5-8 闇竜戦闘つづき
そろそろ終わりか??
闇竜の口が開き、中で黒い炎が光り始める。
その塊が放たれると同時、私は闇竜の上に転移した。
ボウ、かバンッ、か分からない爆発音と共に、黒い塊が飛んでいく。
「ギュウゥウゥゥゥゥウゥアアァアアァァァア!!」
――――?
いきなりの轟音。
それが放たれた方向を探す。
目の前の闇竜はまだ、炎の球を放った直後だ。
まだ、動きは取れないだろう。
なら……
「ぶった切る!!!!」
すぐ上から、叫び声。
後には、金属同士が擦れ合う高い音。
落下しながら(転移をしたところで、重力は働く。今度アルに、金の足場でも作ってもらおうか)上を見ると、金の剣と、漆黒の爪がぶつかり合っていた。
いつの間にこんなに近くに来ていたんだろう。
戦いに相当集中していたようで、あっちの闇竜の尻尾が届くぐらい近くに来ていた。
こちらの闇竜が振り返る。
その目が見ているのは私ではなく、アル。
アルは今は動きが取れない。
闇竜が翼を動かすのと同時に私はアルのそばに転移した。
剣と爪が擦れる音が大きくなる。
闇竜は近づいてきている。
私はアルの体と剣に触れる。
「……ぐ、マアサ?」
呟くアルと剣を転移。
私もすぐにそこを離れる。
ガシッ、と鈍い音が響き、闇竜の叫び声が続く。
アルの剣が消えた事で、その剣に支えられていた爪が、近づいてきた闇竜の背を突く。
そして、闇竜の後ろに飛ばしたアルの大剣は、爪を立てた闇竜の背中に振り下ろされる。
キン、と高い音。
どうやら、傷は外したらしい。
やはり、四つ同時は難しい。
「ずれてるぞ、マアサ!」
「仕方ないでしょ、アル、あのままだったら血だらけよ!!」
「知るか!!」
「は~い。拡散弾行きま~す!!」
銃、銃弾転移。
その銃口から一つの弾が打ち出され、闇竜たちの間で爆発。
無数の小さな弾がはじけ飛ぶ。
あ~。
闇竜の鱗はやっぱり硬い。
闇竜の後ろでは、金色の塊。
アルが自分の体を金に変えたんだろう。
「便利なもんね。
傷一つ付いてないじゃない!!」
金色の顔が肌色に戻る。
「そんな弾じゃ、意味ないんじゃないか!!」
「こんどレイサに言っとくわ!!」
闇竜が動き出す。
やはり闇竜の鱗は硬い。
爪が突き刺さったところも、アルの剣で切った背中も、たいした傷になっていなかった。
このまま続けたら、いつ終わるのか。
早く終わらせたい。
終わらす。
闇竜の爪が迫り、ひとまず転移。
「アル、首輪を二つお願い!
出来るだけ重く」
「仕方ないの。
出来るまで、そっちで何とかしといてくれ」
「わかった」
アルのそばに転移、アルに触れる。
「飛ばすわよ」
「ああ」
その瞬間アルは消え、私の前には三つの目(とつぶれた目)。
ようは時間稼ぎ。
私なら余裕。
手の中には光線銃。
レイサの最新作。
使ってみないと。
迫る二頭の竜の後ろに転移。
銃を撃つ。
ん、いつもの反動がない。
いいわね。
狙うのは背中の傷。
アルとやってたほうの傷は大きい。
振り向くと同時に転移。
どの位かかるんだろうか。
サボってないわよね。
二つの雷球を火球とぶつけて相殺。
迫る炎帝の拳を回避。
その手に触れ、電流を流す。
「バンッ」
手の平に痛みが走る。
「あたたたた。
痺れるねぇ。
お前、素手で俺に触れて大丈夫か?」
「大丈夫だったら、良いんだけどね」
いいながらも雷球を二つ。
それを炎帝は上に飛び、かわした。
高さはゆうに俺の身長を越してる。
「人間じゃないな」
炎帝の着地に雷球を放つ。
「お前が言うか?」
炎帝はもう一度、今度はこちらに飛んで来た。
まさか、ここがこんな風になるなんて、信じられないな。
ここは、あの後どうなったんだろうか。
ボクより、年下のやつも大勢いた。
全員殺されてしまったんだろうか。
考えたくもない。
でも、考えるのから逃げてはいけない。
そう、あの人が言っていた。
ボクはあの後記憶を消されるはずだった。
馬車の中で何日もたって、たどり着いたところは海の近くだった気がする。
そこで、一人の少女に会った。
歳は同じぐらい。
真っ青な髪をしていた。
そこは、一つの屋敷だった。
屋敷の一部屋に、ボクは記憶を消されるために、彼女は記憶を消すために呼ばれた。
それはすぐに始められた。
ボクは彼女の前に出され、研究所の男が彼女に何か言った。
彼女は静かに頷き、真剣な表情で僕の前に立った。
しゃがむようにと合図を受ける。
ボクがしゃがむと、彼女もしゃがんで、手をボクの頭の上にのせた。
「黙って聞いてください」
彼女が目をつぶったまま言った。
周りには聞こえないぐらい小さな声で。
「私はあなたの記憶は消しません。
悪い記憶だとしても、あなたの生きてきた人生ですから。
あなたは、今までの事を背負って生きてください」
そして、手は離された。
男が、せわしく彼女にいくつか質問し、ボクは男たちに言われるまま馬車に戻った。
男の顔なんか覚えてない。
けど、彼女の言葉は覚えている。
悪い記憶でも、その人生はボクの物。
ここは大切なボクが生きた場所だから。
ああ、凄いね。
うん、頑張ってる、皆。
目の前には木の枝に張り付けられている闇竜さん。
防壁出たとたんにこれ。
「勇者さま。
あれは?」
マナが指差すのは、その竜に向かって、槍や剣や弓とかで頑張ってる人々。
おい、ヴァンパイアだった人たち混ざってるぞ。
白い獣っぽい物が見える。
だが闇竜は全く痛くない様子。
木の枝も、一本ずつ切ってる。
「あれが普通なんだ。
10m越えの怪物が突っ込んできたら、皆でちくちく攻撃するだろう。
っていうか、本気の闇竜を、ばっさりやっつける方がおかしい。
第一、神が誕生する前の、混沌を支配していた竜だぜ」
「そ、そうですね。
でも、意思を与えられたあの木も、もう限界っぽいですよ」
「よし、頑張ってもらう」
とりあえず、マナを掴んで飛ぶ。
あ、バンダナ取れた。
今日風つぇ~。
近くにいた少年が、俺に気づく。
「あっ!! 勇者様だ!!
勇者様が来てくれたぞ!!」
おいおい、俺有名人じゃん。
ずっと引きこもってたのに。
すでに50近いのに。
「うお~~~~~~!!」
「勇者様、万歳!!」
「ありがと~~~~~~~う!!」
「待ってたぜ~~~~~~!!」
色々嬉しい声援の中を、闇竜を目指して飛ぶ。
気持ちいいね。
ぎりぎり、動きを止められてる闇竜の顔の横に着地。
「マナ、やってくれ」
「へ? やってくれって、何を?」
「そいつ、言う事聞くようにして」
「は? 私、そんな事出来ましたっけ?」
「記憶操作で、私は勇者様の神聖なペットです、見たいな感じにすればいけるでしょ?」
「あ、はい」
マナが、闇竜の頭に手を当てる。
「ちょっとかかりますよ」
「オーケー。ビスタ!!」
間に合うかな?
テスト終わったー!!
やったー!!
イエーイ!!
サイコー!!
明日、テスト返しなんで、今のうちに開放感を。
質:俺内、質問受付部から、誤字の指摘を頂きました。
質:俺本部、ありがとうございます。(そしてスイマセン)
これからも、ゲーム感覚で誤字探しを!!
って、いいのか??