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1-3 城内大鬼ごっこ

「ふ~~」

作業を始めて・・・10分ぐらいか?

まあ時間なんて関係ない。

俺はやり遂げた。檻の鉄(だと思われる金属)でできた鍵を溶かし切った。


ハッハッハッハッハ!!甘かったな槍A、B!この俺を閉じ込めるなんぞ100万光年早いわ~~~!(注意;光年は距離、長さの単位です。)格の違いを思い知ったか!


頬に鳥の刺青をした囚人がこちらを見て何か叫んでいる。

ん?石盤のような物を投げてきた。これをやるから出せってか?

まあ出してやってもいいかな。

しかし、そんなことをしてられなくなってしまった。


この地下牢は1本の廊下の両側に並んでいる。

廊下の右側から階段を下りる音。


コツコツコツコツ・・・


眠気を振り切って廊下を左側へ駆け出す。


あちらはこちらの足音に気づいたらしい。あわてて走り始めたようだ。


フフフ、馬鹿だな声を上げて周りに知らせないとは。


今俺の脱走を知る者は、後ろのやつ、正面の牢にいた囚人の人、以上だ。

後ろのやつ一人に追いつかれない自信なら有る。

つまりこのまま誰にも見つからず出口を見つければいい。


俺に今最も大切なこと、それは見つからない事


ドスッ


何だ?このやわらかい壁は?











早く助けに行かなくちゃ!


地下牢の位置を記憶を頼りに探す。


私のせいであの人が殺されるなんて絶対にダメ!


あった。この階段だ。


蒼い髪を腰まで伸ばした少女と、その少女のウサギのような精霊は、真っ暗な階段を吸い込まれるように降りて行く。


しかし

「たったったったった・・・・・・・・」


何で。何で牢に入ってないの!?

不思議に思う、というかこの城の安全性に不安を感じるが足を止めることはできない。


この先は兵士たちの休憩室だ。

絶対に行かしてはならない。


加速の術を自分にかける。

しかし遅かった。


彼はもう部屋の中へ行ってしまった。

だが少女にはまだ考えが在った。


仕方が無い明日の朝、強引にでも止めてしまおう。

加速の術がかかっていたがその足取りは重かった。










右、左、左の階段を上に、うわっ、ここにも兵士が。どんだけ厳重に警備してるんだ。

俺みたいに脱走するやつが出まくってるのか?


はぁはぁはぁ・・・


さすがに疲れてきた。

それでもなお走り続ける。


右、右、左、右、上、下、L、R、セレクト~~~~


体力無限チート起動。

うお、これは、力がみなぎって来る。


なんてはずは無いか。


階段を降りて左に曲がった。


また分かれ道だ。

左右に一本ずつ、下に降る階段がある。しかしどちらも先が真っ暗だ。


これが最後のチャンスであろう。


壁のたいまつを取り、道の分かれ目へ。

そして炎がゆれた先の方向へ、


とりゃーーー!


たいまつを投げ込むそして


うりゃーーー!


鳥の刺青のおっちゃんありがとよ。

石盤を放り込む。


「ゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴン・・・」

石盤が転がり落ちる


が、その音も聴かずに逆の方向へ走った。



どうやら上手く巻けたようだ。


ほんとに馬鹿ばっかりだな。学校の上履きの音と、石が転がる音すら区別がつかんのか。


不思議に思う、というかこの城の安全性に不安を感じるが足を止めることはできない。


突き当たり、左右に異臭の漂う扉、正面に窓。


ん・・・怖い・・・縦横50cmぐらいで出れることは出れる。

しかし高さは5mはある。今は夜らしい。下には草があるが2階から飛ぶより高い。


ぐずぐずしてられない。


よし、深呼吸。スーハースーハー


俺は飛べる

そう、飛べるんだ

俺は固い

そう、こんな高さは、どうってこと無い

傷ひとつ付かないさ

とうはっ!


風が全身をなでる、恐怖を逆なでする。ぎ~~~やぁ~~~~・・・


すたっ!


ん?痛くない、というかなんとも無い。


さっきのコードは無敵チートだったか。

あ~よかった。


なんてぐずぐずしてられない


理由を考えている暇は無かった。


外壁に穴が開いている部分を見つけ、その穴から外に這い出す。


ここはどこだ?

そこは城の裏側、平民たちの家と家の隙間だった。

「ドムスーライキョミンバセキテハ」


いきなり後ろから腕が、そしてこれは・・・香水?




「いや~とてもラッキ~だ」


「ああ、なんてったって野宿する場所を探しているところに、自ら来てくれるとは」


「城から出てきたって事は、貴族かなんかかな」


「いや、あっこから抜け出してきたところを見ると、罪人か使用人だろう」


「ちぇっ、まあ貴族だろうがなんだろうが変わんないけどな」


「・・・睡眠薬ですぐに寝たから12時間は起きないだろう」


「それだけあれば屋敷に運べるな、とっとと帰って寝ようぜ」


「ああ、そうしよう」

二人の男は小さい檻とともに馬車で町から出て行った。

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