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異世界にクラス転移で召喚された男子高校生、目の前で親友を殺されたため召喚者国家に反逆す  作者: XX
第2章:無限の減速

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第15話 彼女の決意

「なんで髪を切ってるんだ!?」


「目立つし、邪魔だからです」


 リスリーは平然と、手を止めずに束にした髪を切り続けている。

 そこに悲壮感は無い。


 だから俺は


(女の子が髪の毛を大切にするのは、俺の世界だけの常識なのかもしれない)


 ふと、そんなことを考える。

 だとしたら俺は意味不明のことを言うキモい奴だ。


 だけど


「マサヤ様は長い方が良かったのですか? しかし、長いと邪魔ですし、あの髪型は貴族しかしませんので、一目でワタクシの身分が知れ渡ってしまいます」


 そこでさすがに気がついた。

 髪が長いことに意味が大した意味がないなら、貴族しかしないあの髪型もおそらく成立しないだろ。

 大した意味を持たないものにこだわりを持つヤツはそんなにいないはずだから。


 意味があるから拘るんだ。


「確かに言ってる通りだけど……」


 なんというべきか分からない。

 そうだな、と肯定するのは違う気がする。


「……ワタクシは……いえ、私は自分の家を潰すことを覚悟したんです」


 ばらばらと金色の髪がリスリーの足元に落ちている。

 おおよそ切り終えたのか、リスリーは足元に散らばる髪の毛を箒で掃く。

 そのために用意していたんだろう。


「だったら髪型に拘ってる場合ではありません」


 髪の後始末を終えた後。

 リスリーは俺を見つめて


「……どうでしょう? 変になってはいないでしょうか?」


 自分の切った髪を見せるためか、俺の目の前でくるくると回った。


 彼女の長い髪はすっかり短くなっていて。

 荒いけど、一応それなりに見れる状態にはなってる気はする。


 だから


「許容範囲だと思うよ」


 正直に感想を口にした。


 リスリーはその俺の言葉にニコリと微笑み。


「そうですか。良かったです」





 そして次の日。

 朝早くに俺たちは家を出た。


 リスリーは鎧も変えていた。

 立派なピカピカの金属鎧から。

 どこにでもありそうな皮鎧に。


 髪を切った上、鎧も変えた。

 これなら見た目で正体を見抜かれることは無いんじゃないだろうか?


 そして俺の方も。

 制服の学ランを脱いで、彼女の父親の遺品だという服に着替えていた。


 何とかサイズが合ったのでホッとしたよ。

 紺色の布製の服だった。

 何だか少し上等な気がした。


 元々貴族男性だった人の遺品だしな。


 一緒に靴も履き替えた。

 彼女の父親の靴は、少しだけサイズが大きかった。


「さあ、行きましょうマサヤ様」


 生真面目な表情でリスリー。


「リスリー、それじゃしっかりね」


 玄関先に見送りに出て来てくれた彼女の母親が、自分の娘であるリスリーにそんな言葉を送る。

 その言い方に気負いのようなものは無かったけど


 込めた想いは軽くないのは俺は知っている。

 そして


「マサヤ様、娘をよろしくお願いします」


 その後一礼して俺に一言。


 グッと、圧を感じる。


 ……当たり前だよな。

 使命のためとはいえ、知らない男に娘を預けるんだ。

 軽くなるはずがないよ。


 俺はちょっと思案して


「はい。任せてください」


 何とか、そんな言葉を返した。

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