3-13 魔王「魔王のま~は、マスターグレイドの、ま~♪」
んで、俺はビオッチャ本部へ行く事になった。
今、俺はこの世界の馬車に乗っている。
なんともすがすがしい、二本の角を付けた、青い馬が2頭。
馬車の中には俺、アンナ、ベル、キャンド、デグリアの4人。
いやぁ、あのおっきな部屋に呼ばれて、盗賊団を潰せって言われたときは、正直だるいと思ったがそうでもないな、うん。
「ここは、中央より少し南でしょ」(もう省いて大丈夫だよね、気にしてないよね)
今馬車の中は地理の授業中だ。
なぜこんな事になったかというと・・・・・
チャララン♪
馬車での旅が始まり、俺様は4人に囲まれ楽しく会話をしていた。
「いつ来たの?」
その言葉が出たのはかれこれ1時間ほど前になるだろうか。
「この前、だからこの世界のことはあんまり知らなくて」
俺様のさわやかな発言に4人が飛びつく。
「じゃあ、教えようか?」
チャララン♪
っと、言うわけだ。
「聞いてる?」
ん、少し回想に夢中になりすぎた。
「うん、聞いてる。山奥でのソーセージの炒め方の話だったよね」
「いや、違いすぎるでしょ~」
「大陸の広さ」
「なんか凄い」
「だから、この大陸の広さが、約700万ノラセーリだって事。
ここの王国が150ノセラーリで、北の山のフィリティーが250ノセラーリ。
東の砂漠のザードランドブルが150ノセラーリで、西の海岸のシースイタースが120ノセラーリ。
残りは小さい国がいくつかあるだけ。
分かった?」
「うん。
フィリティーが大きいと」
「そう、でも山ばっかだから実際に使える土地は半分も無いかな」
「大変だなぁ」
「で、次が・・・」
ガンッ!!
怪しい音がして、馬車が揺れた。
「魔物」
「防衛隊に突っ込んでくるなんて、度胸あるわね」
ガン!!
馬車が倒れた。
「痛った~い」
「きゃっ」
ガン!!
馬車がさらに揺れる。
「もういいわ、ボコボコにしてやる」
とアンナが言う。
って、おい、止めろアンナ!
ザクッ!!
倒れていた馬車の天井の部分をアンナが剣できった。
その隙間から駆け出すアンナ。
おいおい、どうすんだよ、この馬車。
『馬は魔物にやられたじゃろうから、問題ない』
あ、そっか。
ガンッ!
馬車がまた大きく揺れた。
はあ、みんな出て行っちゃったし、俺も行くか。
そして隙間から出ると、4人がいた。
そして周りには熊みたいなやつが8匹。
『よし、エクシステンスデリートじゃ。熊なら良いじゃろ』
分かった。
「エクシステンスデリート」
俺の目の前にビー玉大の黒い球が現れる。
なんか、中でバチバチ言ってる気がするがまあ、問題ないだろ。
するとおそいかかろうとしていた熊たちが怯んだ。
熊たちが逃げ始める。
え、何で?
そして、テニスボール位になった時、その球が飛んでいった。
黒い球は逃げ出している熊に当たり、
その球が一気に広がり、熊を包み、
それが一気に縮んで、
消えた。
後には何も残っていない。
まるで最初から熊がいなかった様に。
他の熊はもう森の奥へと行ってしまっていた。
周りの4にんは・・・・・・・
・・・・・・・・・。
「なんでそんなに離れんの?」
「いや、なんとなく」
「なんか気分的に~」
「安全距離」
「なんか凄いです」
後ろの馬車の馬は消え、おまけに馬車の前に座ってた人までいない。
「はなし変わるけどさ、場所、分かるの?」
「ん・・・・多分」
「ていうか、5人で盗賊団潰せって辺りからおかしいんじゃないか」
「いや、あんたが一人で行っても大丈夫でしょ」
「ん、でも」
「いや、さっきの連発しとけばいけるよ~」
「暗黒魔法」
あ、さっきのが。
魔王が使ってたっていう暗黒魔法ってやつ。
ん?
ソウ?
なぜに?
『精霊に寿命は無いのじゃ。
長年生きてると、そういう知識も入ってくるもんでな』
あ、そなの。
「ほら、今日の飯だ」
城の牢屋で食べ物を配る。
「なんで防衛隊がこんな事するんだ」
彼は、カルフに誘われて、仕事をサボり遊んでいた防衛隊だ。
その罰として、最近は大量に雑用が回ってくる。
「ほら」
そう言って牢屋の下に開けられた小さな隙間からパンと水を入れる。
その牢屋には、最近入ってきた金髪の少女がいた。
なんで入ってきたのか彼は知らない。
「糖分が少ないです」
金髪の少女はわけも分からぬ事を言い出した。
「囚人は黙って食べろ」
「出されないのならば自分で探しますよ」
何とも、気持ちがこもっていない言葉だ。
その言葉に、お好きにどうぞ、と一言返して次の牢屋に食べ物を配る。
次の牢屋に飯を入れた時、後ろから轟音が響く。
地下牢の端まで届くほどの音だ。
急いで戻ると、金髪の少女は消え、地下牢の天井が壊されていた。
「武器は回収した・・・・・・・よなぁ」
尻すぼみなつぶやきに答える者はいない。
その防衛隊が報告する事を思い出したのは少し経ってからだった。
「腹減った」
「減った~」
「減った・・」
「減りました」
「空腹」
さっきから、川に沿ってずっと歩いている。
頭の上にあった太陽は結構下がってきているし。
真っ赤な夕焼けが川の水を美しく照らしているが、そんなもんじゃ腹の減りは収まらん。
あたりを見ても木の実や食べられそうな草は見つからない、(というか分からん、へるぷー!へるぴみ~~~!!)
景色は変わらず、目の前に見えるのは木だけ。
はぁ、もう帰りたいよ。
ママァン!!
なんてことがずっと続き、太陽が木の天辺に付くころ、ベルが待ちに待った言葉を言ってくれた。
「洞窟」
よし、入ろう。
~~~~~ (何だお前は子供が入って来るんじゃねえ、オリャア!!、う、グハッ!!な、なんだと、うわーーーー!!!) ~~~~~~~~~~
「ふ、もう手遅れさ。今日の日没に魔王が復活する。てめえらは負けたん、グハッ」
取り合えず、捕まえた盗賊団Aを殴っといた。
「やめろ、聞かれたことは話しただろ」
ああ、聞いた。
魔王復活の仕事を引き受けてたんだろ、それで色々やったんだろ。
んなことは分かった。
だから食いもんをよこしやがれ。
『主人の欲求不満状態は危ないのう』
「食いもんはないのか」
「無いな、グハッ!」
蹴りを一発。
「んで、こういう時に防衛隊はどうするんだ?」
「捕まえて、牢屋に突っ込む。
事情が分かった後、罰を受ける」
「分かっ
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
った、って、今の何?」
どうやら洞窟の外から音が。
よし、見に行こう。
洞窟を出ると陽はもう沈んでいた。
その闇に一寸の光。
北の山のほうへ、天から紫色の光が落ちている。
「な、なにあれ」
「なんか、怖い」
その光の柱から流れでる黒い雲。
その雲が、山を一つ飲み込むのを俺たちは呆然と見ていた。
肌で感じる。
何か冷たい、黒い波動。
あの中心には何かがある。
そう直感で分かる。
闇で包まれた、あの山に。
「ふふふはははは、お前たちは、みすみすと魔王の復活を見過ごしていた様だな」
いつの間にか出てきた盗賊の1人がナイフで切りかかってくる。
しかしその手はアンナの剣で体から切り離された。
続いて首の付け根に一閃。
男はその場に倒れた。
紫色のその光は少しして消えた。
しかし、この不気味な感じは消えない。
「魔王・・・・」
おい、ソウ、勝手にしゃべるな。
『だから、我は何もやっていない』
はぁ?だったら誰が・・・・・ああ、俺か?
俺は無意識の内に言っていた、らしい。
「あの光は何でしょう、お父様」
「・・・・・魔王だ」
「ま、魔王?」
「とうとう封印が解かれたんだ」
「まさか、本当に復活するとはね」
「おばあ様」
「今度こそ、この大陸は危ないかもしれないねえ」
「そんな・・・・」
「すぐに4大大国会議を開かなければ。準備に取り掛かる」
お父様は部屋を出て行ってしまった。
部屋の窓から見えるのは黒い雲に覆われた山。
(本当に、どうなってしまうのでしょう)
幼い彼女にはなにも分からなかった。
砂漠の大富豪の家。
短い金髪の少女にはまだ届かないぐらいの女の子が黄金に光る椅子に座っている。
「また、戦いが始まるな。
めしつかい1号、出かけるぞ」
「お姫様、その呼び方は止めてくれません。
あと、なんで「お姫様」なんですか。
あんた一般人でしょ」
「ふっ、召使の分際で何を言う」
(・・・無理やり召使いにされた気がする。
でも、給料いいから良いや・・・)
「なにも言ってないです」
山のふもとの国境沿い。
「勇者さま、魔王が復活しましたよ」
「ん、だるい、誰かがやってくれる・・・・・はず」
「変わりませんね」
「うん、それと、後3日で客が来るから」
「なんで分かるんですか?」
「うん、勇者だから」
「・・・記憶を見たい」
昔は勇者をやっていた男も、もうおっさんと呼ばれる年齢にたっしていた。
魔王が復活しちゃったよ、どうしよう、逃げなきゃ。
では、サッサッサッサッサッサ。
質:魔王の特徴を・・・・って、回答者はどこだ!?
(昨日は、漢検と塾で疲れて、とっとと寝ました。
まあ、今年受験を向かえる身として・・・・・あれ、俺もうそんな歳?
やっべー、俺の心は10歳の秋に置いてきたから忘れるとこだった。
ってことで、これから更新頻度が下がる・・・・はず。
っというか、下げなきゃ。
勉強しなきゃ。
うん。頑張ろう。