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その勇者、かつてはモブキャラ設定でした  作者: 蜜柑クロ松
第二章 闘技会
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第19話 模擬対戦

「とりあえずお前も席座れ、話はそっから」

「ほ〜い」

ゆっくりと歩く俊君、不思議そうな顔を浮かべている。確かに気になるなぁ、ランクを上げる三つ目の方法...。

「...よし、いいな。言い忘れてたけど休んでるやつには誰か説明しといてくれ、も一度説明はマジでだるい」

「...あの先生、俺と同じ波動を感じるぜ」

「遅かったねぇ、何時まで起きてたの?」

「4時半」

「うわぁ...」

俊君...そりゃ寝坊するよ...

「んじゃあ...えっとどこまで話したっけか?...あぁそうそう、ランク上げの話だったな、一つ目は魔物狩り、二つ目はミッション達成。そして三つ目は、模擬対戦だ」

模擬...対戦?

「これはその名の通り、生徒同士で対戦するってことだ。ただし、ただ戦うだけではランクは上がらん、学園に申請して教師立会の元の戦闘のみランクが上がるものとする。複数で争いあっても構わんし、一対一のガチタイマンでも構わん。お前らが挑戦できるのは、自分よりランクが下の奴らか、自分のランクの上三つまでの奴らだ」

...いや一番無理でしょ。うん。戦闘慣れしてないのに急に対人対戦が出来る訳が無いよ...。

「しかし細かくルールがあってだな、まず勝利の条件が相手を戦闘不能の状態にさせることだ。気を失わせるか、戦う術を無くさせるか、だな。しかし殺すのは一応駄目だ。万が一の為に蘇生できる教師は立会うけどな」

戦う術を無くさせる...ってどういうことだろう?魔力を使い切らせる、とかなのかな。

「あと制限時間は設けないこととするが、翌日の授業の前には終わらせること。あと対戦は校庭内のみ...んぁあもぉ細かいなぁめんどくせぇ」

なんというか...女性らしからぬ人だな...。とりあえず一通りルールは分かったけど、殺しが無しなら、実力が付いた後に試してみるのもありなのかな...。でもまずは『独自魔法(オリジナル)』を完成させてからだなぁ...。

「次にランクの増減についてだ。制度が細かいからよぉく聞いておきな。まず、その模擬対戦でお前らが勝った場合だ。もし自分よりもランクが下の奴らに勝った場合は、どれだけ圧倒的の強さを誇ろうが一つしか上がらない。苦戦したとしても一つ上がる。そしてもし自分よりもランクが上の奴らに勝った場合は、そいつと同じランクまで一気に駆け上がることもできる。例え一番下のF-だとしても、Sに勝つことができたら無条件で一気にSまで登ることができる」

「じゃあ、最高ランクのSSSの奴らに勝てたらそこまで上がれるってことだな!?」

「...まぁそうだが、さっきも言った通り今はSSSはおらん。それにそんな大損ぶっこいてまでそんな高いランクの奴が挑戦するわけないだろ。藤島の件は別だがな」

「ほぇ?」

「次に、もし負けた時だ、自分よりもランクが上の奴らに負けた場合はランクが落ちることは無いが、立会の教師がぼろ負けだって思ったらランクは一個下がるらしい、めんどくせぇな。んで、もし自分よりもランクが下の奴らに負けた場合、そいつと同じランクまで落ちる。つまり例えSSSまで登りつめたとしても、Fの奴らに負ければ即刻Fまで落ちる。...まぁSSSまで行く奴がそんな弱くもないけどなぁ」

つまり自分より下の人達との対戦はリスクが大きい...ん〜けどかと言って上のランクの人に適うほど成長できるのかなぁ...。

「それと、SSまで登ると、学園生同士の戦いではランクが上がらない。そのかわり教師との対戦が可能になる。SSSになる為には、戦闘向けの教師三人に連勝しないといけないんだ。うちも戦闘向けやし、もしここでSSになるやつが出たらうちがまず最初に相手したろ、こう見えて教師内では二番目に強いんや」

そうだったの!?まさかこの先生がこんなに強い人だったなんて...くそぉ気になる!!この人の実力が気になる!!

「ところで先生、もしかして俺今日対戦申し込まれたとか...言います?」

「言います」

「まじすかぁ...」

俊君が模擬対戦を申し込まれた...?初日に?まさか初期状態から既に高いランクなのかな...。

「俺まだ冴えないD小僧なんだけど、対戦相手ってどんな人ですか?」

D...ってことは僕の一個上?つまり俊君と僕の力の差は一個しか違わないっていうこと...?何故?実力差めっちゃあるのになんで一個差なんだ...?

「対戦相手なぁ...えぇっと名前なんだったかな...とりあえず臭いやつだったはずだ」

「覚え方最悪かよ」

「そんでランクは...Sだったはずだ」

その言葉で教室が騒然とする。当たり前だ、Sランクの人がわざわざ俊君に対戦を申し込んできたのだから。

「お、おいおいマジかよ...」

「あんな非力そうな奴が戦うってのか!?Sランクに!!」

「おいそこの非力そうなお前!!その権利変われ!!俺がSになってやる!!」

「非力ってw」

「うるせぇなさっきまで死ぬ死なないで弱音吐いてたへっぽこ軍団が黙れぇ!!」

おぉ...さっきまでの気だるそうな雰囲気が変わって大声だ...

「...えぇっと、藤島、今日の13時かららしい、忘れるなよ」

「ぅえぇ今日っすか...明日じゃ駄目なんすか...?」

「ランクが上の奴の条件だからな、仕方ない」

「ちぇ〜、ゲームのシリーズ最新作発売日今日なのに...」

渋々と自席へ戻る俊君。ゲームの方が大事なんだな...。

 俊君...確か『独自魔法』を幾つも持っているって言ってたけど、Sランクの人が相手ならもしかしたらその一部が見れるかもしれない。この試合を見て勉強になることは多そうだ。


「ゲームぅ...」

「私が買ってきて上げるから、頑張ってきたら?」

「宇佐見よぉ、買って即行やりたいんだよぉ」

「えぇ...」

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