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3-8 ナナレンジャーの正体

「ありがとうございました」


今、俺は王国の王様に頭を下げられている。


ここは、さっきの部屋より1つ上の階の王女様専用のお部屋。

さすが王女の部屋で、色々と高そうな物がちらほら。


「いえ、たまたまというか、偶然というか、悪魔のささやきが聞こえたというか」


「ありがとうございました」


次に頭を下げたのは、王女のサフィー。


その横には青いウサギが座っている。


「それと、謝らなければならん事がある」


王様は頭を上げ、けわしい顔で話し始めた。


「実は、あなたを召喚したのはサフィーなのじゃ」


「あ、別にいいです」


「そのことについて、1つ謝礼とお礼を・・へ、何か言いまし――――」


「いえ!是非お願いします!」

こんなチャンスをみすみす見逃すような俺じゃない。


「そうですか。

では、王城防衛隊に入って貰いたい」


「・・・」


王女の部屋に沈黙が3つほど流れる。


は?


いったい、どこら辺がお礼なんだ?

お礼要素がどこにも見あたらないぞ?


「そっ、それは良いですね、お父様」


「ああ、そうだろう、サフィーなんていったって、とても名誉な事だからな」


「そうですね、それに、給料も良いですし」


「・・・・・・・・・」


「それに、城の横の寮で、三食と希望者にはデザートがでるし・・・」


「そうですね。それに・・・お父様の護衛の仕事が出来ますし・・・」


冷め切ってる俺の方をちらちら見ながら、2人は必死だ。


「いえ、いいです」


「そうか、入ってもいいか。

それは良かった。

じゃあ、頼むよ。

夕飯は、1階の食堂で用意させてるからな。

今日は城に泊まっていくと良い」


いきなり立ち上がり、部屋から逃げていく王様。


おい!

なんなんだこれ!

訳分からんぞ!


部屋に俺とサフィー残される。


「あの、ほんとにすいません。

勝手に呼んでおいて、兵士やれなんて」


サフィーはベットに座って話し始めた。


「お父様に悪気はないんです。

ただ、私が安全にすごせるようにと思ってくれてるだけなんです」


ああ、よく聞くあれね。


父親はみんなこうなのかね。


「そのために、夜のお城は防衛隊だらけで」


ああ、体験した。


「どうか、お父様を殺したりしないで下さい」


前にも言われたような気が。


って、はぁ?


それを言う事が失礼だとは思わないのか。


あきれて目をそらした先には、真っ二つになった丸い石の板が。


・・・・あれ?


あれって、俺の脱出の時に使った石盤じゃね?

なんか、割れてね?


「はは、はっはははは・・そんなことしないよ。

じゃあ、俺は夕食に行くよ」











ジョーカーさんは行ってしまった。


「お父様を殺したりしないで下さい」


頭の中で自分の言葉を繰り返す。

本当にあんな事を言ってよかったんだろうか。


確かに、その可能性はある。


いきなり召喚されて、牢屋に入れられて、いなくなったと思ったら帰ってきた。


復讐に来たのかもしれない。


それに、嫌がっているのを勝手に兵士にするとか言って。

本当に勝ってだ。


「お父様にも困っちゃうよね」


サフィーは精霊を撫でながら言った。


セナスノウはキューイと鳴いて、サフィーの指をなめた。











部屋から出た俺は食堂へと向かった。


そこで俺は周りの10倍は豪華な夕食を食べきれず残し、久々の風呂へと向かった。


くそっ!ケーキみたいなやつを食べずに残して置いたのに。

食べ切れなかった!


次は絶対に最初に食べてやる。

母さんの言いつけなんか守らないぞ!


んで、さすが城!


水だったが風呂があった。


シャンプーなどなしのただの水の入ったデカイ桶で、ここの世界には体を洗うという概念がないのかと心配したが、その必要はなかった。


風呂上りに男の人が3人出てきて、魔法で服ごときれいにしてもらった。


この城の待遇は驚くほど良いが、しかしそれも俺を防衛隊に入れるためなんだろう。


時々見た兵士の、扱いの雑さでよく分かる。


んで、今俺は自分の部屋へと向かっている。


案内してくれているのは50ぐらいのやさしそうなおばさんだ。


元の世界では、人気の割りに見れなかったメイド服が似合っているあたりから、相当のベテランだろう。


「大会の優勝者は、いつも王城の専属防衛隊になるんですよ。

相当、人気があるんですね」


いや、違う。

それは違うぞ。


「去年の優勝者は、魔王を復活させるとか言って出て行っちゃいましたけど」


あいつ、何やってんだ、ヴァロルシアス?

しかも懲りずに今年も来て。


・・そういえば、魔王を復活させる何とかが在るとか言ってたっけ。


「それに、皆さん最上級の部屋に案内されるのに、毎年ふつうの寮でいいと言ってるらしいですね」


はぁ。


ありがたい言葉、なのか?

俺のこれからの流れが見える。


「あ、そうそう、この大会の初代の優勝者はあの勇者様なんですよ。

その後、行方をくらませたとか」


階段を10回ぐらい上ったとき、メイドのおばさんは廊下の方へ歩き出した。


その上にも階段は繋がっている。

こんなに広いのに、よく決まった部屋が見つけられるもんだ。


俺なら迷子確定だな、うん。


そっからさらに廊下を3回ぐらい曲がったところでメイドのおばさんは止まった。


「ここがあなたのお部屋です。

ゆっくりと休んでください」












んな!


静けさと暗闇が渦巻き支配する空間。


窓から流れてくる生暖かい空気。


星の明かりが、照らす部屋の一角。


そして、襲い来る尿意。


あわあわあわあわ・・・


ヤッッッッッベーーーーーーーー!!


トイレ行きたい。


マジで行きたい。


クソ、夕食の時、クッシュの果汁ジュース飲みすぎた。


こんな事ならあのケーキを食べておいたのに。


クソ、クソ、クソ。


トイレの位置とか聞いてないって!


・・・・・・。


はぁ~。


俺は何事もなく眠りに付き、何事もなくたこ焼きがブレイクダンスをする夢をみたのだが、大技が披露される前に尿意によって起こされた。


結果、俺はみんなが寝ている巨大な城で1人ぼっちで、トイレに行きたいという悲劇的な状況に陥っている。


問題点としては、トイレの位置が分からん。

一人でこの城をうろつくのは怖い。

たこ焼きの大技を見てない、ぐらいだろう。


1つ目の問題点で絶望的なのに、さらに2つの問題だべ。


泣きっ面にあるてぃめっとばずーかに七色ビームだべ。


あるてぃめっとばずーか;アルティメットなバズーカ。

七色ビーム;七色戦隊、ナナレンジャーの最終奥義。

それと、ナナレンジャーのメンバーは・・・・


っと、話が脱線した。


ナナレンジャーの123話、ナナイロマシンの「ワープ失敗」の時ぐらいに脱線した。


んで、そっから尿意はどんどん強くなっていき、俺はこの部屋から旅立つ事に決めた。


「とりあえず、一階かな?」










ん?


なんだ、この扉?


えっと、目の前にはデカイ扉。


なんだ、トイレじゃないのか。


俺は、誰かに会いますようにと階段を恐る恐る降りてここまで来た。


窓から見える眺めからして、1階まで来たんだろう。


適当に廊下をうろうろしてると、扉が現れちゃったというこの状況。


トイレじゃないならいっか、と思い歩き出すが2歩進んで踏みとどまる。


出口なら。

もし出口なら外でやるという手段があるのではないか、と。


そして俺は破裂しそうな膀胱を押さえながら、その扉を開けた。


予想より軽かった扉を開くと中から叫び声が。


「だ、誰じゃ!?」


「うおっ!」


ミスッた。


ビックリしすぎて声(+α)が少しもれてしまった。

そこに居たのは王女誘拐の前の、部屋に居た気がする、髭を伸ばしたおじいさんだった。












部屋には、ろうそくの明かりが点々と光っている。

本棚が並び、大きさは学校の図書館2つ分ぐらいだ。


「それが、魔王じゃ」


「そ、そっすか」


いや~、そんなにばっちり断言されても。

第一、聞いてないし。


えぇっと、事の始まりは、ナナレンジャーの1話分ぐらいさかのぼる。


ちなみに、21分だ。

CM込みで21分だ。

深夜3時49分から4時10分までだ。


テレビ番組がないときは、何を放送してるのかとテレビを着けたのが始まり・・・・


・・・へ?しつこい?も~、せっかちは困るわぁ~。


てなわけで、部屋に入ってすぐに椅子に座らされて、話を聞かされることになった。


それは爺さんの謝る姿から始まり・・・・・・・☆回想スタート☆


「すまなかった。昼はカルフがいきなり変な事を。

あいつは、何も考えてないバカ息子でして。

黒髪を隠すためのバンダナだとは想像がつかなかったらしく。

ほんとにすまなまった。

あいつは、魔王のお気に入りですわ」


「魔王のお気に入り?」


「あ、あなたの居るところでは使わない言葉ですかな。

悪さばっかりするやつの事を言う言葉でして」


「魔王ってなんですか?」


「え、はぁ。

だいぶ遠くからおいでのようで。

魔王は今から150年ほど前に現れた、悪の魔術師で50年ほど世界を恐怖に陥れたのですが」


「ですが?」


「100年ほど前に、いきなり現れた勇者と人類の最後の希望と謳われた、9人の英雄によって封印されたのです」


☆以下省略☆


そっからは、魔王の使った魔法や、容姿、英雄たちの話、などなど意味のない話がだらだらと・・


「それが魔王じゃ」


「そ、そっすか。・・・・あの、トイレの場所教えて下さい」


「図書館を出て真っ直ぐじゃ」


「ありがとうございます」


こうして、俺の城内探検は終わった・・・はず。

いやぁ、道がすいてて書く時間が出来ちゃったわ。

そろそろ折り返し地点・・・・の予定。

ここで、意味もなく質疑応答コーナーを勝手に作ります。

質;質疑応答コーナーってなんすか?

応;本編で書き忘れてたり、自分で話を読んでみて、矛盾があれば言い訳するためのコーナーです。ノリ、というか気まぐれ、まあ、作りたくなったから作ったもんです。

どんどん無視してオッケーです。

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