第6話 アルガ中迷宮(1)
「...」
どうしよう。
ぼっちになってしまった。
───数分前 回想───
「えー、新入生諸君!!改めて合格おめでとう!!ここにいる皆が未来の頼れるヒーローになる!!」
副学園長の大きい声が響く。ノベルト第一学園に何故か入学できた自分。正直心は浮かれてます。まさか自分が入学できるとは...
「入学して早々なのだが...諸君らには学園の地下にある、アルガ中迷宮に行ってもらう!!」
...早速すぎない?まだ何も授業受けていない状態だよ?
「しかし迷宮攻略は常に死と隣り合わせ。中にはまだ戦闘経験が無い者もいる。その状態で一人で迷宮に入らせたら間違いなく死ぬ確率が高い!!そこでだ!!」
...嫌な予感がした。
「これから四人組でパーティを組んでもらう!!」
───回想終了───
どっちにしても無理ゲーだよ!モブキャラよ?無力者なのよ?組んでくれる訳がないじゃん!もう一つ言うなら僕コミュ障だからね!?パーティ誘う語彙力も無いよ!?学園長...僕に死ねと...?
「はぁ...」
まさか僕のコミュ障が急に足を引っ張るとは...。
「ねぇねぇ、ちょっといいかな?」
...ん?
「え...と、僕ですか?」
「?そだよ?君君〜」
「な、なんでしょうか...?」
「パーティ組まない?今三人しかいなくてさ、もう一人欲しいんだよね〜」
「...え、え?」
「うん?」
「え、えと...僕でいいんですか?」
「?全然大丈夫よ?むしろこっちが助かったよ」
「助かったって...」
「あ、他のパーティメンツあっちにいるからとりま着いてきて〜」
「え、あ、はい!」
何だ?急にパーティが決定したぞ?しかも何なんだこの人、初対面なのにめちゃめちゃグイグイと...。ま、まぁとりあえずパーティ決まった訳だし、ひとまず安心だ。
「あ、ほらいたいた」
「あ、俊!メンバー見つかったの?」
「ほれ、この人この人」
「...なんかよく見そうな人やね」
「それ捉え方によっちゃ失礼だからね渚ちゃん?」
...男一人に女二人...しまったこの男の人女性に人気なのか、残ってる女性に失礼だ。
「す、すみません、やっぱり僕は──」
「いや待て待て待て」
「ご、ごめん!悪気はなかったの!!」
「ほら機嫌損ねちゃったじゃん!!」
「い、いや機嫌損ねたわけじゃないんですけど...」
「よし皆パーティは組めたな!?ではアルガ中迷宮に向かえ!!」
しまったぁぁぁ断れなかったぁぁぁ!!ほ、本当に僕なんかがいいのか!?女性に人気なのに僕なんかが入っていいのか!?
───アルガ中迷宮 第二層───
「...」
「う〜ん、弱い魔物しかいないなぁ」
「まぁ二層だもんねぇ、強いのには期待できなさそう」
「俊だけじゃなくて私達も物足りないねぇこれじゃ」
「...」
「でもゴールは五層でしょ?そろそろ強くならないとおかしくない?」
「そうだねぇ、まぁ中迷宮だから仕方ないっちゃ仕方ないかも」
「せめてボスだけは強いことを願おうよ」
「...」
「...君ぃ、もっと喋ってええんやで?」
「...もしかしてまだ怒っていらっしゃる?」
「だ、だからごめんって」
「あ、いえ、別に怒っている訳ではなく...」
「...あ、そういや自己紹介まだじゃね?」
「あ、忘れてたね」
「そ、そうでしたね...」
「んじゃあ俺からいくわ、藤島俊ね〜。呼び方は任せるよ」
「私は宇佐見美香!この赤リボンが目印だよ!目立つでしょ?」
「えと、さっきはごめんね?私は渚高子。よろしくね」
「えっと、小林和真です」
「というか最初見たときに思ったけど、君魔力制御上手いよね」
「え?魔力制御?」
「魔力が全く見えないじゃん、ここまで上手い人初めてみたよ」
「...本当だ、全然見えないね」
「いや、あの、そうではなく───」
その時、突然轟音が鳴り響いた。それと同時に地面が割れ始める。
「んあぁ!?何何!?!?」
「下の階層の魔物!?第三層そんなに強いの!?」
「ひぃぃぃいい!?」
「...いや、これは中ボスといったところかな?」
割れた地面の中から現れたのはかなり大きいモグラ型の魔物。いや...大きすぎる!!あの時のキラーパンサーよりもはるかに大きい!!
「いつも通り俺は『電磁罠』を仕掛けていく、宇佐見は『透明化』で隠蔽、和真と渚で足止めを頼む!」
「「了解!!」」
「え...ちょ...」
待って、こいつの足止めをするの?キラーパンサーにも勝てなかったのに?
どうなるんだ...初のボス戦...?