赤
赤
あかあかと、僕の心を占拠する。
それは例えば、パスタのミートソース。
ねっとりと白い食べ物に絡み合うさま。
そして立方体状のトマト。
しゃりしゃりと噛み潰せば、
みずみずしく、白い種が、飛び出す。
それは例えば、きみの赤いエナメルバック。
高貴な自己主張と、寄せ付けないさま。
そして、完熟しつつも黄緑の檸檬。
きみの白く細い手が、檸檬を赤いエナメルバックにしまい込む。
はち切れそうに、その瞬間が、オーバーラップする。
僕は今日、
夢を見た。
黄色い目を光らせた、一羽のカラスが、細い嘴で、赤い銀杏を啄むのだ。
そんな夢だ。