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その勇者、かつてはモブキャラ設定でした  作者: 蜜柑クロ松
第二章 闘技会
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第18話 実力主義

「おはよ〜和真君」

「え?あ、おはようございます」

平次君とメイさんと離れた後、教室に入ってきた宇佐見さんと渚さんに声をかけられた。...俊君は一緒じゃないのかな?

「ん〜...和真君、ちょっと固すぎない?」

「え?」

「なんというか、敬語使われるとこっちもなんか気ぃ使っちゃいそうと言うか...」

「別に同じチームなんだし、同級生なんだからさ、気楽にしなよ」

「え...と、う、うん、そうするよ...」

でもやっぱり魔法覚えたての僕からすれば二人も先輩みたいなものだし...難しいなぁ。

「ところで俊君見なかった?」

「いや、まだ見てま...見てないよ?」

「あんれぇじゃあまだ寝てるんかなぁ」

「夜中までゲームしてたっぽいしねぇ」

...前にも聞いたけど、俊君はほんとにゲームとやらが好きなんだな。なんか気になる...。


 しばらくすると振鈴が鳴った。今日は殆ど学園のことの説明で午前が終わるらしいけど...。

「よぉお前らぁ、はよ席つけぇ」

おそらく教師であろう人が教室に入ってくる。結局俊君は来ないままだけど大丈夫かなぁ...他にも幾つか空席があるけど...。

「なんやらサボりが数人おるみたいやが...まぁええか。めんどくさいから前置きも無し、色々な話してくからメモするなりよう聞くなりしぃや」

...背丈は中くらい、あまり整ったとは言えない金色のポニーテールと少しよろけた服の女性が教卓に手を付き話し始める。

「うちがここの担任の間名村吉乃(まなむらよしの)や。魔術系の授業はうちが担当しとる。つっても今年は優秀なやつらばっかやから出番は少ないやろけど、よろしくな」

とりあえず厳しそうな先生では無さそうかな...。

「まぁあんたらは後であんたら同士で自由に喋っとき、うちの紹介もここまで、ようこそノベルト第一学園へ。この学園は知っての通り、他の平々凡々とした学園とは違い、騎士や冒険家、魔術師や狩人なんかを目指す者の為の学園や。別に放課後イベントとか学園行事なんかを楽しみにするなとは言わないが、決して平凡な学園(やつら)みたいにそれを満喫できるわけでは無いぞ、楽しみにしてたやつらは残念だったな」

ほ、放課後イベ...?

「それと、ある程度保証はするが、学園生の間でも死ぬ確率が無いわけでもない。万一誰かが死に、蘇生ができないってことも有り得る」

「なっ、おい!!そんなの聞いてねぇぞ!!」

「蘇生くらいなんとかしてくれるんじゃないのかよ!!」

「俺たちはここで選ばれている訳だろ!?そんな俺らを見捨てるってのか!?」

何人かの生徒が立ち上がり次々に抗議する。確かに戦闘が無いわけでもない、死ぬ可能性だってあるはず...何より魔法覚えたての自分は特に...

「──ったく、なんでこんな頭の悪い腰抜けなんか選んだんだ学園長は...」

「っんだとぉ!?」

「いいか立ち上がってる腰抜け共、死ぬのが嫌なら今すぐ出ていけ、居るだけ邪魔だ。それがもっと嫌ならここで強くなれ。お前らそれが目的でこの学園に来たんじゃないのか?」

...確かにそうだ。強くなるためにここに来ている。蘇生が無いからなんだと言うんだ。僕はまだ魔法覚えたてで伸び代があるじゃないか。

「あぁ〜あ、当たり前なこと言わすなよぉ、こちとら話す内容多すぎてストレスなんだよなぁ」

担任、間名村先生は退屈そうに欠伸をして、手に持つ資料を目にする。

「え〜っと、お前らに手紙届けといたから知ってるとは思うが、午前はこの学園で過ごしてもらい、午後からは外で魔法の自主学習自主演習となっている。午後からも学園に籠ってもらっても構わんし、街の外行っても構わん。他の教師は知らんが、午後にどれだけ怠けようがうちは何も言わん。午前は皆同じペースで授業進めるから、他の奴らと実力差を付けるなら午後からだ」

「先生〜、自由って言っても、手紙にはやること書いてありましたよね〜、それには参加しないといけないんですよね〜?」

「別に参加してもしなくてもいい、そこに書いてあることが自分の為にならないって自主的にそう思うなら別にそれでいいんだ」

じゃあ逆に僕も講習とかに行ってみてもいいってことかな?知らないことも多いし行ってみたいんだよなぁ...後で聞いてみるかな。

「けど自分に自信が無いやつは手紙通りに動けばいいだろう。損は無いだろうからな」


 その後、学園内の施設についての説明を受けた。図書室、実験室、訓練室や購買等、とにかく充実した設備があるようだ。必要になった時の為に早めに見て回りたいなぁ。

「...これくらい言っときゃええやろ、次はこの学園でとても重要なランクについて話すぞ」

「ランク...ですか?」

「そうそう、この学園にはランク制度があってだな、お前ら個人の実力を表しているようなやつだ。初期状態はE前後、最低ランクはF-、最高はSSS...だったか?今は一人もいないけどな。二十一段階ある。今のお前らのランクは机の中に入っている紙の右下に書かれているぞ」

そう言われて僕は机から紙を取り出し、確認してみる。

「...D-だ...」

初期状態はE...ということは少し高いくらいなのか?僕が?この僕が?

「宇佐見、ランクどうだった?」

「私は...E+だって、渚ちゃんは?」

「おぉ、私もE+だったよ!!」

どうやら二人はE+らしい。何が基準なんだろうか...。

「おいお前ら、情報交換もいいけど大事なのはここからだぞ。そのランクはどうすれば上がるのか、だ」

あ、進級とかに応じて上がるとかいう訳でもないのか。

「そのランクを上げるには三つのやり方がある。まず一つは、魔物狩りだ。魔物も種類ごとにランク付けされているのはお前らも知っているだろう?例えばAランクの魔物を狩りまくって学園にある程度の数出してくれれば、その魔物のランクと同じAランクがお前らに付く」

...無理無理無理無理無理無理。まだキラーパンサーにも怖気付いてしまう自分には無理だ。...まぁ前と比べればある程度自分も戦えるかもしれないんだけど。

「二つ目はミッション達成。学校の掲示板のミッションやギルドの依頼にもそれぞれランク付けが成されている、AランクになりたいならAランク級のミッション、依頼を3つクリアすればそこまで昇格できるってわけだ」

ミッションや依頼...。きっとランク上げれば上げるほど難しくなるんだろうけど、簡単なのがあったらある程度は上げられるのかな...。

「そして三つ目は──」

「すいませぇん遅くなりやしたぁ!!」

突如開かれた扉から一人...俊君が入ってきた。

「初日から遅刻たぁいい度胸してんじゃねぇか...えぇっと...名前なんだっけ」

「遅刻には理由があります!!あと藤島俊です!!」

「...言うてみぃ」

「先生もありません?アニメとかゲームとか漫画とか、なんか良いところまで進んじゃったりすると続きが気になって最後まで見てしまうやつ!!主人公が最後で殺されそうになったらそりゃ続きも見てみたくなってくるってもんですよねぇ!!」

「...確かにそうだな、途中で終わらせてしまっても気になって仕方がない」

「そりゃ遅刻してしまったのは悪いとは思いますが続きが気になってしまっては授業に支障が出てしまいますよ!!」

「そうだな、許そう」

大丈夫かこの先生。

「...というか、丁度いい時に来たな、こっからの話はお前が今日一番大切だぞ」

「...はい?」

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