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王子様に呪われ幼女になった公爵令嬢は、魔法使いに溺愛される  作者: もも


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13 魔法使いの溺愛計画 1

 それからクルークは毎日寝る前に治癒魔法を掛けた。掌が終わると足にそれから腕にと光を当てていった。温かくなって気持ちが良いらしく直ぐに眠くなるようだった。


料理も腕を振るった。アンジェリカの大好きなふわふわオムレツは得意料理になった。

極上のビーフステーキを畑で採れた野菜の付け合わせで食べるのは何とも言えない美味しさだったらしく笑わなくなったアンジェリカの頬が緩んでいた。塩と黒胡椒で食べたのだが素材が良いので旨味が半端なく蕩けるような舌触りだった。


スープはジャガイモのポタージュ。大きな肉の塊だったのでローストビーフも作り置きした。是非とも胃袋を掴んで自分を意識してもらいたいとクルークはやる気をみなぎらせた。





 気が付かなかったが庭には野菜ばかりで花が無かった。女の子は花が好きだったなと思い出し、一緒に花の種を買いに街の花屋に行った。

そこで売っていた薔薇の花をプレゼントをした。


「嬉しいです。さっそくお部屋に飾りますね」


と言ってぱあっと花が咲いたように笑ったアンジェリカはとても可愛らしかった。

隣がお菓子屋だったので、花の形のキャンディや苺の入ったキャンディを買い求めた。

「お嬢ちゃんにぴったりですね」と愛想の良い店員に言われアンジェリカはにこにこが止まらないようだ。くそっ自分には笑わないアンジェリカの笑顔を引き出しやがってと関係のない店員に八つ当たりしそうだったが何とか貰えた。


「何、この可愛さ、殺人級だろう」


と思ったクルークはさっとアンジェリカを抱き上げて帰ることにした。

目を離した隙に攫われたら大変だから。





 リビングに座らせお茶の支度を始めたクルークは収納魔法から苺のケーキを取り出した。


「えっ!いつの間に買ったのですか?」


「ふふん、これは手作りだ」


「え〜っ?凄いですね。ケーキまで焼けるんですか?私何も出来なくてすみません」さっきまでの弾んだ空気が嘘のようにアンジーがしょぼんとした。


「あ、そうではなくて喜んで貰いたくて作ってみたんだ。えーと実験みたいで楽しかったぞ」


「そうだったのですか?それなら良かったです」

大好きなケーキで機嫌が上向いたようだ。はあ〜心臓に悪い。


「うん、食べてみて」平気な振りで言った。


「頂きます。う~んスポンジがふわふわで生クリームと苺が甘くて美味しいです ! ! 」

苺は畑で採れた甘い品種だ。


「そうか、そうか。紅茶もっと飲むか」


「はい、頂きます。でも(クルーク様も)一緒に食べてください」


「うん、食べるよ。うー美味い。俺って天才だな。食べたら種を植えようか。庭が花だらけになるぞ」


「それ凄く楽しみです」


「今まで野菜ばかりで花が無くてごめん。漸く気がついた。あれじゃあ庭じゃ無くて畑だな。普通の家には野菜ばかり植えてないよね」


「まあそうですけど、野菜の花も可愛いですし実がなるので実益が目的なのかと思っていました」


「女の子目線だと花が欲しかったよな」


アンジェリカは何とも言えない顔でクルークを見た。畑だと思っていたがクルーク様の中では庭のつもりだったんだと認識の違いを感じた出来事だった。


「さあ片付けて庭に出よう。花をメインにして畑は移動させよう」


「ご馳走様でした。美味しかったです」


「気に入ったのなら又作ってあげるよ。今度はチョコレートケーキが良いか?」


「はい、帰るまでに食べたいです」


「うっ、帰るまでに…」


聞こえなかったのかアンジェリカが畑を見て声を上げた。


「どうやって畑を移動させるのですか?ふかふかの土ですよ。ジャガイモが埋まってます」


「見ててごらん、一瞬だから」


クルークが詠唱を唱えるまでもなく畑全体がまるで生き物のように動いた。


「えっ ! ! 動いたのですけど」


「うん、花を植えたいから避けてって言ってどけて貰った」


「凄いです ! ! さすが大魔法使い様ですね」


「どうしてそこに大魔法使いが出てくるの?」


「凄いからです」


クルークは褒められると調子に乗ってしまうタイプだったらしい。


「さあ種を落としてみて」


「はい、スイートピーを撒きますね」


ピンク色のスイートピーがあっという間に花を咲かせた。


「わあ〜可愛いお花が沢山です。綺麗!」


「次は何にする?」


「チューリップが良いです。球根の袋にピンク色と書いてありました」


「じゃあ、風魔法で球根を置いてみて」

アンジェリカが掌に載せた球根に魔力を注ぐと球根がお行儀よく土の上に並んだ。チューリップは芽が出て花が蕾になるまでで成長を止めた。


「わあ~可愛いです!スイートピーと一緒だととても綺麗ですね」


「そんなに喜ぶならもっと早く植えれば良かったな。気がつかなくて悪かった」


「男の人なので仕方ありません。あれからも貰ったことはありませんし」


「うっ……一緒にされたくない。もっと紳士になるよ」


「充分紳士です。呪われている見知らぬ子供を助けてくださいました」

何げない言葉がどうしてか胸にぐさっと刺さった。


「もっと頑張るよ」

呟いた声はアンジェリカには届かずピンクの花の咲き誇る庭に溶けて消えた。



読んでいただきありがとうございます。前回が胸糞だったのでお口直しに書きました。

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