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その勇者、かつてはモブキャラ設定でした  作者: 蜜柑クロ松
第一章 脱モブ
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第11話 期待の学園生活

「え〜諸君!!迷宮攻略ご苦労だった!!今回ミッションを達成した者もそうでない者も、いずれはこの迷宮の最下層に行けるところまでは鍛えてもらうからな!!だが焦ることは無い!!明日からの学園生活でまた各々の実力の向上に励んでくれ!!」

僕達がミッションクリアしてから数時間後、全ての組が戻ってきた。どうやらミッションクリアもできなかった組もあるらしい。もし俊君に誘われてなかったら僕もクリアできなかったどころか最悪死んでたかもしれないな...。

「え〜、本日はこれにて解散となる!!この後各組のリーダーは学園長室前まで来い!!学園長が今回の迷宮攻略のことについて話を聞きたいそうだ!!」

「げっ」

「あ〜...じゃあ頼むね俊」

「ちぇ〜さっさと宿舎戻ってゲームでもやりたかったのにぃ〜」

...ゲーム...ってなんだろう?

「それ以外の生徒はこれにて解散だ!!」

...と、ここまで言うと他の生徒達は自分達の向かう所へ歩いていく。

「じゃあ、私達先に宿舎に戻ってるね」

「おう。...和真はどうするん?」

「晩御飯の食材だけ買いに行こうかなと...。」

「あ、じゃあ私達の宿舎に食べに来なよ!!渚ちゃんの作る料理美味しいんだよ!!」

「えぇ!?い、いいんですか...?」

「わ、私は構わないけど...」

「いんじゃねぇーの?賑やかな方がいいっしょ」

「うんうん!!おいでよ!!」

「え...じ、じゃあ、お願いします...」

「よ〜し帰ろ〜」

「ん、じゃあまた宿舎でな」

まさか晩御飯までご一緒できるようになるとは...。昔の僕じゃ有り得ないなぁ...。僕は良い仲間に恵まれたようだ。───天の父さんは僕のことを見ているだろうか。僕はこの学園で何の問題もなく力を付けられそうです───。



───ノベルト第一学園 学園長室───


「え〜、君は藤島組のリーダーの藤島俊君...だったな」

「はい、そうです」

「まさか三英雄の一人である君がこの学園に入ってくれるとは、光栄だよ」

「いえいえそんな、過去の話ですし」

学園長がわざわざ話をされる...いったいどんなことを聞かれるのだろうか? 学園が仕切ってる訳だし、迷宮攻略の成績については恐らく学園長も把握はしていると思うのだが...。

「え〜、この度は迷宮攻略ご苦労じゃったな。と言っても三英雄である其方からしたら退屈だったであろう」

「いえいえ、面白いのも見れましたし、概ね満足してます」

「面白いもの...小林和真のことか?」

「はい、彼は他の生徒よりもかなり育てがいがありそうです。やはり無力者への期待は裏切られることはないですね」

「うむ。正直君が彼を拾ってくれて助かった。本来なら無力者の魔力解放は学園側が務めることじゃったのじゃがな。この件については学園代表として君に感謝しよう」

まぁ言うても体内に魔力流しただけやけどな。

「え〜それで、ここからが本題なのじゃが...実は来月の末...つまり今から六週間後くらいかの?学園で闘技会を開こうと思っておるのじゃ」

「闘技会...ですか」

「今回君達に迷宮攻略をしてもらった理由は己の実力の長所と短所を見つけてもらうことにあったのじゃ。それを確認し、今後の実力向上に生徒一人一人に合った授業や鍛錬を積んでもらおうと思っての」

「...そしてその途中経過の発表試合が闘技会...と、そういったところですか」

「そういうことじゃ」

なるほど...思ったよりも良い学園だったな。それぞれの課題点に合う練習メニューを考えてもらえるのか。その上ちゃんと実戦の機会も与えてもらえるなんてな...確かに人気な訳だ。

「という訳で...客観的に見て君達のパーティがどうだったかを教えてほしいというわけなんじゃ...」

「そうですね...俺と宇佐見、渚の三人は基本魔法や基本体術等は既に慣れているので、ここの場で『独自魔法(オリジナル)』の研究ができれば...と思います。小林については...まだ戦闘に慣れていないので色々未熟なところが多いですが、魔法陣知識や魔力量からして魔法の指南は必要ないでしょう。基本的な戦術等を教えてもらえれば後は俺らと同じく『独自魔法』の研究に進ませても良いかと...」

「ふむ...君だけでなく他の生徒も優秀なのじゃな」

「俺と宇佐見は既に実戦で使えるところまでは『独自魔法』を使いこなせます。渚も多少至らぬ所もありますが問題ないです。ただ恐らく小林はまだ『独自魔法』の存在すら知らないでしょう。一から覚えさせることになりそうです」

「そうじゃな...戦術については彼は学園が指導するが...魔力解放を一日かけずとも済ませてしまった点を見ると、恐らく魔法関連は君の方が詳しいのだろう」

いや、確かに詳しいけど、魔力流しただけです。

「え〜藤島君、こんなことをお願いしてすまないのだが、彼の『独自魔法』の指導を一任してもらえないかの?」

大丈夫かよノベルト第一学園...

「わ、分かりました」

「すまぬな、詳しい日程については明日配布することにしよう。明日は学園は休暇じゃから、明後日に備えておくれ」

「分かりました。...それでは失礼します」

重い体を引きずるように学園長室を出る。なんかまた面倒なことに巻き込まれたような...。いや、しかしこれはこれで育てがいがある彼の『独自魔法』を磨きあげる良い機会なのでは?パーティメンバーを完璧に仕上げる良い機会が回ってきたと捉えられるのではないか?ははっそう考えると楽しみだなぁ。学園生活も悪くなさそうだ。

この話をもって第一章は終了です。

第二章 闘技会に続きます。

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