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その勇者、かつてはモブキャラ設定でした  作者: 蜜柑クロ松
第一章 脱モブ
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第8話 アルガ中迷宮(3)

 全身の血が熱を帯びたのを感じる、初めての感覚に僕はしばらく何も考えることが出来なくなっていた。そして脳が再思考した時には、見る物全てが新しく見えた。

「...にしてもかなりな量持ってたねぇ」

「何これ何コレなにこれ!?こんな魔力量持つ人いるの!?初めて見たよ!?」

「わ、私も...温泉掘り当てたみたいね...」

「いや例え方よ...」

「まぁ普段あまり魔力を感じないのは魔力制御をしているから、君も制御さえ覚えれば目立たなくなるけど...」

「や、やっぱり目立ちます?」

「この階層の魔物全員逃げ惑うくらいには目立ってるよ」

そんなに!?魔力が0に等しいと思っていた自分の身体にこんなに魔力があったなんて...

「ね?言ったでしょ?いい人拾ったって」

「そんなレベルのもんじゃないよこれは...」

そうか、これで僕も魔法戦闘ができるようになったのか...ずっと憧れ続けた魔法戦闘を...僕の戦力の可能性を広げる魔法戦闘を...

「そ、それで!!どうすれば炎魔法や氷魔法なんかを使えるように───」

「おうおう落ち着いて落ち着いて、嬉しい気持ちは分かるけどまずは魔力制御をしよう。今のままだと弱い魔物は逃げていっても強い魔物はわんさかこっちに寄ってくるぞ」

「ひっ」

「...まぁそう言っても対して難しいことは無いよ、誰しも最初は魔力だだ漏れなんさ。まずは自分の中に流れる魔力を感じて」

「は、はぁ...」

「感じることができたら意識してその流れを緩くしていくんだ」

言われた通り、感じ取った魔力を緩く流すように───...思ったより難しいな

「こ、こう、ですか?」

「まぁまだ出てる魔力は大きいけど、元の量が多いし仕方ないかな」

「で、でも、皆これをずっと続けたままでいるんですか?」

「段々慣れてくるさ、気づいたら無意識に魔力が制御できてるようになるよ」

「そ、そうなんですね...」

それまでは頑張れってことか...

「さ、ひとまず先を急ごう、魔物が遠く行ってる間に進んじゃえ」

「りょ、了解!!」


 僕が出した膨大な魔力により多くの魔物が逃げた為、それからしばらくは平和な道を歩いた。そして...


───アルガ中迷宮 第五層───

「誰とも何とも合わないまま目標階層に来ちゃったね...」

「さっきの魔力がどれだけえげつないのかが分かったわ...」

「でも魔力制御をしてからしばらく時間経つし、そろそろ少し魔物が湧いてくる頃なんじゃない?」

...相変わらず三人が会話しているところに入れない。今までぼっちだったコミュ障にはきつい...

「確か〜えっと...『第五層の北西、四つの岩山の主』...だったよね?」

「俺らの討伐対象はそこにいるんだったよな、果たして楽しめる相手なんかなぁ」

魔力を感じるようになってから初戦闘!!緊張するけど楽しみ───

「えっと、どうすれば魔法が撃てるように...?」

「え?あぁ...ん〜...一から説明すると時間がかかるよなぁ...」

「えっと、確か和真君って筆記46点なんだったよね?」

「え、あ、はい」

「なら今回は陣式を使ってみるといいんじゃないかな?私も昔はそんな感じでやってたんだ〜」

「うん、そうしよう、ちゃんとしたやり方はこれが終わったら改めて説明するよ」

「わ、分かりました...」

陣式...本番になったらちゃんと書けるかな...?でもまぁ、経験も大事!!やってみよう!!

「よし、じゃあ変な魔物に捕まる前に行こ〜」

「「「了解!!」」」

今度は強気に声を出す。新しくなった自分を試すんだ!!

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