1-2 ため息とガチャリ
「ドサッ!」
あいたたたたたたたたた。
真面目に痛い。
赤い雷に打たれたと思ったら。石畳の上に落とされるとは。
と言うかなぜ生きてるんだ?天国?いや、天国で石畳に叩き付けられるはずがない。
と言う事はここは地獄か?
ああ・・・ドンマイ俺。おそらく今から閻魔様とご対面だぜ。
しかし少しおかしい。なぜ制服のままご対面?
周りを囲んでる槍みたいなものをこっち向けてる人たちは?
う~~~~ん、と深刻に悩んでいると、
「ウモィルークレダッパゲニィ~?」
「マチージイッケリスナゥミーヴァゲレネ?」
「ボボッカケカアイウアバアヴアフフィ~!!!」
・・・・・?
脳みそをフル回転させる。さらに回す。そして回す。
・・・・・?
状況を説明しよう。
2月7日、俺は7時38分起床。
8時42分 登校。(2分遅刻)
8時47分 睡眠開始。
16時ごろ 睡眠終了。 ん?昼飯?何それ美味しいの?
16時13分 説教開始。
16時45分 説教終了および屋上連行。
16時51分「雷よ我の体に宿りたまえ!」
現在 ・・・ここどこ?目の前の人・・・誰?
無理だ俺には理解できん。とりあえず話しかけてみよう
「ふ~あ~ゆ~?」
英語で聞くのが無難だよな。
国際語だもんな。
「ゲテュイ! ビョウマェキコド~!」
通じた気がしね~!!
そんな心の叫びを気にもせず槍を持った人2人(以下、槍A、B)は、立ち上がれというように手を振る。
いったいここは何処なんだ?
石で作られた床、壁、天井。
壁にたいまつと木の扉。
部屋は暗いが、奥のほうで俺のように人に囲まれてるやつが居る。
まったく分からない。
「はあ~~~」
今日何回目か分からないため息を吐く。
促されるままに木の扉をくぐり石の廊下を進み階段を下りる。そして、
ガチャリ
今日はため息とガチャリの日だわ。うん。
なんか見覚えあるな、ここ。
あ~。確かRPGの画面で。
地下牢とかだったと思う。
懐かしいわ~。あのゲームはやけにはまった。
あのころはみんな優しかったのに・・・グスン。
あれ?目から体液が・・・。
・・・変だな病気かも。でも、鉄の柵が病院への道で通せんぼしてるよ・・・
「はあ~~~」
寒い。槍A、Bはどこかへ行ってしまった。
20分してもこないのだろう。
寒い。少しでも暖かくならないのか?
窓がないから時間さえも分からない。
周りの囚人も言葉が通じないから話もできない。
せめてライターでもあればなあ、と人差し指を立てる。
「ボワッ」
何だコリャ~~~!
人差し指にともる炎を眺めながらひらめいた。
鉄は熱で溶ける。幸いこの檻の鉄の柵は薄い。
これはいけるぞ!!
「やはりあの男は」
城の一室で兵士、王、大臣たちが話し合っていた。
「うむ、サフィの術が失敗したのだろう」
「さすが姫様。10m先のコインを呼び寄せるはずが、どこか遠くの少年を呼び寄せるとは」
「あいつはここの言葉が分からぬようでした」
槍Aが報告する。
「それは困った。何処のものか分からぬではないか」
「わが王やつの服装、今まで感じたことのない気配、そして黒髪と黒い瞳。やつは魔王の生まれ変わりかも知れぬ」
「またズーシー爺さんのおとぎ話が始まった」
「カルフ、魔王は必ず戻ってくる。このままなら必ず、前よりも力を・・」
「落ち着けズーシー。今はあの男をどうするかだ」
「わが王早めに殺すのが安全かと」
「姫様が術を失敗したことが広まっては大変だしな。今まで王族が術を失敗したことはないんだろう?」
「おい姫様に失礼だろ。だが王、私もやつを殺して無かった事にするのが良いでしょう。」
王は大きくうなずいた。
「よし、明日朝一番で執行する。みなご苦労であった。もう遅い、早く休むことにしよう。このことは誰にも言うな」
扉の隙間から覗いていたサフィは急いで廊下を走っていった。
(助けなきゃ!)
更新は不定期になると思います。テストとかで更新できない日が続くかもしれません。すいません。あと1話1話短くてすいません。謝ってばっかですいません。




