第4話 正当な抗議の末路
歓迎する?
どういうことだ?
……まさか
「もしかして。この状況はアンタらの仕業なのか?」
俺は即座に問い返した。
すると禿頭の男は頷き
「私、この神聖ノーザリア王国で宮廷魔術師筆頭をしているレフィカルと申します。どうぞよろしく」
恭しく一礼をする。
宮廷魔術師筆頭……?
見た目通り、魔法使いってことか?
っていうか……
「ここ、異世界なのか!?」
俺は思わず叫んでいた。
全く考えていなかったから。
現実的にあり得ない可能性だし。
だからどこかに超常現象でテレポートしたのかもしれない。
そう思っていたんだ。
異世界なんて現実にあると思って無かったんだよ。
まだ、ただのテレポートの方が可能性あるってさ。
でも、だったら
「何でアンタら日本語を話してるんだよ!?」
いきなり言葉が通じたのが変だと思った。
異世界なら異世界の言葉があるはずだ。
それなのに……
俺のそんな問いに対し、レフィカルと名乗った禿頭の男はにこやかな笑みを浮かべ
「お招きする側が言葉の準備をするのは当然のことでしょう?」
そう返す。
お招きする側……?
「俺たち、アンタらに呼ばれたのか!?」
「いかにも」
俺の反射的に出た悲鳴のような言葉に、レフィカルは柔和な笑みを浮かべたまま肯定を返した。
……その言葉は俺の中にしみ込んで……
一瞬後。
ふざけんな!
そんなの拉致じゃねえか!
誰が頼んだ!
帰らせろ!
怒りの言葉に変換され。
俺が衝動のままにそう叫ぶ前に
「……何で呼んだ? そんなことが許されると思っているのか?」
先に、ソウジが怒りの籠った声でそう返していた。
そのため、俺は自分の言葉を飲み込んだ。
俺が感情のままに喚き散らすより、ここはソウジに任せるべきだ……
俺の中の理性がそう言ったから。
ソウジは続ける。
「これは拉致だろ。人攫いだ。……あんたらに国としての名誉を守る気があるなら、即刻返せ」
声自体は穏やかだったが、そこに怯えは無くて。
淡々と、俺たちの主張を代弁してくれていた。
だけどレフィカルは
「ええと……我々はあなたたちに騎士の位を例外なくお渡しする予定なのですが、それでもですか?」
少し困ったようにそう言い返してきて。
ソウジはそれを秒で
「そんなものは要らない。俺たちを帰らせろ」
こう、斬って捨てる。
異論は一切受け付けない。
結論は決まっている。
堂々としていた。
レフィカルはその言葉を聞いて
「分かりました」
ニコリを笑って頷いて。
その次の瞬間。
ソウジの身体が激しく燃え上がった。
その場に、およそこれまでの人生で聞いた覚えがないような悲鳴が響き渡った。




