かないようだ。


「ユッキー、佐々木さんバイトに入ったね。」


「そうだね。旅行の時に話したばっかりだったから驚いたよ。」


「うん。私も……。」


「ところで、俺、九州に行くの止めたので、夏祭り行けることになりました!そして、その間は、家で1人なので暇です!どなたか遊んでください。」


「遊ぶ!」


真っ先に星奈が返事をする。こういう時の星奈は、言った後にしまったという顔をしている。


「じゃ星奈、公園でサッカーしよう!サッカー!」


「ユキ君。さすがにもう無理。カードゲームくらいにして。」


「仕方ないなぁ。じゃ、みんなでやろう!」


「うん!」


いつも通りの会話をしているけれど、内心、佐々木さんのことを聞きたくてウズウズしていた。でも、そんなことを聞いたら、聞かれたユキヤ君はどう思うだろう。それを考えると聞けるような内容では無いと思う。今は、そんなことを考えないようにして、夏休みを楽しむようにしよう。


「じゃ次は、適当にラインで連絡し合いましょう。」


「そうですね。俺もバイトとかありますので。」


「私、今日、バイトだ。」


「俺は、明日。佐々木さんとバイトだ。」


ユキヤ君が何気なく言った言葉が胸に刺さる。悪気のない言葉なのに私たちへのダメージは蓄積していく。


「じ、じゃあ、今日はこの辺で解散しましょうか?」


「そうですね。俺、今日寄るところがあるので先に行きますね!後で、ラインしまーす。」


ユキヤ君はそう言うと、直ぐに立ち去ってしまった。その後、私は2人に朝の出来事を話した。


「すごく好感が持てる……。なんだか怖い。」


星奈の言う通り、ユキヤ君のことを考えると怖い。でも私たちだって、ユキヤ君に好かれるようにがんばっているんだから、自信を持たないと。


色々と考えながらあっという間に時間が過ぎていった。

今日のところは解散して、今後のことは各自宿題にして、ラインで共有しようということになった。

ご感想・レビュー・ブックマーク・評価、いただけると幸いです。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ