第16話 学園生(1)
学園生活...と言ってどんなものか考えてみる。無力者として毎日虐められ蔑まれの毎日だったあの生活から抜け出し、初めての学園生活である。と言っても学園生活自体、これが初めてである。早めに学園に行ってみよう。とにかくこれからが楽しみだ。
───そう思っていたのだが...
「おめぇが先にぶつかってきたんだろうが!!謝んのはそっちだろ!?」
「うっせぇな!!てめぇが余所見してんのが悪いんだよ!!」
「なんだとぉ!!てめぇ誰に口聞いてんのか分かってんのか!!」
「知るわけねぇだろ初対面なんだからよ!!いいから離せ!!」
あ、朝から血気盛んな人が...。というか教室に入ってみて周りの皆キャラが濃い人達ばかりだ。なんだこの教室...怖い、皆異質な雰囲気出してるのがほんとに怖い。
「まぁまぁ、喧嘩はお止めなさい。体力の無駄ですわよ?」
「あ?勝手に割り込んでくんじゃ───」
「それに、教室の皆さんの空気が悪くなってしまうじゃないの、お互い仲良く、ね?」
「は、はい...」
なんだ?さっきまで喧嘩していた二人が彼女と視線が会った瞬間急に大人しく...というか目の色が変わって...?
「貴方達も私の下にいらっしゃい?私を護ってちょうだい、ね?」
「はい!!一生貴方に着いていきます!!」
「仰せのままにぃ!!」
「お〜っほっほっほっ」
なになに何が起こったの!?今の一瞬で何があったの!?えっ怖っ!?さっきまで喧嘩してた二人が揃って彼女の下僕に!?
「あ〜、あんまり目は合わせない方がいいぜ」
「...あっ、平次君」
「早いな、朝は得意なタイプか」
「いやぁ、学園生活が楽しみだったもので...」
「そっか、まぁ真面目に越したことはないからな」
平次君も早くに学校に来ていたようだ。...と、それより...
「あの、あの人は一体...」
「あぁ、彼女は雨宮玲、全くもって強くはないんだが、相手を自分の下僕にして操る魔法を持ってる。...それ抜きにしてもあまり関わりたくはないな」
「そうなんですか?」
「...あいつらを見れば分かる」
「あいつら?」
平次君の視線の先を見てみると...
「雨宮様ぁぁぁぁぁあ!!」
「我々の心と身体は雨宮様と共にぃぃぃぃいい!!」
「仰せのままにぃぃぃぃいいい!!」
「うわぁ...」
「まぁ油断してなければ防御魔法で防げるんだがな」
...近寄らないでおこう。
「おはようございます、平次さん」
一人の女性がこちらにやってきた。とても美しい容姿で、さらっとした黄檗色のセミロングの髪が綺麗で特徴的である。剣を装備してるし、彼女も剣士なのかな?
「メイか、おはよう。相変わらず早いな」
「そういう平次さんこそ。...そちらの方は?」
「前に言ってた元無力者君だよ」
「あ、えっと、初めまして!!」
「初めまして、貴方が小林さんですね」
「え、あ、はい、そうです」
「私はメイ・キャロテルと申します。同じ剣使いの方と聞いてお会いしてみたかったんです。よろしくお願いしますね」
「ぅえっ!?そ、そんなこちらこそ...」
とても礼儀正しい人だ。というかお会いしてみたかったって、そんな言うほどの実力はなくて...
「ところで、堀井田は?」
「涼星さんならまだ見かけてませんね...まだ宿舎でしょうか」
「...まぁ遅刻しなけりゃいいんだが」
「堀井田さん...?」
「あぁ、俺らの組のもう一人だ、人数上俺らの組は三人だけだったんだ」
「三人で...」
「まぁあれ程度なら苦戦することはないさ」
なるほど、この人らは俊君と同等の強さは兼ね備えているんだ。...いやレベル高すぎでしょこの学園。
「それにしても...顔見知りの人が多いですから安心しますね」
「だな、案外この学園を希望してる奴多いんだよな」
「二人の知り合いが多いんですか?」
「はい、私達の町にいた人が数人いますね」
「さっきの雨宮だってそうだな」
「そうなんですね!!僕はここで会った人しか知らなくて...」
「そっか、じゃあ知ってる範囲でここにいる奴ら説明しとくか」
「あ、ありがとうございます!!」
正直多少は人のこと知っておかないと異質すぎて体力もたない...。それに同じ学園生とはいえ『独自魔法』を知っておかないと対戦時に苦戦しそうだし...。それに自分の『独自魔法』のヒントになりそうなこともあるかもしれない。
途中ではありますがここで区切ります。
理由はただ一つ、疲れたから。
それだけのこと...すみません。




