4-終 出発の朝
なぜだ?
・・・・・・・・・・・・・・なぜ?
なぜだ?
今俺は、大群率いて北を目指している。
先の方に見えるのは、山……だと信じたい物体。
いや、ここまでまがまがしいと、逆に山じゃない、といわれた方がましか?
どっちもどっちだな。
山の上の方は黒い雲の塊で覆われている。
あの中に魔王が居るのか~。
・・・・・・・・(ダラダラ)←冷や汗。
大丈夫なの?
生きて帰れるの、おれ?
俺、まだ高校生だよ、平均寿命は越えることを目標に、睡眠時間を最長まで延ばして生活してきた高校生だよ!
これからまだまだ遊ぶんだよ!
ってか、この世界から帰れるの?
・・・それは良いか。
この世界で遊べば良いし。
まあ、自分の信念と、将来の希望を考えても仕方ないな。
・・・・・・・なぜだ?
周りには、馬に乗った王様や、総括さん、セラ、アル(と普通の剣士さん)、ウィーディー、などなど。
取り合えず、今までの事を振り返ることにしよう。
「ふあ~~~~~~ぁあ」
城に着いたのは夜の真ん中あたり。
眠い。
ひたすら眠い。
あの馬車寝にくいし揺れるし、布団で育った俺に、高速振動する木の板はつらかった。
取り合えず睡眠をと、俺はふらつく足で城へ入った。
赤いカーペットの上で、王様と奇跡の再開を果たし、途端に質問のマシンガンを食らわされた俺。
「勇者は?」
「おっさんでした」
「どういうことだ?」
「来ませんでした」
「なぜだ?」
「それが、勇者が・・・(中略)」
とりあえず、勇者に言われた事を言ってみた。
「パプリカー侯爵か・・・。
あのバカ貴族がそんな物を持っていた――」
「あいつ!?!?!?!?」
「知っているのか」
「ん、まあ、紫40本の貸しを作っておいた」
「では行って来い!」
それから、俺たちは夜の街を行進することになる。
そして、ついた屋敷の前には変な男が一人。
「んげ!!!!」
「よお、確か約束があったな」
バカの顔が引きつる。
「それは前の章の話だろ、なんでこの章の最後になってまで・・・」
「いや、話が少し変わる。
紫40はいらん、俺に睡眠を・・・おっと、違う違う、俺にジャッグルホーりーの剣とやらを渡せ」
「ん、あの気前の良い商人の剣か?」
「詳しい事はしらん。
とにかく剣出せ」
「まあ、紫40で、お前が買い取ることにしてやろう」
変わんなくね?
まあ、いっか。
「なにせ、あの剣は赤1枚で買ったものだからな」
は?
そんなんでいいのか、ジャッグルホーリー。
可哀想だぞ。
「じゃあ、頼む。
とっとと出せ!
俺は帰って寝る!」
俺が話し終える前に、笑顔で走っていくバカ。
ナナレンジャーの1話の半分ぐらいの時間がたって、バカは帰って来た。
手には一本の剣が握られている。
柄から鞘まで、全てが白い。
ところどころに、金色の装飾がされており、柄の所には、何か文字が書かれている。
繊細ながらも力強く、美しい剣だ。
バカはそれを投げてきた。
「丁寧に扱えよ、なにせ、この俺が持っていた剣だからな。
まあ、俺にはそんなヒョロイ剣、必要なかったがな!
それに――」
「眠い。
よ~し、帰ろう」
「お、おい、待て、俺の話を聞け!」
「今度頼む」
「待て~」
と、バカは置き去りに、俺は聖剣を手に入れた。
う、重い。
こんなもん振れるのか?
まあ、俺は振らないがな。
俺は、これを届けたら防衛隊を降りよう。
そんな考えをしながら、俺は城へ歩いた。
なんか、黒い雲のある山の後ろが明るくなってきた気がするんだが。
そして、城に着いて、王様と面会したまでは記憶がある。
「ちょっと、アンナ、なんで俺がここに居るんだ?」
俺は横を歩くアンナに聞いてみた。
「あ~、簡単に言うと、王様が勝手に・・
「で、これがあれば魔王を倒せるんだな」
「・・・・(うとうと)」
こっくり。
「わかった。
で、これはお前がもつのか?」
ぐ~ぐ~・・・・こっくり。
「よし、出発は早くしたほうがいいだろう、魔王が力を取り戻す前に」
うつら、うつら・・・こっくり。
「では、今日でいいな」
こくっ。
「よ~し、出発じゃ~~~~~!
こちらには、今年の大会優勝者のジョーカーが居る。
彼の剣と共に魔王を倒そうではないか!!」
・・・・って、なってたよ」
「・・・・・・・・・。
俺帰るは」
「無理でしょ」
周りには、俺に期待の目を向けている、兵士、兵士、兵士、兵士・・・・・・。
「はぁ。
これから死ぬかもしれないって空気じゃないな」
まあそんな事だろうとは思っていた。
なんか、皆そんな態度だったし。あの後。
「いやあ、昇進したね、無理矢理。ジョーカー君。
単なる不法侵入者が二代目勇者になるなんて」
おい、セラ、なんの乗り気だ?
俺、二代目勇者なのか?
まあ、今から魔王を倒しに行くんだもんな。聖剣もって、鎧まで着せられて。
体が重い。
50m走、20秒ぐらいかかるな。
歩くだけで息が上がる。
死ぬ。
「あ、こっちに居るのはレイサとマアサ」
セラは、出発前の控え室とやらの端で座る、二人の少女を指差した。
「二人とも、強いからちょっかいかけない方がいいよ」
こいつ、やたら明るいな。
これから、魔王と戦うんだよな?
「もうすぐ、始まるね」
ん?
真面目になった?
「ああ、何で俺がこんな世界のためにこんなことやってんのか?」
「意味はいらない、意味は後からついてくる。
この言葉、知ってる?知らない?」
「知らない」
「やっぱり。
これは、僕が昔居たところでのことなんだけどね・・・・・」
「しゅっぱーつ!!」
んなこともあったし。
はあ。
どうなるんだ、俺?
っていうか、徹夜だし。
はぁ。
そんな具合で、俺の、意味分からん、複雑な心境な旅は続く。
・・・・・・・・続いて欲しくないなぁ。
あ、きつ。
体育大会の練習きついです。
三点倒立で首いて~!!
はぁ?明日も体育2時間あるの?
えっと、今日は疲れながらも書きました。
言い訳して、いいわけです!
質:最終章って?
応:魔王と戦って終わります。
取り合えず、出来る限りがんばるんで、暇で暇で死にそうで、何が何でも、何かしたいかたとか、読んで下さったら嬉しいです。