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その勇者、かつてはモブキャラ設定でした  作者: 蜜柑クロ松
第二章 闘技会
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第21話 それでも日は迫る

昨日の藤島君の模擬対戦から、僕の頭の中は戦闘中の彼の行動、攻撃等の全てにおける疑問で一杯だった。あの大男の煙幕は周りにいた観戦者にも影響があったらしいけど、それを誰よりも近くでずっと対応していた藤島君は何故平気だったのか。大男よりも遥かに小さい身体の藤島君があの大男にダメージを与えたあの力は増強型の『独自魔法』の一つなのか。そして何よりも気になったのは...

「どうしてあの大男のバリアが破られたんだろう...」

藤島君のスピードも速かったけど、あの大男はそのスピードに反応し、藤島君が次に一撃を出す前に既に全身を防御魔法で覆っていた。それなのに藤島君が放った攻撃は大男に当たっていた。これも『独自魔法』の一つなのだろうか?もしそうだとしたら『独自魔法』がどれだけ自由なのかを感じる良い機会になったのだが、僕の『独自魔法』もあれだけ自由を効かせる能力にできるのかが不安になってきた。

「...けど、悩んでる暇もないよな...」

ただでさえ周りよりもスタートが遅れているんだ、これから練習あるのみ!


 教室に入ると、昨日の模擬対戦の話で盛り上がっていた。まぁ、自分達と同じの新入生が上学年な上にSランクを相手に圧勝したのだ、盛り上がらないはずがない。

「藤島!!お前間抜け面しときながらめっちゃ強ぇんだな!?」

「まさか君がここまでの実力者だとは思わなかったよ〜、昨日の試合は感激だった!!」

「あの煙龖豪霧(えんどうごうむ)って奴、Sランク帯の中でもトップレベルらしいぜ!!やるなアホ面!!」

「なんでちょっと俺ディスられてんねん」

...藤島君、囲まれてるな...。本人は「これでSランク未満からの戦闘依頼は拒否できるから楽でいいわ」って言ってたけど、これは別の意味で暫く大変そうだな...。

「あの人、煙龖豪霧って言うんだ...煙龖...?」

ふと、煙龖という苗字を何処かで聞いた気がした。祖父が話していた昔話でそんな名前を聞いた気が...気の所為だったかな...


─── 午後 アルガ中迷宮 第一層───

「俊、お疲れ...w」

「今日ずっと誰かしらに話しかけられてたねw」

「学園内ずっと昨日の模擬対戦の話で大盛り上がりだったし...」

「ったく、ライブかっての」

昼からの魔法研究の為、ようやく藤島君は生徒の大群から開放され、彼の顔は既に疲れきっていた。


「さて、少し疲れは出ているが本題に入るよ」

パーティ四人で輪になって座る。入学早々色々な出来事があったが、魔法研究の授業は今日が初めてである。

「前にも言った通りなんだけど、俺達はひたすら迷宮で魔法(ワザ)磨きだ。近いうちに開催される闘技大会に向けて課題を見つけてその都度潰す、て感じで約6週間やっていこうか」

「おっけー」

「そうだな...和真と俺、宇佐見と渚のペアで分かれよう、二人ならそれで大丈夫だろう、自分らのペースで下層まで降りていってくれて構わないよ」

「うん?二人はどうするの?」

「和真は魔法が扱えるようになってからまだ日も経ってないからさ、魔法陣の知識については誰よりもあるから基礎の練習はともかく『独自魔法(こやつのわざ)』を磨いてかんとね」

そう、実は魔法が扱えるようになってから夜にこっそり練習したりしていたが、陣式の知識が役に立ったのか、慣れるのに苦労はしなかった。後に聞いた話だけど、これは無能力者が魔法が使えるようになった時、一刻も早く魔法が扱えるように学校側から陣式の教育が強制されたことが活きるらしい。

「ふふふ...まぁ育てがいがあるってもんよ...」

「なんか...悪い顔してるなぁw」

和んだ空気の三人の中で、僕の心の中はやる気が漲っていた。

とんでもなくお久しぶりの投稿です。間が空きすぎてストーリーが頭から抜けていましたが、今までの話を読み返し、メモを見つけたことでなんとか書けました。

けどだからといって投稿ペースが早くなる訳ではなくこれからも不定期更新です。叩き潰しても経験値が貰えないメタスラだとお思い下さい()

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