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タマを捜した

 翌日、おれはタマを真面目に捜した。

 結果的にタマを見つけることができた。学園の外れの方にある林で生き倒れていた。誰かに襲われたかと思ったが、タマを襲う理由があるヤツは限られているし、そいつらが今タマを襲うとは考えられなかった。

 タマの事をつまみ上げる。

「ちょっとかわいそうよ」

「だって、死んでたら嫌じゃん」

 親指と人差し指でタマを嫌々掴んでいるおれを凜が非難するが、死んだネコを触るのは躊躇する。おれはネコの死体だけはダメだった。

 タマは死んでなかったけど。

 外傷もなさそうだ。

「寝てるだけだ」

「ホント?」

 凜に奪われた。タマを抱き締めて頬ずりしている。

 そう言えば凜はタマの事を可愛がっていた。かろうじて餌付けする関係くらいにはなったみたいだが、タマを見るとまだ凜を警戒している感じだった。

 おれの魂の一部と共有している凜ならきっとタマもいつか慣れるだろう、凜よ頑張れ。

 ひとの使い魔が他人に慣れる事があるのか知らないけど、応援はしよう。

 手助けはしないけど。

 面倒くさいから。

 凜に抱きかかえられたタマは起きる気配がなかった。衰弱もしていないから刺激をあたえたら起きるはずだ。

 しばらく凜にまかせて見たが一向に起きる気配がない。

「凜、手ぬるい」

「だって」

「ネコ好きなのは知っているがただ擦るだけじゃ起きないだろう」

「じゃあどうするのよ」

 おれはタマの額に右手を近づけた。

 びしっ。

 そしてデコピンした。

 勢いよくタマが凜の手から打ち飛ばされる。十メートルくらい飛んでいった。地面に当たって大車輪のように二,三回転して木にぶつかる。

「ぐぎゃあ」

 タマが覚醒した。


 ちなみに悲鳴は、凜に脇腹を蹴りつけられたおれが上げたものだった。

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