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天使の輪っか

 おれの関係者に手をだしたらどうなるのか、こいつは分かっているのかね。

 羽根を千切って焼き鳥にでもしてしまうか。

「うわっ!? なにすんだよ!」

 羽根をムンズと掴んだらバタバタ暴れ出してうっとしい。というか顔に羽根が当たってくすぐったい。

「うるさい。黙れ。ホンキで引き千切るぞ」

「……」

 根本を千切れても良い程度に力をいれると、天使が固まった。

「あ、あんた何者よ。あなんであたしのこと掴めるのよ。そんなやついるなんて聞いてないよ」

「ふん、自業自得だ。今度この場所で天使を見かけたら白い羽根を全部むしってカラスの羽根に替えてやると帰ったら他の天使に伝えておけ」

 そう言い捨てて天使の羽根から手を離す。

「それと、これをもらっておく」

 天使の光輪を掴んで無理矢理引っ張り取る。

「い、いやぁー! 何すんの!」

 取り返そうと襲いかかってくる天使を足蹴りする。

「去ね」

 オレは天使にデコピンすると、妙に頭の弱そうな天使が悲鳴を上げながら姿を消していく。

「キミは無茶苦茶だな」

「そんな褒めるなよ。照れるじゃないか」

「「褒めてない!!」」

 そうですか。

 輪っかをクルクル人差し指で回しながらふたりの方にいく。

「それどうするんだ」

 うーん。どうしよう。

「……こうする!」

 おれは天使の光輪を益田女史の頭に取り付けた。

「なぁ、なにを!」

 丸っと固定化する。

「ふぅ。これでもう天使に襲われる事はないはずだ。良かったね」

 ビシッ!

 殴られた。

「キミはバカか? 私は悪魔なんだぞ。こんなもの付けてたら体が浄化して消えてしまうじゃないか」

 真っ青になっている。

 でも大丈夫だ。

「おれがそんなことさせないから。そもそも苦しくないだろう?」

「……確かに、苦しくない」

「天使の輪っかをさっき悪魔バージョンにしといたから」

「なんなのそれ。いいなぁあたしも欲しいかも」

「凜にはあげられない」

「なんでよ。ずるい」

「凜に天使の輪っかをつけたら、強制的に天使になってしまうぞ。そしたらもうここにいられないぞ。天国に行くしかないぞ」

「そ、それは……」

「だからダメ」

「チッ」

 凜よ、女の子が舌打ちするのはどうかと思うよ。

「とにかく、これがあれば天使がいくらやってきても仲間と認識されるから傷付くことはないから。それに自分の意志で見えなくすることもできるよ。やってみ」

 益田女史が目をつぶってちょっとすると天使の輪っかが見えなくなる。

「見えなくても効力はあるから」

 これでタマが奪った指輪はしばらくなくても大丈夫だろう。だからあとはタマを捕まえて指輪を入手すればいい。益田女史も邪魔は控えてくれるだろう。

 たぶん。


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