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その勇者、かつてはモブキャラ設定でした  作者: 蜜柑クロ松
第二章 闘技会
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第20.5話 静かな夜、まだ誰も知らぬ力が動く

新入生が入学して間もなくSランクに昇格したと騒動が起こっていたその日の夜のこと。僕、几野雄戯はとある人物に呼び出されていた。なんの話をされるのだろうと少し緊張している。授業始まって初日だし特に何もしてないと思うんだけどなぁ...?

「もしかして武器のメンテナンスの申請かなぁ...あれ、でもあの人って武器持ってたっけ...?」

そんな事を呟いていると、気づけば目的の場所に着いていた。そこには既に呼び出した本人の姿があった。

「すみません、遅くなりました。几野雄戯です」

「こちらこそ君の店の事もあるだろうにすまないね」

「いえ、今日の分は全て済ませましたので」

う〜ん...やっぱりこの人の前は緊張してしまうなぁ。別に怖い顔してる訳でもないのになんでだろう...というか、やっぱりこの人武器とかは持ってるように見えないな。一体何について聞かれるんだ...?

「君に聞きたいことと言うのは、小林君についての事だ」

「小林...あぁ、あの珍しい剣持ってたあの子ですか?」

「そう、その剣について、武器に詳しい君なら何か知っているのかと思ってね」

「そこに興味持つってことは、先生も武器好きだったりします?」

「え?あ、あぁまぁ...そんな感じだな」

なんだ、同士ではないか!!そんな事なら店に来てくれたら沢山武器について話しますって!!

「そうだったんですねぇ!!いや〜でも、申し訳ないですが、僕もあのような剣を見たのは今日が初めてなんですよ。あのような興味深い物があったら研究材料として取っておきますから...」

「そうだったか...私もあのような剣は見た試しが無くてな、君もあまり知らないということは、相当レアな物なのだろう?」

「そうですねぇ。僕はレア物でもある程度揃えてますし...」

「となると、最近作られた物...ということか?」

「いや、そうとも言いきれませんね、彼から実際の話を聞いてないから確信はありませんが、恐らく相当な剣魔術の使い手から引き継いだ物ではないかと僕は考えてます。最近の武器に多く使われる素材が入ってるようには見えませんでしたし、剣身はともかく、鞘にも魔石を含めるのは、剣魔術において何かメリットがあるからかと...そう考えると、ついこの前まで魔法が扱えなかった彼が意識してそのような作りの武器を頼んだとは考えられませんし...」

「...なるほどな」

「ん〜、これも彼からの話や研究で色々みないと何とも言えませんからねぇ」

「そうだったか...。私も興味はあるのだが、教師をする者ながら知識が足りなくてな。良かったら何か分かったら私にも聞かせてほしい」

「勿論ですとも!!またお話しましょう!!」

いや〜まさか同じ武器好きな人がいたもんだ!!しかも教師だから、もしかしたらまだ知らない知識を教えて貰える可能性もあるかも...!?それにしても、折角聞いてくださったのに、かなり曖昧にしか答えられなかったなぁ...。あの剣についてもっと知りたいし、あの剣を僕に研究させてくれないかなぁ。というか研究させてくれ小林君。ケンキュウサセテクレ。


「へくしっ!!」

...だ、誰かに噂されてる...?




「...ということだそうです。彼の今後の研究に期待するしかないですね」

「...そうだったか。手間をかけさせてすまないね」

「いえ...。あの、彼の武器についてお聞きになって、何をなさるのですか?」

「...いんや?私も君や几野君のように、彼の武器に興味が湧いてきたからね」

「そう...ですか。では、私はこれで」

あらゆる武器の情報に通ずる彼でも見たことが無いというか...。だとすると考えうるのは...弓使いの闘神の子が何故所持しているのかは知らんが、あの武器は...。

「私達の計画の大きな弊害になりかねんな」

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