種売り屋
マエガキ?
何ソレ?
美味しいの?
―種はいらないかい?―
ある一人の男がそういった。私は思わずふりかえる。
「お嬢さん、種はいらないかい?」
男は手に持った瓶を楽しげにふり、くすくすと笑いながら私に尋ねた。
「種ですか・・・?」
私は男に聞き返した。男はクスクスと笑い頷く。
「そう、種さ。いろいろな種があるよ。不幸の種や哀しみの種なんかね。」
男は大袈裟に言う。
「幸福の種は無いのですか?」
私はそう聞いた。それを聞いて男はふぅっと一度ため息をついた。そしてつまらないと言うように首をふる。
「幸福の種は有りすぎるのさ。」
男はそう言って空中の何かを掴んだ。そしてゆっくりと手を開いた。男の手の中には小さな種があった。
「幸福の種はあちらこちらにあるのさ。ただそれを咲かすのも枯らすのも人次第。」
そう言って男は私の手の中に種を一粒置いた。
「これは記念にお嬢さんにあげよう。でも、この種を咲かすのも枯らすねもお嬢さん次第だけどね?」
男はクスクスと笑いながら人込みの中にきえていった。
私は手の中の種を見た。この種はどう咲くのだろう。私は種を見ながらそう思った。なんでだろう不思議と幸福な気分だ。
何か良いことあるといいね。
昔の自分。がんばれ。
取り合えず、植えてない何かの種を植えてみようと思います。
咲くと良いね。
自分はたぶん枯らすと思いますが。水のあげすぎで。
(θ空θ)<<以上。空加羅でしたー