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その勇者、かつてはモブキャラ設定でした  作者: 蜜柑クロ松
第二章 闘技会
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第20話 青は恐れない

──ノベルト第一学園 校庭内 13:00──


「俊君...大丈夫なのかなぁ」

「まぁ相手がSランクだって言っても、流石にぼろ負けすることはないと思うよ?」

「渚さんはどっちが勝つと思うの?」

「ん〜...相手が分からないし...どっちにしろ俊を応援するだけよ」

「そうだねぇ...」

どうやら校庭には生徒がほぼ全員集まっているらしい。沢山の人で溢れかえっている。

「ところで、宇佐見さんは何処に行ったの?」

「俊の為にゲーム買いに行ったってさ〜、美香も見とけば良かったのに」

...ゲームってそんな魅力的なのかな?


 校庭の中央では俊君ともう一人、大男が立っている。あの人が対戦相手...?なんというか、全身が少し黒い...いや、彼の周りの空気が黒いのか?

「お前が藤島俊だな?」

「...はぁ、そうですけど...」

「キヒヒ、噂によれば、三英雄の輩は学園(ここ)の教師に匹敵する強さがあるらしいじゃねぇか」

「いや、知らないです、はい」

「ハッタリだろ?お前ら新入生の癖に俺らより強いとでも思ってるのか?あぁん?」

「知らないですって...」

「とぼけたって無駄さ...俺様がお前らに教えてやるよ...Sランクの恐ろしさをなぁ...」

なんか一方的に話しているらしいけど...三英雄...?聞いた事がないけど...えっ俊君って英雄なの?

「...ねぇ渚、三英雄...って何?」

「えっ、知らないの!?ほんとに無知だね...昔世界的に起こった『魔力大変革(マギクスカタストロフィ)』は流石に知ってるよね?三英雄は幼いながらもその災害から一つの街を守った三人の英雄のこと。俊がその一人、他二人もここの学園生よ」

「あの災害を!?僕らと同い年が三人で!?」

そんな...僕の父さんでも死んでしまったあの災害を自分達の力で生き残ったって言うのか...!?三人とはいえなんて強さなんだ...!?


「それでは両者、準備はよろしいかな?」

「あぁ...いつでも潰せるぜ」

「OKで〜す」

いよいよ始まる...。『独自魔法(オリジナル)』の複数所持者...『魔力大変革』を生き延びた三英雄の力...どんなものなんだろう...。

「それでは...始めッッ!!」

最初に動いたのは大男の方だ。彼の周りの黒い空気も同時に動いていく。巨体が迫る中、俊君は身動き一つ取らない...顔には笑みが浮かんでいる。

「キヒャヒャヒャヒャァ!!暗さに悶えなぁ!!」

その瞬間、彼の周りの空気が更に黒さを帯びて俊君に襲いかかる!!もしかしてあの黒いのは...煙幕!?

「痛てぇだろぉ?俺ぁ煙を操る能力でなぁ、目を瞑ろうが煙を染み込ませることができるのよぉ...見えないかぁ?見えないだろぉ...ッキヒヒヒ」

煙が濃い...あれに入れば完全に視界が封じられるだろう。早くも勝負が着いてしまったか...?

「更に俺の煙には聴覚を麻痺させる効果もある...少しでも体内に入れば何も見えねぇ、何も聞こえねぇのさ...残念だったな英雄さんよぉ...」

大男は大きく拳を振りかぶる。聴覚と視覚が遮られた今、俊君の逃げ場は...!!

「俺はなぁ...弱った奴を殴りまくるのが好きなんだよぉ!!」

大男は振りかぶった全力の拳を俊君に殴りつけた!!

...ように見えた。その拳は大きく空を切る。その拳で晴れた煙の中には...

「なっ...いない!?」

「無駄な忠告、長々とどうもぉ」

何食わぬ顔で大男の頭上に現れる俊君...一体何が起こっているんだ?

「なんだ!?今何処から出てきた!?」

「まさかあの煙をもろに受けて無事だったっていうの!?」

「嘘だろ...どんな怪物なんだよ...」

辺りが騒然としだす。誰も彼が出てきた瞬間が見れなかったというのか?

「Sランクってこんなもんなんだな、つまんないっすね」

「なんだ──」

大男の言葉を遮るように、俊君は大男の頭上にかかと落とし。脳天に直撃した音は校庭全域に響き渡った。

「がっ...!?く、くそぉ」

「...うわっまだ動くんすか...。悪いっすけど、俺も急いでるんで」

そういうと彼は物凄いスピードで大男の懐に入る。

「なっ、くそぉ...!!」

大男は防御の体制に入り、次の瞬間、さっきとはまた別の音が響いた。

「な、今度は何が起こったんだ!?」

「また大きな音が鳴ったけど...」

「お、おい見ろよあれ!!」

全員の視線が大男の方に寄る。その大男はふらふらとしている。目が虚ろになり、上手く喋ることもできないようだ。なんだ...なんなんだ...?さっきから展開が早すぎて理解が追いつかない。これが模擬対戦?冗談じゃない、こんなハイレベルな戦い、勝てるわけが...。

「あ...う、あぁ...」

今にも倒れそうな大男を、俊君は後頭部への回し蹴りで蹴り倒す。

「先生〜、多分この人しばらくは動けないよ〜」

「...あ、あぁ、そ、そこまで!!勝者、藤島俊!!」

「さ、か〜えろ帰ろ、ゲームやろ──」

「待て、職員室まで来い。ランクアップの手続きをする」

「orz」

辺りが騒然とする。周りの反応を見た感じ、あの大男はSランクの中でも指折りの実力者だったらしい。

「あれが...三英雄の力...」


「...で、それがSランクに行った人だけが持てる勲章...てやつ?」

「な〜んかこれ腕に付けてると色んな店とかで免除受けられるらしい。割引とか効くのかな」

職員室から帰ってきた俊君、買い物を引き受けていた宇佐見さんと合流した。俊君が貰ってきた勲章を眺めている。

「...デザイン微妙だねぇ」

「だなぁ」

藤島俊...模擬対戦を見た後で更に謎が増えた。もっと知りたいことはあるけど...父さんでも生きることが叶わなかったあの『魔力大変革』を生き延びた強さの理由...『独自魔法』に隠されているのかな...?

「さて!!宇佐見に買ってきてもらったし、さっさと帰ってゲームやろぉぜぇ」

「そうしよっかぁ、和真君も来る?」

「...うん、行くよ」

僕がどこまで成長できるか分からないけど、必ず俊君に追いついてみせる!!父さんの代わりになるためにも...!!

年内最後の投稿になります。

それでは、良いお年を...

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