第12話 休日の朝
『独自魔法』
魔法を扱う者達は、数々の魔法を覚え、それらを扱う。得意不得意はあるが、全ての魔法は魔力を持てば皆平等に覚えることが可能となる。そしてそれは鍛錬すれば皆平等に力が磨かれる。それらとは別に、自分にしか使うことができない、自分だけの魔法を自身で作ることができる。それが『独自魔法』である。これは普通の魔法のように簡単にいくつも覚えることが困難である。が、自分の戦闘スタイルに合うような、また、他の者に無い特徴的な戦闘スタイルになるような魔法を扱えるようになる。基本的な魔法よりも相手に有利を取ることができるのである。
気持ちの良い朝日が眠い目を擦る自分を迎える。昨日の迷宮攻略での出来事を思い出し、興奮が抑えられないまま一睡もできずに僕は朝を迎えてしまった。幸い今日は学園が休みだったが、疲れが抜けていないのは少し辛いなぁ。
「...仕方ない、今日はゆっくり過ごそう...」
本当なら折角使えるようになった魔法をもっと研究してみたかったのだが、これだけ疲れていては集中力もすぐに切れるだろう。とすると何しようかなぁ...。そういえばここに来てからまだしっかりとこの町を見て回ったことなかったなぁ。何があるか見に行こう。そう思うと僕は朝ご飯を作り始める。
支度が整い外に出たところで、自分宛のポストに手紙が三通入っていることに気づいた。中に学園の紋章が写された手紙もあったので急いで確認することにした。
「まずは...」
最初に目に入った学園からの手紙、内容は明日からの学園での授業内容が直筆で書かれていた。戦術指南や魔法研究、武具技研究などの戦闘技術を磨く授業の他に、神話や伝記、数学などの知能強化の授業もあるようだ。
「...ん?」
気になる記述に目が止まった。魔法研究の授業内容の説明についてだ。
『貴方はこの時間を用いて自由に自身の魔法を研究してもらう。その間は学園外(王都外も可)に出てもらっても構わない。己の技術向上に励んでくれ』
これは...どういうことだ?魔法も講習がある訳ではないのか...?いやそれより、『貴方は──』ってことは、他の人は自分とはまた別の授業内容なのか?
「...とりあえず、実際に受けてみて考えよう」
全てに目を通し、僕は別の手紙を手に取る。送り主は───
「食堂『夢桜』?」
どうやらマレッダ学園の側で経営してる食堂らしい。マレッダ学園は...確かこのノベルト王都の北西、ノベルト第一学園から一番近い学園だ。中には一枚の割引券が入ってる。どうやら入学祝いのようだ。
「さてと最後は...」
これは...恐らく俊君からだろう。手紙、というより小さな紙切れに『17:00頃、藤島の宿舎に集合!!』と書かれていた。組で話し合うことがあったのかな?
「17時...ね」
それまではまだ時間もあるし、それまでは王都の辺りをぶらついてみようかな。
とある方に食堂の名前を提供してもらいました。ありがとうございます。




