第10話 ボス討伐(2)
馬鹿でかい大きさの『火炎球』...ぼ、僕陣式間違えたかな!?確かに僕が書いた陣式は『火炎球』のはず...
「ギィィァァァァァァァアアア!!!!」
左翼を痛めつけてくれたおかげで動きが鈍くなった鳥の魔物の右翼にぶつけることができた。しかしその威力は右翼破壊だけに収まらなかった。
「半身焦がす勢い...凄いな和真君...」
鳥の魔物は苦しみながら地面に落ちていく。下では罠を仕掛けていた俊君が待ち構えていた。
「うわっもう瀕死じゃん、『電磁罠』仕掛けるまでもなかったな」
そういうと彼は仕掛けていた罠を取り消して───
「和真...『煉獄球』でも使ったのか?」
と言いつつ『煉獄球』で左半身を燃やした。
「ガァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァァァ...」
「はい、焼き鳥の完成〜」
ボス級の大きさもあった鳥の魔物は、全身焼け焦げてしまった。
「はは...私達の援助ほぼ要らなかったね」
「いやいや、僕の魔法が当たったのは動きを止めてくださったおかげでして...」
「にしても魔力量でまさかとは思ったけど...あのデカさは正直目を疑ったよ...」
「術式結構覚えてたんだねぇ、まさか『煉獄球』まで使えるとはね、そりゃ46点も取れる訳だ」
「煉獄...って、多分私使えないんだけど...」
「...うん、私も...」
「か、『火炎球』のつもりだったんですが...」
「ん゛っ」
...三人とも凄い驚いた顔でこちらを見る。やっぱ俊君の言う『煉獄球』だったのかな...?
「...ほんとにやべぇもん拾っちゃったな俺」
「討伐した証拠って何持ってけばええんや?」
「頭か...羽なんじゃない?」
「羽だと...焦げてちゃ何の羽か分からんし、頭取ってくか」
「残った体はどうするの?」
「ん〜...あ、中まで火が通ってねぇな。魔石取ったら一旦焼いてみよう。食えるかもしれん」
え、この鳥食べれるの...?魔物って食べる習慣無かったから知らないけど食べられるもんなの?
「え、遠慮しときます...」
「まぁまぁそう言わず、たまに食えないのもあるけど大抵の魔物は焼いたら美味いからさ」
そう言うと俊君は魔石を取り出...うわ魔石デカっ見たことないよあんなの...。直径で30cmくらいあるじゃん...。そんなことは気にも止めず彼は鳥の腹の一部を切り取り焼き始める。普通に鶏肉を焼く感じで調理できるんだ?
ある程度焼いてみて、口に運ぶ俊君...
「お、美味ですな」
「マジで?ちょっと私にも頂戴」
「ほれ焼き加減もええ感じやろ?」
「...あ、ホントだ美味ぁい!!」
普通に魔物の肉食べてるよ...まぁ自分が食べてこなかっただけなんだけど...いやそれより、なんだあれ...。普通にシェアするじゃん。俊君と宇佐見さん普通にシェアするじゃん。ぼっちとは違うなぁ...。
「大丈夫よ、彼らにとっては普通のやり取り」
渚さんが遠い目で彼らを見てる...。普通...なんだな。その後人数分焼いてもらい、食べながら来た道を戻って行った。味はとても美味しかった。
───ノベルト第一学園 迷宮入り口前───
「流石だな藤島組、一番乗りだ」
「お、やったね」
まさかぼっちが一番乗りで帰って来れるとは...。チームを組んでくれた俊君達に感謝しないとね。
「じゃあ全ての組が戻ってくるまでここで待機だ」
「了解で〜す」
よく見ると先生達がざわざわしている。思ったよりも早かったのかな?それとも他の組に何かあったのだろうか。もしかして他の組の討伐対象が自分達の組よりも強いのかな?だとすると討伐できる自信が無いよ...
「あの感じ...やはり小林が魔力を解放できたようだな。」
「恐らく藤島の介入だろう、彼に詳しく話を聞かねばならんな」
「それより問題なのは彼の魔力...制御は覚えたようですが、迷宮外のこの地まで揺るがしたあの量、一度この目で魔法の威力を見てみたいですね」
「だな...どうしますか学園長」
「うむ...彼も今日初めて魔力を解放したのじゃ、まだ戦闘技術も制御も未熟、一度間を置いて鍛錬させようか。しばらくしたら闘技会を開こうか」
「その方針で行きましょうか...」
「さて...今後が楽しみですね」




