第13話 リスリーの家
リスリーの実家がある村は、農村のようだった。
農作業が主要産業なのか、野菜畑っぽい畑と、水田みたいなもの。
農業はまともに勉強していないから良く分からない。
家畜もいるのかな?
ふいに昔、社会見学で見に行った牧場で嗅いだ臭いがしたから。
「キミの家はどこにあるの?」
俺は道を歩きつつ周囲を見回した。
特に貴族らしい家を見つけられなかったから。
だけど、リスリーが示したのは
「あそこですね」
普通の家だった。
その辺の家と大差ない。
木造の家で、屋根は藁葺き。
一応塀はあるけど豪奢な様子はどこにもない。
……ああ、この世界の下級貴族ってこういう身分なんだな。
一応国からお金は貰えるが、裕福には生きられず慎ましい生活を強いられる。
誇りしか無くて、お金はそんなにない。
……だからかな。
彼女が決断したのは。
誇りしか無いから、誇りに他の貴族よりも拘ってしまうのかもしれない。
そんなことを思ってしまった。
「母上、ただいま帰りました」
家に入ると、奥から年配の女性が出て来る。
おそらく彼女の母親か。
身なりは派手では無いが綺麗ではある。
その女性は驚いていて
「まあリスリー。帰って来るなんて話をしてなかったでしょ?」
……日本語。
ひょっとしたら貴族階級は日常会話を日本語でやるのが普通なのかもしれないな。
年配の女性は俺に気づいて
「……こちらの方は?」
リスリーは答える。
「この方は……日本からお呼びしたマサヤ様です」
ちょうど昼時だったから。
昼食をご一緒させてもらった。
肉と野菜と……あと、米か?
米は自分だけ。
おにぎり状態で目の前にドンとある。
リスリーとその母親は野菜と肉だけの食事。
皿代わりに使ってる木の板の上に置かれた野菜と肉を手で食べていた。
(この米、本来はリスリーの母親が食べる予定だったものじゃないのか?)
少しそれで悩んだが、要らないとは言えなかった。
それは米が食べたかったこともあるが、それよりも
ここで遠慮すると彼女らを拒絶していることになるのではないか?
そう思ったから、最終的には食べた。
特別な米では無いと思うけど、その白飯のおにぎりはとても美味く感じた。
「で、リスリー」
食事が終わり。
食後のお茶のようなものを出された。
良く分からないお茶だった。
ハーブティってやつかもしれないな。
陶器のやかんみたいなヤツ……土瓶っていうのかな?
それで人数分、3人分のお茶を出してくれた。
陶器のコップでだ。
そして一息ついた後。
リスリーの母親が話を切り出して来たんだ。
「……一体、何があったの?」




