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四話

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これから投稿遅くなるかもしれませんが、よろしくお願いします。

[一か八か《Life or death》]

トランプ使い飲み習得可能。

スキル発動者はディーラー固定。

発動後は両者共に相手にさせたい事を言う、要求する。

勝負が決まる前までなら自分の要求を変える事ができる。

敗者は勝者に逆らう事は絶対にできない。

勝負中におかしな行為、危害を加える等などした場合負けとみなし、即要求を飲ませる。




☆★☆★☆




夜、村人は近くにいない。

盗賊共は騒ぎを聞きつけた俺だけを孤立させる作戦だったようだ。

まぁ代わりに俺の作戦に引っかかってくれたわけだが。


「おい嬢ちゃん?さっさと配れや」


ごついヤツが声を低くして言ってくる、怖くねーぞ。

ヒンズー、リフル、なんでもかんでも適当にシャッフルしてるように、見せる。

もちろんこの時点で俺の仕組みは終わってる、確実にブラックジャックになるようにするなんて今の俺にとっちゃ造作もない事だ。


「すみません、今配ります」


普通に、何もしてないように、自分に、四人に配る。

ディーラーなので俺は片方のカードを見せてやる、Jだ。

盗賊共の方はごついヤツは渋い顔をし、俺が欲しいとか言った変態はニヤついている

もう一人は眉を寄せ、悩んでいた、細いヤツは無表情、逆に俺の顔を見ていた、表情読み取ろうってか、この中で一番曲者かもな。


「一枚よこしな」


ごついヤツが一枚要求してきた、想定内である、コイツのカードは3と4、渡すカードは10、これで調子に乗ってくるか否か。


「俺も一枚だ」


眉を寄せてたヤツが言う、チッ参ったな、順番としてはごついヤツ、変態、細いヤツ、今一枚くれと言ったヤツだ。


「いや、順番が・・・」


「ルール上で順番について何か言ったか?」


反論してくる、ミスったな、もっと考えて言うべきだったか、控えてるカードは10、5、8、10だ

細い奴は13なので5を渡し18に、この眉ヤローは17なので8を渡しバストを狙う。

変態はKとJなのでもう引かないだろう。

という狙いだったのに・・・

ルールでは言っていないため、これについては反論も反撃もできない、ルールに縛られるってのは嫌なもんだな。


「どうぞ」


仕方なく俺は渡す事にした。

その次に細い奴に一枚、これでコイツは21というワケだ。

誰か一人がバストしても他は負けじゃないとは言ったが、その一人は負けに変わりは無い。

つまりこれで三人は消せる。


「もう一枚だ」


ごついヤツが言ってくる、よろしい、君はこれでバストだ。

あくまで俺は無表情、ポーカーフェイスには自信がある。

スッと一枚差しだし、渡す、そのカードを見た瞬間剣を引き抜くごついヤツ。


「オラァ!」


負けというのが分かって先に俺を殺してしまおうとかいう事なんだろう、けど、早まったな。

一応剣は避け、一歩引く。


「このッ!うぁッ!?」


追撃を加えようと俺に斬りかかろうとしたごついヤツだったが、剣の切っ先は自分の喉に向いていた。


「うわぁぁァ・・・ァ・・・」


自分で喉を切るという恐怖に叫びながら死んでいく、やっぱゲームと違ってドババッとは出ないんだな

いやそれなりに出血量は多いけどね。

ドサリと倒れるごついヤツ、他三人はその姿を見て、何も言わなかった。

仲間意識は無いのか?死んだんだぞ?


「おい、どうした嬢ちゃん。さっさと終わらせようぜ」


はよしろと俺に促す変態。分かったよ、終わらせようか、俺の勝利で。

けど細いヤツをどうするかだ・・・マスクを付けてるせいで表情も読めない、分かると言ったら目線だけだ。

その事は後で考えよう、先にもう二人潰すだけだ。


「では、いいですね」


変態はKとJを投げだす、おいコラ、人の物不躾に扱うんじゃねーよ。

眉ヤローは22とバスト、少し冷や汗をかいたが問題無かった、本当の問題は次だ。

細い奴はそっと、21になった三枚のトランプを置く。

俺は片方のトランプをひっくり返し、Aというのを見せる。


ルールとしてはここで眉と変態は自害で終了、ただし細い奴は21、リベンジは無しといったのでどうしようもない。

さて・・・どう対処したものか・・・。


「なッ21だとォ!?ふざけんな!仕組んだな!?イカサマだ!」


変態は激昂している、いやいや、そんな怒らなくてもいいじゃない。

バレなきゃあイカサマじゃあねえんだぜ・・・・・・・・・・・・・・・


「運が良かっただけです」


「なめやがって!」


変態はごついヤツと同様に剣を抜き斬りかかってくる・・・が、同じ様に切っ先が自分の喉に行き・・・

ザシュッ

ドサリ

さっきのごついヤツとは逆に無言で逝った変態、まぁ喉斬るんだし、声出せなくて普通・・・なのかな


「う・・・ぁ・・・」


「・・・」


死に様を見て眉ヤローは顔を恐怖に歪ませているが、細い奴は無言で見詰めていた、なんだコイツ、もしかしてこの中のダークホースだったり?いやだわぁ・・・


「いッ嫌だッ!死にたくないッ!」


眉ヤローは自分で喉に剣の切っ先を付きつけながら言う、傍から見たらただの頭がおかしいヤツだ

ザシュッ、ドサリ、三回目の斬る、倒れる音、こんなところに死体残したら子供達の教育上良くないな。

さて、さーて、問題児だ。


「・・・・・」


マスクを被ったまま無言を貫き通す細い奴、いや無言困るんだって、どうすべきか・・・

と、俺がどうしようかなと心の中で唸っている時、細い奴は自分と他の奴が使ったトランプを纏め、差しだしてきた。


「あ・・・ありがとう」


一応礼を言う、その後彼は死体を持ち上げようとしていた。

二人の死体を軽々と持ち上げ、最後にごついヤツを担ごうとしたみたいだが、体格差があったようで、無言で固まっていた、どう持つか考えているんだろう。

まぁ、ここに死体を放って行くのはこちらとしても困るので代わりに持ってやる事にした。


「よ・・・いしょっと、ここに放って行かれても困るからな、手伝うよ」


俺はごついヤツの死体を担ぎ、彼に言う。

無言で彼は頷くと、先導するように歩いて行った、結構足が速い。





そういや村人はどうなっただろうか、盗賊処理はこっちでしたから大丈夫だと思うけど・・・流石に俺を見捨てるのは酷いと思うんだ?




☆★☆★☆




意外と死体運びは辛かった。

死体の処理は全部彼に任せた、だって手際いいし、俺よくわからんし。


「これで、いいだろう」


「しゃ・・・喋っただとォ!?」


「・・・・・」


しまった!声に出た!


「お前が俺に対してどんなキャラ付けをしているかなんぞどうでもいいが、君はどうするつもりだ」


おお、案外声若いな、いくつだ?


「・・・聞いてるのか?」


「え?ああ、すまん、どうするってどういう事?」


「さっき連絡が来た、襲撃成功だと」


「は・・・?」


血の気が引いた、襲撃成功?何がだ?村か?襲撃したのは四人じゃなかったのか?

さっきまで人が死ぬ様を見たくせに何故か気が気でならない。

俺は思わず膝をついた。


「まぁ、落ち着け、詳しく話そう」




☆――――――――――☆




「・・・つまり貴方達四人は陽動だったと」


「そういう事だ」


どうやら俺は陽動四人に見事引っかかったようだ、引っ掛かっていなかったら今俺は死んでいるかもしれないけども、1対多数、しかも人間相手は流石に無理だ。

けどこの細い奴・・・。


「そんな事、俺に教えていいのか?」


「俺は別にあいつ等の仲間じゃない、ただの潜入だ」


は?潜入?どういうこっちゃ

腕を組んで小首を傾げる俺に金色に光るカードを見せてきた。


「王都のギルドカードだ、俺は依頼を受けて今ここにいるが、要件は済んだ」


「要件って、何だったんだ?」


「村長が持っている水晶だ、おそらく盗賊共の手に渡っている事だろう。俺は一度王都に帰り、報告する、そうしたら新しい依頼が舞い込んでくるだろう」


「陽動だったら村長に近づけないだろう?どうするつもりだったんだ?」


彼はハァとため息を付き、こちらを見、俺に向かって指を差した


「お前がブラックジャックをしようなんて言ってなかったら、とっとと村長の近くまで行って奪い取っていただろうな・・・」


ああ、俺のせいだったか、そりゃ申し訳ない。


「それで?俺にこれからどうするんだって聞いて来た理由は?」


彼はおもむろにマスクをはずし顔を晒す、やっぱ若いな、加えてイケメンときた、顔に恵まれてるってのはいいねぇ・・・


「簡単な話、一対三でゴブリンを軽く殺す程の実力、強くなりそうな気がしてってワケだ」


まさかあの戦闘を見られてたって感じか、観察眼とかもっと鍛えれないかな・・・


「それで、気がして何なんだ?」


もう片足踏み込んで聞いてみる、彼は真顔で俺にこう告げた。


「王都に来い、ギルドに入れ」




☆★☆★☆



トントントン、と三回ほどノックをし


「失礼します」


一言告げながら部屋に入る侍女


「ティシリア様、あの聖騎士がある女性を連れて来たのですが・・・」


ティシリアと呼ばれた女性は手に持っていた本をそっと机の上に置き、言った。


「・・・だからどうしたのですか、できるだけ彼の名前を出さないでください、ああ・・・頭痛で頭が痛い・・・

で?私に言うだけあって何かあるのでしょう?」


指で額を少し抑えたと思ったら、キリッとすぐ真面目な顔で言った。

結構切り替えは早い女性である。


「王都に入る許可と、ギルドに入れてやって欲しい、だそうです」


「なるほど・・・私はアイツにとっていい駒みたいね・・・一度思い知らせてあげるわ」


静かに怒りを唱えるティシリアに侍女は多少身震いしながらももう一言付け加えた。


「依頼の方は失敗したので水晶はおそらく盗賊にわたってしまっただそうです・・・」


「・・・明日、二人をここに呼びなさい、一度締めるわ」


ニッコリと、黒すぎる笑顔をしながら侍女に向かって言うティシリア。


「はっ、はいぃぃ・・・」


侍女はその恐ろしさに恐怖しながらも答える。

ティシリアは侍女が震えているのに気付き、慌てた様子で言った。


「あ、ご、ごめんなさい、少し大人気無かったわ、もう退いていいわよ、ありがとうね」


努めて、努めて優しく言うティシリア

侍女はそれに少し安心したようで、一度礼をした後、部屋を出て行った。


「はぁ・・・全く」


ティシリアは何となく、窓から見える外の景色を見て、この世界に来た時の事を思い出した。


初めて来た時は赤ん坊で、魔法、魔術に関しての名家に生まれたんだったんだっけ、なんとなしに魔法に憧れて、転生する時にもらった特典は、魔法全属性、魔術全種類、魔力UPに魔法攻撃力魔法防御力UPなんかもとったなぁ・・・、おかげで身体が弱くなってしまったんだけれども。

正直魔術はいらなかったかもしれない、この世界での魔法と魔術の違いは簡単に言うと才能か知識かって言う事だ。

魔法は才能が魔法使い、魔女、賢者、神官、司祭、召喚師etc・・・だった場合使えるのだ、そうじゃない場合は使える可能性が激低である、魔力さえあれば魔法を使えるのだが、いかんせん消費量が多い。

才能が無いにしても、上手く使えさえすればいいのだが、あまり才能無しで魔法使いを名乗る者は少ない。

けど私は色々特典を貰っちゃったせいで、魔力の多すぎて魔力測定機を粉砕、王都の中でも最高の名門学校に通い、飛び級しまくりだった。

ちなみにこの世界では7~9が小等部、10~13が中等部、14~19までが高等部だ

私は9歳の時点で高等部まで上り詰めたけど。

といっても現在私は22歳、王とまでは行かないけれども、ギルドの最高司令官と肩を並べ、国の政治に大きく係わっているような人間になってしまった。

才能は元々魔女だったけれど、今じゃ大魔法使いになってる、今の私は魔法使いとして最強と詠われている、最強というのはどうかと思ったけど、正直負ける気はしない。

いやー、現役で戦ってた時はブイブイ言わせてたなぁ、他の人が策を練って攻撃しようと思ってたところに『その必要は無いわ』って割り込んで魔法ドッカンドッカンぶっ放したし。


「ティシリア様ー、夕飯の準備が整いましたー」


侍女はノックもせずに軽い調子で部屋に入る

その様子を見てティシリアはハァとため息をつく


「分かったわ、すぐ行く、あとノックぐらいはしてから入りなさい」


あっ、という顔をして侍女は申し訳ありませんと一言謝礼の言葉を告げてから部屋を出て行った


「私以外にこの世界の転生者っているのかしら・・・」


その日の晩は眠れず、ティシリアは侍女に寝顔を見られるという失態をおかしたという。

ティシリアの「頭痛で頭が痛い」は狙って言ってるのであしからず

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