第27話 我らがA組、一部紹介の巻
朝の学校は静かだ。一番にたどり着いたのは僕達三人だった。
「さて、僕は教員の皆さんに挨拶に行ってくるとしよう!!」
「毎日全員に挨拶って大変ですね〜」
「一日の始まりは挨拶から!!これくらい造作の無いことだ!!」
そう言って圷君は教室から出ていった。どうやら毎日学園の先生全員に挨拶しに行っているらしい。
「真面目過ぎるのも考えものですね〜」
「アハハ...」
「それじゃあ、私も一度保健室へ向かいま〜す」
そう言うと、仰音道さんも教室から出ていった。そんな感じで僕は教室で一人になってしまった。村にいた時から、僕はこういう風に一人でいることが多かった。だから慣れていないことは無いが、ここに来て一緒に話す人が増えたことで、寂しさを感じるようになった。そんなことを考えていると、静かに教室の扉が開いた。
「───え、あ、あ...」
「あ、お、おはよう...」
「あわわわ、お、おはようごじゃひますぅぅう!!」
僕が言えることじゃないが、緊張しいな彼女は叶 千草さん。彼女は僕と同じく、無能力者として入学した人だ。しかし僕のように、魔法を扱えるようにする為に入学してきたわけではない。彼女がこの学園に入ったのは───
「昨日暴走して凄いことになってたけど、大丈夫だったの?」
「あ...はい、また新しく右腕を作ってもらいました。どうも回路がショートしてしまったことによる暴走だったらしいので...」
そう、彼女はロボットなのだ。現在この世界で一番の博士(自称らしい)である叶 千棘さんに作られた彼女は、対魔法戦闘兼回復要員ロボットの研究の一環としてこの学園に入学させられたらしい。彼女本人は自らの意志を持って行動ができるらしい。
「そっか、じゃあもう大丈夫かな」
「すみませんすみません、ご迷惑をおかけして本当にすみません!!」
「あ、あまり気にしないでいいよ!!」
「そうだぞ〜、結局被害は特に無かったんだから気にすんな〜!!」
「ひぇえっっ!?」
「あ、長川君」
唐突に現れた彼は長川 封猟君。...そう言えば雨宮さんに従っていた人だ。
「ところで今日は雨宮さんいないんすか〜?」
「えっと...今日は見てないかな〜」
「わ、私も見てないです」
「そっか〜、最近あの人に従って罵倒されながら痛めつけられるのが生き甲斐なんだよなぁ、早く来てくれないかなぁ...たまにちらっと見える太ももやパンティーがもう絶景でよぉ...あ、ちなみに昨日はピンクの水玉だったぜ!!」
「あの、差し出がましいようで申し訳ないですけど、そのように下着の話をするのは雨宮さんに失礼かと...」
「───あ〜でも叶ちゃんも可愛いよねぇ、試しに俺のこと踏んでみてくれない?」
「ひぃい!?」
───変態だ。
「一回だけ!!一回だけでいいから!!」
「で、できませんよそんなこと〜!!」
「いいじゃんか〜減るもんじゃないしよ〜ほらほらほブフゥッ」
「やめんか朝から穢らわしい!!」
颯爽と蹴りをかましたのは皆川 落十葉さん。圷君ほどキツくはないが、彼女も真面目な性格である。
「む、寧ろご褒美です...」
「全く、これだから変態は...」
「...おはよう皆川さん。今日は隠十破さんは一緒じゃないの?」
「ん、あぁ、おはよう二人とも。南はまだ寝てるんじゃないかしら?なんで?」
「いや、二人とも仲が良さそうだったから」
「あぁ、まぁ幼なじみってだけよ」
話題として上げられているのは、隠十破 南さんだ。会話の通り、彼女と皆川さんはとても仲が良い幼なじみらしい。
「ところで、二人は闘技会の準備は進んでる?特に二人は無能力者だったわけだけど」
「ん〜、あと6週間でどれだけ伸ばせるか、かなぁ」
「あら?ということは『独自魔法』は一つは出来上がったんだ、思ったより成長が早いわね」
「無能力者だった時の勉強が役に立ってるんだ」
「なるほどね...今後の成長に期待できそうね」
「わ、私は魔法は使えませんが、その分私には機能がございますので…」
「───その機能とやらも昨日みたいに暴走しないといいんだけど...」
「す、すみませぇぇぇええん!!」
そんな会話を続けていると、また新しく人がやってきた。
「お、なんか今日は盛り上がってるな」
「おはようございま〜す!!なんのお話されてるんですか?」
「あら、高本さんに黄泉月さん、おはよう」
やってきたのは、高本 創君と、黄泉月 茶愛羅さん。二人とも明るい雰囲気をしている。
「おはよう、闘技会に向けての調子はどうかなって」
「闘技会かぁ、もちろん俺は優勝かっさらうつもりだぜ、全員圧勝してやんよ!!」
「私も負けませんよ〜!!皆をあっと驚かせてやりますから〜!!」
ちなみに、闘技会があるということもあって、皆自身の能力を語ろうとはしない。闘技会で自分が勝つために、対策を取られないように黙っているのだ。ここにいる皆がそれぞれ色々な『独自魔法』を持っていると考えると、怖いながらも楽しみという気持ちがある。
「楽しみ...だね」
その後はずっと他愛のない会話が続き、始業の鐘が鳴った。
一度は入れてみたかった日常回のような回です。クラスメートは前話と今回を含めて全部ではない...ので、今後の登場に乞うご期待。




