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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

僕。(処女作)

作者: ゆきもと。

※今作含む今後のゆきもと。の作品には、一部の方が苦手意識を持つことがありますので、閲覧の際にはお気を付けください。








記念すべき処女作なので、僕の話をしようと思います。




2001年1月生まれ。

現在17歳。


僕は昔から周りとは少し違う思考をしていて、小学生のころから「死ぬ」とは何なのかを考えてた。

死んだらどうなるのか、どこへ行くのか。

先生に聞いても僕を哀れんだ目で見て、誰も相手にしてくれなかった。

かわいそうな子、そう思われた。



中学生になって、ふとした僕の態度が気に入らなかったのかいじめが始まった。

そいつらは、僕の心の叫びも体の痛みもわからない悪魔。


「どうして僕なの」「怖い、死にたくない。」「殺さないで」

そう願う日々。

生きた心地がしない。

ここは生き地獄だ。


何度も死のうとした。

でも僕の大好きな母は、毎日僕のために働き、食事を作り、家事をして、僕に抱えきれないほどの愛情をくれる。

父も兄弟もいない、二人だけの生活。

もし僕が死んでしまったら、母はどうなってしまうのだろうか。

自分を責めて、母も死んでしまうのだろうか。

そう思ったら、母のために生きていこうと思えた。



そんなある日、いじめがエスカレートして、僕はガラスに頭をぶつけて、流血してしまった。

大量の血に驚くいじめっこたち。

人だかりはすぐにできて、大騒ぎになった。


薄れていく意識の中、僕は今までにないくらい興奮していた。

「僕の、血…」

地面にぽたぽたと落ちる僕の血はとても綺麗で美しかった。

初めて生きているんだ、と実感できた。




高校生になっていじめっこたちと離れ、普通に友達もできて平穏な毎日を

送れるようになった。

バイトも始め、稼いだお金はすべて母に渡し、生活にも余裕ができた。


バイトを始めて3か月ほど過ぎたころ、僕は生まれて初めて好きな人ができた。

その人は綺麗で、美しく、周りからも好かれている人気者。

こんな僕にも優しくしてくれた。

だんだん話すようになり、バイト先で一番の話し相手になった。

この時は本当に幸せで、バイトに行くのが楽しくて仕方がなかった。





ある日いつものようにバイトが終わり、携帯を見ると、母からの着信が入っていた。

「今日のご飯、なにがいい?」とか「新しい服かったよ!」と日ごろからくだらない電話ばかりしていたから不信感なんて何もなかった。

折り返し電話をかけると、母ではない人が電話に出て、

「お母さまが倒れました」

といった。僕は意味が分からなくて、その場にへたり込んでしまった。


その日、僕が病院に行くことはなく、ただ母が死んでしまうことだけを考えていた。

「僕のせいだ、僕のせいだ、僕のせいだ、…」

呪文のように一日中つぶやいていた。

次の日、ようやく病院に行くと、母はぴんぴんしていた。

「ごめんね、貧血で倒れただけだから…先生ったら大袈裟なんだもん(笑)」

ずっと緊張していた心が一気にほどけて、いじめられていたときにも堪えていた涙が溢れた。

いつも考えてた。

僕がいなくなったら母はどうなってしまうのだろうか。

でも、逆は考えてなかった。

安心とともに恐怖が襲った。



その日から、今まで以上に働き、母の休みを増やした。

母に十分なご飯を食べさせるために、理由をつけて食べないことが多くなった。

元々170センチで56キロと痩せ型だったが、1か月で45キロまで減った。

母のためとはいえ、体力も精神も限界だった。

食べていないことで少しのことでイライラしてしまう。

でも絶対に母の前では態度に出さなかった。


その結果、僕は大好きなはずのバイト先の子を傷つけることを考えた。

首を絞めたい、血が見たい、殴りたい、


そんなことばかり考えていたけど、そんなこともちろんできなくて、

リストカットに走った。


またあの時みたいに興奮したい、生きてると感じたかった。


やっぱり血は落ち着く。

僕は人間だ。血は僕を認めてくれる。


手首だけにとどまらず、腕や太ももも切るようになった。

切るたびに感じる痛みと快感、そして綺麗な血。

僕の居場所。


おかしいことなんてわかってる。

僕が醜いのもわかってる。

傷ついた体は誰が見ても痛々しいけど、それが僕。


でも世界に僕みたいな子、たくさんいるでしょ?


普通の人からしたら異常だろうけど、

僕は決してやめるつもりはないよ。

生きている限り、血に埋もれて生きていきたい。


今だって切りたくて仕方ない。




ほら、やっぱり綺麗だ。

ああ、床が汚れちゃった。


僕は異常だよ、誰かの首を絞めたいって思ってる。



でも少し周りと生き甲斐がずれてるだけ。


僕は人間。

君も人間。




















僕人間だよね?

君と同じ。



そうでしょ?


                           


__________________________________________________________




1.「僕。(処女作)」


読んでいただきありがとうございます。

初心者につき、誤字・脱字等ございましたら、申し訳ありません。



また、ゆきもと。は体調・精神状態が優れないことがあるので、

不定期投稿になってしまうことをお許しください。



今後ともゆきもと。をよろしくお願いいたします。




                             ゆきもと。


___________________________________



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― 新着の感想 ―
[良い点] 迫ってくるエグさに実体験っぽさを感じました。 [気になる点] 読者に最後の方で問いかけてこない方がたぶん、閉塞した重い私小説感が出たかと思います。 [一言] 死について割とみんなそれくらい…
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