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その勇者、かつてはモブキャラ設定でした  作者: 蜜柑クロ松
第二章 闘技会
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第31話 異常(1)

「ゲェッフ、ゲッフケフ」

「お〜、遂にやりきったなぁ」

闘技会が二週間後にまで迫ってきている中、僕は毎日死にそうな程の練習を重ね、遂に全身常時『吸収性退魔』状態を維持できるようになった。俊君の手助けもあったお陰で予定よりも早い完成となった。

「よ、ようやくです...」

「うんうん、これで闘技会でも十分戦えるね」

「そうだけど...」

「...あ〜そういや初戦堀井田だったっけ。最初からクライマックスやね」

「そうだよぉ...キツいよぉ...」

「まぁ嘆いていても組み合わせは変わらないし、ひとまずできることをやろう」

「くぅ...」

「って言っても後は実践あるのみだなぁ...誰か戦い相手を求めている人を探したいなぁ」

「...あの、堀井田君ってどんな人なんですか?」

堀井田君───俊君や平次君と同じ三英雄と呼ばれる一人。確か入学試験の武具技術試験を素手で挑んでいた。後日談だが、彼は武具技術試験でかなりの高得点を出したようだ。ということは彼は───

「あぁ...まぁ想像はできてると思うけど、あいつは身一つで戦うパワー型。純粋に強い力の上に強化魔法を扱うから、吸収できたとしてあいつのパワーに耐えきらないといけない分余り筋力少ない和真にはキツイかもね」

「う...やっぱりそうなんだね」

「あいつは純粋な力だけでも岩石を割ることができる、『吸収性退魔』を発動しながら他の魔法を使えるようになるようにすることと、あとは筋トレかな」

「筋トレ...」

「やるに越したことはないし、筋トレに全振りする訳じゃない。ただ魔法で防御するにしても、防御に割り当てる魔法の量は節約しときたいだろ?───いや、魔力吸収できるんだしそこまで節約しなくてもいいのか...?」

「と、とりあえずやってみるよ」

「おっけー、とりあえず今日はここまでにしよう。あ、先に戻ってていいよ、二人呼んでくるついでに用事あるから」

「あ、うん、分かった」

用事か、何をするんだろう?この時の自分はそんなことを考える程の力が残っておらず、俊君が宇佐見さんと渚さんの二人を呼びに行った後、少し休憩してから自分の部屋に戻っていった。



───アルガ中迷宮 第二十層───


「おまたせ〜」

「来たか」

「待ちくたびれたぞお前!!久しぶりに全員で集合ってのによぉ!!」

「チームアップも大事に決まってるだろって...」

宇佐見と渚の二人を送り、用事───久々の三英雄の集結に赴いていた。ちなみにそこにはメイもいた。

「で、話って何なん?」

「手合わせを願ぁう!!拒否権は無し!!」

「───で、話って何なん?」

「真面目な要請だよ無視すんなてめぇ」

「めんどくせぇよぉ育成に力入れまくってんだからぁ」

「和真...だっけ?実際どうなんだ、奴の『独自魔法』は」

「さぁ?こっからどんだけレベルアップするかは和真のセンス次第だと思う」

「元無能力者だろ?今までそんな奴らと敵対すること何回かあったけど、どいつもこいつも大した実力はなかったじゃねぇか。こちとら三英雄の肩書き背負ってんだし余裕余裕〜」

「あ、死亡フラグ」

「うっせぇわこんにゃろ」

しかし堀井田が言うことも間違ってはいない。今まで敵対してきた元無能力者───主に非戦闘員だった一般人に無理やり魔力を与えたような付け焼き刃の兵士は慣れない魔法を上手く扱うことができない。順応したとしても『独自魔法』を完成系に至るまでの実力が身に付けるパターンはごく稀である。しかしそれは的確な指導者が居なかった為であるとも言える。俺がとりあえず日々の特訓に付き合ってるから、今までの元無能力者よりは良い戦いができると思うのだが...。

「───まさか和真の情報を聞き出す為だけに呼び出したって訳じゃないだろ?」

「だから俺と戦えっての!!お前で慣らしときたいの俺は!!」

「ひとまず落ち着け、それは後でもいいってお前が言ったんだろ」

「ちぇっ」

「...じゃあ本題に入りましょうか」

少し苦笑いを浮かべながらメイが話を切り出す。堀井田はムスッとした顔でつまらなそうにそっぽを向いた。

「話と言うのはですね、ここ最近ノベルト王都で多発している規格外モンスターの異常発生についてです。発生し始めたのが私達がここに入学してからという声が多く上がっているんです」

「あ〜、なんか最近よく聞くね、ここらの環境が変わったからって思ってたけど、そういう訳じゃないんだな」

「最初は俺らもそう思った。近年ノベルト王都に住む人達の魔力は増加傾向にある。それに伴い、その大きな魔力に惹かれてモンスター間の生息地の移り変わりが起きたものだと考えていたし、先生達の間でもそれで結論が成されている」

「───違うっての?筋は通った話だと思うけど」

「例外が見つかったんだ。これを見てみろ」

そういうと公蔵がポケットから何かを取り出した。

「これ...毒蛇(ポイズンドレイク)の鱗か?」

「今朝、王都付近の森林で私達が目撃、討伐したものです。探してみましたが森林内には洞窟や迷宮に繋がる穴もありませんでした」

「他にもストンハーミットやゲイザー等も確認している。しかもどれも森林内で、だ」

ストンハーミットは岩の甲を被ったヤドカリ型のモンスター、ゲイザーは眼玉のモンスターだ。毒蛇は文字だけ見ても何か分かるだろう。これら二体は特に今日といった印象は無い。ストンハーミットはハサミに注意すればただのうすのろモンスターだし、光魔法を使えばゲイザーもイチコロだ。だが問題なのは───

「本来なら地上に居ないはずのモンスターが発生しているんです」

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