表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界にクラス転移で召喚された男子高校生、目の前で親友を殺されたため召喚者国家に反逆す  作者: XX
第2章:無限の減速

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/16

第14話 真の貴族

「とうとう、あの男が人攫いをはじめたんです。この神聖ノーザリア王国の国策として……許せなかった」


 リスリーは穏やかだけど、確かな怒りの籠った声で話し始めた。

 彼女の母親は、娘の言葉を黙って受け止めている。


 そして彼女はレフィカルの行った悪逆非道を詳細に語る。

 あの男が、いかに国の名誉を汚しているか。


 許せないことを行っているか。


 娘のそんな告白を、彼女の母親はただじっと聞いていた。

 そして


「なのでワタクシは、このマサヤ様を連れ出しました。マサヤ様自身も、ご友人の仇討ちをしたいと仰っておいでて、ワタクシはその手助けをしようと思ったんです」


 リスリーが最後にそう言ったとき。

 彼女の母親が口を開いた。


「……それでこのメルディール家が取り潰されても構わないと思ったのね?」


 とても重い言葉だ。

 俺にもそれぐらい分かる。


 リスリーは頷く。

 その表情は硬かったけど


「はい……申し訳ございません母上」


 彼女は母親の言葉を肯定した。

 彼女の母親はそんな娘の言葉に軽く首を左右に振り


「謝らなくていいわ。……国の名誉と取るに足らない下級貴族の家系……天秤に掛けるようなことじゃないわね」


 ……とても。

 とても重い言葉を口にしたんだ。


 この女性は自分たちの家を潰すのを了承したんだ。

 すごい、と思った。


 リスリーの母親は落ち着いた声で


「リスリー、絶対に投げ出しては駄目よ? 命に代えても成し遂げなさい」


 真っ直ぐに娘を見つめながら言った。

 震えない声で。


「もうメルディール家のことは忘れなさい。この母が国賊の母として処刑されたとしても、決して折れては駄目。母は死んだと思いなさい。これがこの母の最後の願いです」


「分かりました」


 ……これが本当の貴族ってやつなのか。

 すごいな……。




 そしてその日。


 1日だけ彼女の実家に泊まることになった。


 彼女の実家は小さいけれど、風呂があった。

 所謂五右衛門風呂に近いものだったけど。


 先にお風呂をいただいて、湯上りの身体を冷ますために外に出たとき。


 リスリーが外に出てて。


 彼女は1人、ランプの明かりに照らされて。

 自分の髪をナイフを使って切っていた。


 貴族らしく綺麗に整えられた長い髪を。

 ブチブチとナイフで荒っぽく。


 俺はそれを目にして


「何してんだよ!?」


 思わず叫んでいた。


 男じゃ無いんだ。

 髪の毛を切るのは意味合いが全然異なるだろ!


 俺のそんな声に気づいたリスリーは


「マサヤ様、どうしました?」


 俺を振り返って平然とそんな言葉を返して来た。

 髪を切り落とす手は一切休めずに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
感想をいただけましたら必ず返信致します。
些細な感想でも頂けましたら嬉しいです。
ブクマ、評価、いいね等、いただけましたら感謝致します。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ