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6-4 光った神殿と埋まった顔面

 ・・・どうやら。


どうやら俺は恐れられている気がする。


さっきから近づいてくるものは居ない。


しかも、知ってるメンツは人の壁の奥の方へ連れて行かれた。


俺の予想であいつらの行動を分析するなら、避難。


まるで、俺が危険人物のような。


ちなみに今、俺の周りを囲んでいるのは盾をもったゴツい人たちだ。


俺は、もしかすると恐れられているのかもしれない。


いや、確実に恐れられているな。


 どうやら・・・。


どうやら俺は敵と言う事になっている気がする。


こっちの予想にははっきりした根拠はない。


しかし、恐らく、もしかすると、まさか、俺は魔王と言う事になっているのか? この人たちの中では。


まあ、今は何もしてこない。


でも、俺は何をしたら良いんだ?


言葉が通じないのはさっき分かった。


動こうとしても、一歩動くたびに俺の周りの包囲網もあわせて動く。


俺はどうすればいいんだ?


まさかの兵糧攻めか?


寝たところをグサリか?


トイレに行きたくなったらどうする?


ヤベえ、よく考えたら相当危機的。


マズイ、まずい、不味いよ。


上を飛んでるドラゴンどうするよ。


きっと、かなり動揺してるよ。


ん? 山の上の神殿が前よりも新しい気がする。


神殿の扉が両方ついてる。


神殿の窓が割れてない。


神殿の上に時計台っぽいものが付いてる。


あと壁全体が綺麗。


ありゃ、あんなんだったっけ?


俺はもう一度しっかりと神殿を見た。


うん、やはり綺麗だ。


そう思ったとき、神殿がいきなり光りだした。


紫っぽい。


詳しく言うなら、赤5割、青4割、黒1割ぐらいの紫だ。


その光が徐々に強くなる。


そして、


「ドォオオオン!!」


と、音をたてて、軽い衝撃波的なものも出て、黒い雷は落ち、黒い雲は渦巻き、紫の光はあたりを埋め尽くすぐらい強くなり、扉から誰か出てきた。


紫の光を防ごうと、出した両腕の間から見えたのはどっかでみた黒いローブが出てくる姿。


扉は衝撃で吹っ飛んだので、扉のあった入り口から出てきたと言うべきか?


周りのマッチョたちもそっちに注目している。


人の大群の中から、いくつか叫び声が聞こえる。


その音を消すぐらいに大きな音をたてて、神殿のうえの時計っぽいものが付いている部分が落ちた。


と、神殿の様子を見ていると、急に後頭部に重くもやわらかい衝撃が走った。










 「何で私が!?」


「おい、声がでかいぞ」


こんなところでひそひそ話していて良いんだろうか。


「ともかく、あなたの力を使えば真実が分かるでしょ」


「そんな、無茶苦茶な」


無茶だ。


そんな危険な仕事を押し付けないで欲しい。


二人とも長い付き合いなんだから、もうちょっとわたしに思いやりと言うものを


「大丈夫じゃ、やつはさっきから攻撃してきておらん」


私は人垣を見る。


その先にその人が居るらしい。


そして・・・・・怖い。


「だからって無理。

あなたの金の柱を止める様なやつなんでしょ」


「ああ、止められたが攻撃はされなかった」


「大丈夫、私があなたを転移させれば間に合う」


でも。


そんなこと言われても怖い。


「お前しかおらんじゃろ」


「人の記憶を見たり変えたり出来るのは」


無茶苦茶だ。


「でも、あの人って、魔王かも知れないんでしょ?」


「だったら、魔王だった記憶を消しちゃえばいいじゃない」


「そうすれば、戦う理由もなくなるはずじゃ。

魔王じゃなくなるんじゃから」


「でも・・・・でも――!!」


ものすごい光があたりを包んだ。


しゃがんで話していた私たち3人はほぼ同時に立ち上がった。


そして、私は振り向く。


今まで何ともなかった、神殿の入り口の扉が吹き飛び、そこから黒いローブを来た男の人が出てきた。


「今じゃ、あいつも神殿を見ておる!」


「行ってきなさい!」


へ!?


私の肩に手が置かれた。


転移術者の手が。


転移術が始まる。


「うっ」


私は目をつぶった。


一瞬からだが浮いた気がした。


次の瞬間、私が居たのは空中。


目の前には、話しか聞いたことのない黒い髪。


私はその頭に体ごと突っ込んだ。







 



 ガツンと一発。


後頭部に一発。


その衝撃で俺は顔面から地面に見事なダイブ。


「いへええええええ!!」


俺の叫んだ「痛ぇーーーー」が地面の固い土に吸収される。


「ひやぁあっ!!」


何かしらの重みがかかっている背中の上から、ものすごい驚きの声。


立ち上がろうと地面に手を付いたときに、背中の上から第二声。


「ごめんなさい!!」


そして少し上げた頭の上に衝撃。


俺の顔は再度地面に埋まる。


「うぐ!!」


そして頭にぬるい水につけられるような感覚。


そして、なぜかものすごい力で押される。


ちょ、石が、石が鼻の骨に当たってるって!!


折れる!! 折れる!! 


ほんとにやばいってこれは!


く、ゲホッ、くちに、口に土が!!


やめ、止めろ!!


止めろーーーーーーーーー!!











 記憶。


指先から、手の平から伝わってくる記憶。


その記憶が私の頭の中に入ってくる。


・・・見たことのない場所。


灰色やしろや茶色の高い建物がいくつもある。


とても頑丈そう・・・


・・・名前、好きなもの、言葉。


言葉が違う??


この大陸のものじゃない・・・


もっと見たくなって、自然と手に力がこもる。


もしかしたら、外の大陸の人かもしれない。


そこには黒い髪の人が大勢居るのかもしれない。


そこは魔法がとても発達しているのかもしれない。


この人の言葉をいじれば、話ができるはず・・・。


 私は言語の記憶をそのまま変えた。


使った時間はほとんどゼロ。


そして私は目を開け、手を離した。

なんか進まない・・・。

今の所、6章はどのくらい続くのか分かりません。

まあ、書きたくなくなるまではずっと6章です。

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