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その勇者、かつてはモブキャラ設定でした  作者: 蜜柑クロ松
第二章 闘技会
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第13話 独自魔法(1)

「えきしょう...てぃー...ぶぃー?あっ凄い、人が映ったり消えたり...あ、今度は綺麗な山の景色が...凄いなぁ、どんな魔法使ってるんだろ」

かれこれ一時間くらいこの店で時間を潰してしまっている。僕の村には無いような面白い物ばかりだ。人や景色を映す板型の機械や、人の声や楽器の演奏を発する箱型機械、自動で振動して歯を磨く道具や刃を動かして髪を切るような道具もある。僕が未熟で見えないだけかもしれないが、魔力が使われた形跡もない。一体これはどういった原理で動いているんだろう...。

「お爺ちゃんに見せたら驚くかな...」

そう思って買いたい気持ちもあるのだが...高い!!色んな道具を見てきたけど到底今の自分の所持金で手が出せない物ばかりだ...。僕もお金を稼がないといけないなぁ。学園の免除が多少あるとはいえ、このままでは生活に支障が出かねない。どうしようか...。


 ため息をつきつつ外に出てみると、向かいの店で人集りができていることに気づいた。確か向かいには武器屋があったよな...?

「納得いかねぇんだよなぁ!!俺達ぁノベルト第一学園の生徒様なんだぞぉ!?なんで魔石一つでこんな値段すんだよおかしいだろ!?」

「知りませんって!!当店はちゃんと適正価格で支払いをお願いします!!それができないんだったらお引き取りください!!」

「てめぇ未来の国兵様になんだその態度はぁ!!こっちの匙加減でお前を殺すことだってできるんだよこっちはよぉ!!」

「おいこの店燃やしちまおうぜ!!w未来の国兵様に偉そうにしたってことで店潰しちまおうぜ!!」

「なっ、や、やめてください!!」

うわぁ...うちの学園ってこんな奴らも受け入れてるのか...。いやいやこんなとこでぼーっとしてる場合じゃない!!止めないと!!

「あ、あの!!」

声を張り上げる。するとその集団はゆっくりとこちらに視線を向ける。

「た、例え学園生だからと言って何でもしていい訳ではありません!!ちゃんとお金は払いましょう...ね!?」

...

.....

少しの間、沈黙が広がった。なんか気まずいし怖い...。しばらくして、その集団はゆっくりこちらに向き直り、

「なんだおめぇ、急にしゃしゃり出てきやがって」

やだやだやだ怖い怖い、怒りのオーラ凄いこっちに向かってきてる。

「え、えぇっと、学園の信頼を損ないかねませんし、ほ、ほら、周りから凄い見られてますし...」

「知らねぇよ学園の信頼も周りの目も...つーか誰だお前?俺らに物言うってこたぁ相当腕があるんだよなぁ?」

「ぅえっ!?そ、そんな実力はないですけど...」

どうしようどうしよう、戦闘じゃ敵わないだろうしこの人数相手に勝つなんてほぼ無理に等しいし...。

「実力が無いことはないだろう、お前も学園生の一人のはずだ」

集団の中から声が聞こえた。声の元を辿ってみると───待って待ってやばい。何あの禍々しい魔力。何あれ。殺気とか入り混じってない?

「とぼけても無駄だ、迷宮攻略の件でお前の名はしっかりと聞いてるぞ、小林和真」

「え、小林...って、無力者のはずじゃ───」

「もう力に目覚めてんだこいつは」

わ〜お...もう相手に知られちゃってるじゃないですか。

「噂で聞いた事あるんだ...元無力者は力に目覚めた時、他の者より遥か及ばぬ力を持つってのをな...会ったら一度手合せ(タイマン)してみたかったんだよ...」

その言葉と同時に彼の右手に魔力が集中するのが分かった。まずい、これ絶対殺される!!───

(りん)!!危ねぇ!!」

彼の足元に数本の矢が刺さる。この矢、どっかで見たことが...

「ちっ、相手が悪い、ずらかるぞ」

そういうと集団は人混みの奥の方に消えていった。危なかった...誰かに助けられてなかったら今頃どうなっていたか...

「ったく、名声上がるからってもう調子乗り出すやつもいるのか...」

聞き覚えのある声が聞こえた。この声は...

「お、またお前か。怪我してねぇか?」

「平次君!!」

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