眠れぬ夜
お越しいただきありがとうございます。
今回は、久しぶりにかおりちゃんの主観になります。
こんな子が近くに居たら惚れてしまいそうです。
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お楽しみください。
主要登場人物
ユキヤ 主人公。隙があって鈍感。
かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)
星奈 2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。
唯 3年生。モデル並みの美貌の持ち主。
五日市先生 かおりのお姉さん。
「おつかれさまでーす!」
「おつかれさま!」
「おつかれさまです。五日市さん。」
「えっ。佐々木さん……。」
「昨日からお世話になってます。これからよろしくお願いします。」
「あっはい。よろしくお願いします。」
動揺を隠すように、更衣室に入る。昨日からということは、ユッキーとはもう会ってるって言うことよね……。何も言ってなかったのに。というか昨日の夜、何もラインが来なかったのも気になる……。
「かおりちゃんが来たから、佐々木さんは厨房で基本的なところをマスターに教えてもらいましょう。」
「はい!」
寺田さんと2人っきりになった。思い切って、昨日のユッキーについて聞いてみよう。
「寺田さん。昨日ユッキーって何か変でした?」
「そうねぇ。なんか動揺している感はあったけど……。ケンカでもした?」
「いえ、そういうわけではないんですけど。」
「そう言えば、帰りに佐々木さんと公園で話をしていたみたいだけど。」
「えっ……。」
やっぱり、何かあったんだ。もしかして、告白されたとか?ユッキーから告白したとか?ダメだ。頭がグルグル回ってしまう……。ユッキーに後で直接聞く…なんて出来ないし。どうすれば良いのかわからない……。とりあえず、バイトが終わったら、唯さんと星奈さんにこのこと相談しよう。
今日のバイト……お皿を一枚割る。
「五日市さん。ちょっと聞いても良い?」
「うん。」
帰り際に、佐々木さんから話しかけられた。
「手塚君とサークルをやっているの?」
「うん。」
サークルに入りたいとか言われたらどうしよう……。私では判断できないし、ダメって言いたいけど、不純な理由しか浮かばないし。色々と答えにくい。
「そうなんだ。うらやましいな……。」
「昨日、ユ…手塚君と何か話したの?」
「うん。帰り際に。」
「そうなんだ。」
内容は知りたいけど、聞けないし、聞きたくない。ダメ……頭の中がごちゃごちゃに。
「じゃあ、五日市さん、私はこれで。おつかれさまでした!」
「うん。佐々木さんおつかれさま。」
サークルに入りたいとか言われなくて良かった。でも、昨日ユッキーと何を話したんだろう……。すごく気になる。でもユッキーにも聞きにくいし。とりあえず、帰ってから唯さんと星奈さんに相談しよう。
家に着いてから、久しぶりのグループラインを送る。そう我慢グループだ。
“相談があります。いつでも良いので3人で会って話をしたいです”
直ぐに2人から返信があった。
我慢グループに私がメッセージを送ったので、心配してくれたのかな。今直ぐにでも会って相談したいのに……。
ユッキーに聞ければ、詳しくわかるのだろうけれど……。内容によっては、平常心を保てる自信がない。自然に涙がこぼれてくる。ダメだ……。私は、ユッキーが好き。旅行の時にマニュアルにあったユッキーにキス。きっと3人共、同じだったんだと思う。私がキスしようとした時、卑怯な気がして出来なかった。声を殺して泣いていたら、それに気づいて、ユッキーからおでこにキスしてもらった。本当にうれしくて、大好きで、気持ちが抑えきれなくなりそうだった。
私は、佐々木さんと何を話したのか知りたい。でも、ユッキーは私の恋人ではないから聞けない。そんなもどかしい気持ちと、恋人になりたい気持ちが交錯して、押しつぶされそう……。
ひさしぶりに、眠れない夜を過ごした……。
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