雪が浜文化祭
「有麻音ー!そこのペンキとって!え?違う違う。そう、そっち。ありがとう」
明日は有麻音の通っている、雪が浜高校の文化祭がある。
今日はついに前日ということで、夜の7時までみっちりと皆で教室のデコレーションを行っているのだ。
クラス全員が初めての高校の文化祭を最高のものにしようと張り切っている。
女子も男子も、放課後の学校、ということでテンションの高さが異様だ。
「7時までには帰らなきゃならないんだから皆、ペースアップね!!」
有麻音が声を張り上げる。彼女は雪が浜文化祭の実行委員であった。
実は彼女自身中学時代は、あまり目立たず、友達と一緒にひっそりと看板作りをしているようなタイプだったが
高校にはいると中学時代の友達が一人もいなかったためか、それとも彼女のクールな雰囲気と見た目がそうさせたのかわからないが
文化祭委員の推薦投票で有麻音が票の半分以上を取ってしまったのである。
絶対これ、皆あたしのこと知らないからだな。くっ…コイツら知りもしない人にならいいと思って…!
有麻音はひとり大きく口を歪ませていた。目立つことは大嫌いだった。しかし、
こうなったらまっとうしてやろうじゃないの、この仕事!!そう思って今はヤケになり有麻音はイライラしながら仕事をしている。
「あーまーね!なぁにもそんなに気を張る必要はないわよ!皆たのしくやってるんだから!!」
そういったのは宮崎美央子。有麻音は出席番号が彼女の前だったためよく話していたが、
有麻音は楽天主義すぎる彼女が少し苦手だったりする。
でも、もっと憎たらしくてすぐ喧嘩をしてしまうのが、このクラスの男子、
藤堂あずまだった。
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