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王子様に呪われ幼女になった公爵令嬢は、魔法使いに溺愛される  作者: もも


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5 世話焼きな魔法使い

 クルークは清潔好きのようで食べた後の食器は直ぐに浄化魔法で綺麗にしていた。家の中も塵一つなかった。自分は浄化魔法を当てているくせにアンジェリカにはお風呂を使わせてくれた。


猫足で白い浴槽だった。公爵家は金の縁取りがしてあったがシンプルなのも良いなと思った。踏み台が置いてある。随分優しい魔法使いだ。

一人で入ったことがなかったので、まごまごしていたら抱き上げられ湯につけられた。お湯は薔薇の花びらを浮かべてあって心を解すようでリラックス出来た。気持ちがよくてうとうとしているアンジェリカに

「これから髪を洗ってやる。覚えたら次からは自分で洗え。湯船に入っていれば何も見えないから安心してくれ。ちびだが一応元がレディだからな」


と言われ五歳児になっているが元は年頃の令嬢アンジェリカは真っ赤になって頷いた。


 屋敷では侍女に洗ってもらっていたアンジェリカだが流石に男性に洗わせたことは無かった。アワアワしたがクルークは気にもとめていなかった。


ゆっくり浸かって出ると置いてあるふかふかのタオルが気持ちが良かった。寝間着を着てリビングに行くとクルークが

「どれ、髪を乾かしてやろう」と言いタオルで拭いてくれた後、オイルをつけて風魔法で乾かしてくれた。櫛で梳かしたわけでもないのに髪がサラサラになった。



朝になるとリビングの椅子に座らせて髪をツインテールに結んでくれた。

侍女達にも劣らない手際の良さにアンジェリカは驚いてしまった。







 漸く外に出てみる気になったアンジェリカは野菜の様子を見に行くのが楽しみになった。陽射しは気持ちよく風がそよそよと吹き野菜たちが元気に育っていて、気持ちが良い。

ふかふかの土の畑に植えられたトマトやジャガイモが花を付けていた。クルークが光を出すとあっという間に成長し完熟した。


「凄いです。私も出来るようになりますか?」


「ああ、練習すれば出来るようになる。ほら手を繋いで指先に意識を向けてごらん、温かくなってくるだろう」


「はい、何か温かいものが入ってくる感じがします。これが魔力ですか?」


「そうだ、普通に使うくらいの魔力はあるようだ。良かったな、便利だぞ。畑の水やりも簡単になる」


「水を出してお洗濯をしてみたいです」


「洗濯か?お嬢様なのに変わってるな。水魔法と風魔法が使えないといけないぞ。浄化魔法でもいいけど。まあゆっくりでいいさ。焦らないことだ」


「はい」








 クルークは闇魔法は専門外だった。過去に触れる程度にはこなしたがそれだけだ。

国内外から取り寄せた闇魔法の本を読みこむことにした。ぽんこつな闇魔法を解くために、知り合いの魔法使いにも連絡を取った。



 その休憩の合間に浄化魔法を教えて貰うことにした。だって自分の物は洗いたい。いつかクルーク(様)の物も洗いたいと思っているので頑張りたい。シーツとかシャツとかお陽さまに当てて干したらいい香りがするのじゃないかしらと思っている。



「アンジーおやつにしよう。今日はこの間買っておいたクッキーだ。紅茶を淹れるよ」


「紅茶を淹れる練習もしたいです。クルーク(様)の淹れる紅茶は美味しいです。食べたら訓練ですね。よろしくお願いします」

心の中では様を付けているアンジェリカはにっこり笑って言った。(様を付けると機嫌が悪くなるのだ。何故に?)


「真面目だな。休憩が終わったら一緒に魔法の本を読むか?」


「いいのですか?読みたいです」


クルークの部屋にある魔法書は分厚くて装丁が豪華だ。汚せないと思ったアンジェリカは近付いて見るだけだった。


「いいぞ、魔法に付いて勉強するのは悪くない。けれど庭に出るのは続けて。野菜たちに話しかけるのがアンジーの役目だ。話しかけると喜ぶんだ」


「喜んでくれているのですか?」


「うん、喜んでいる」


「それなら話しかけます。でもこの前沢山野菜を買いましたね。育てているのに何故ですか」


「う~ん、買いたくなったからだね。売ってある物の味がみたかった。もっと美味しい物を作ってやるぞってね」


クルークの答えにアンジェリカは目を白黒させた。








「クロから連絡があった。アンジー付きの侍女と護衛はお咎めは無かったようだ。公爵も王子に逆らえない立場は分かっているだろうからね。一応葬儀は出したらしいが納得はしていないらしい。不仲だったのを知っていたからか、何かされたと思っていそうだ。遺体を検分したのかもしれないな」


「侍女達なら身体の特徴で分かるかもしれませんが、恐ろしくて近づけないでしょう」


「屋敷に帰りたいか?」


「いいえ、第一王子に楯突くとなると公爵家の立場が微妙なものになるので帰りたいとは思いません」


「こっそりと生きているとだけ知らせても良いんだぞ」


「それは……考えてみてもいいでしょうか」



「ああ、ゆっくりでいい。気の済むまで考えるといい」



それはあの日王子の婚約者に選ばれたことを喜んでいた父が歓迎することなのか、アンジェリカの宿題は心の奥底に沈んでいった。




お読みくだりありがとうございます!



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